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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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七章
  鬼の情報×上洛について

「お茶持って来たよー!」

「お茶菓子もありますよー!」

「餅菓子、練り菓子なんでもござれ!あ、久遠様のために金平糖なんかも用意しましたー!」

「!!でかした!」

久遠、嬉し過ぎだろう。まあ好物が出されると人は喜ぶからな。

「へへー、たくさん食べてね、お姉ちゃん。それと・・・・異人さんのお口に合うかなー?」

差し出された茶碗を受け取り、エーリカはゆっくりと口を付けた。

「結構なお点前で」

「ホント?やったー!・・・・ってあれ?異人さんなのに、どうして言葉が分かるんだろう?」

「市ぃ~・・・・この方が喋っているのは、日の本の言葉だってば」

「あ、だから分かるんだ。・・・・ええっ!?異人さんなのにどうして!?」

夫婦揃って同じ反応なのだな。で、エーリカの事を紹介した後に市が金柑と言ったので、やはり姉妹何だなと思った。とその時着うたが流れた事によって驚く諸君。

「ああ、悪い悪い。仲間からの連絡だ」

そう言って俺は、部屋から出てケータイを開いてから電話に出た。その間、部屋の中にいた者達はというとだな。

「今の何?あの小さな箱みたいな物から音が鳴って、その後連絡が出来るってどういう事なの?ひよ」

「えーと、一真様曰くあれは遠くにいる仲間と連絡できる絡繰りだと言ってましたね」

「そうなんだ!エーリカさんのもああいうのあるの?」

「私の所にもまだああいった技術はありません」

俺の相手はトレミーにいるフェルトからだけど。何でもさっき聞いた通り、鬼の反応があったそうだ。サーモグラフィーで、人か鬼で判断した後に衛星カメラで細部に渡って見る。一応いつでも出れるように、コンディションイエローで待機せよと言ってから切った。で、俺が部屋に戻るとちょうど市が鬼について話してた。小谷は南部、佐和山は西部の方が酷いし、六角の領内でもかなり増えている。

「あ、お帰り。お兄ちゃん」

「聞くと、結構鬼の被害は多いと言ってたな。ならば久遠。眞琴達に事情を説明した方がいいぞ?」

で、俺が言った事により、エーリカが鬼について詳しく語った。二条館で俺達に語った事をもう一度全て話した。時間にして数十分だったが、エーリカの説明が進むたびに、眞琴と市の表情が厳しい顔になっている。

「・・・・・・以上で説明を終わります」

二人は黙ってしまったが、エーリカの言う事は真実かどうかは分からない。ただ今までの鬼の動きと合せると、無関係ではないと言える。

「鬼について、我はすぐに動く事は出来ん。だがいつか必ずや鬼を駆逐せん、と心に決めておる。眞琴、市。我に力を貸してくれ」

「それは喜んで。・・・・ですが具体的にはどのような行動を起こすおつもり何です?」

「今すぐにどうこう、と言うつもりは無い。何せ情報が少ないからな。だが・・・・」

「備えるために動く事は出来る、ですね」

「聡いな。さすが我が義妹である」

でもどうやって?と聞くと久遠は一言「天下布武」と言った。さすがに茨の道ではと眞琴も言ったが、果たしてこの世界ではどうなるなか。まあ流石に一人で背負う必要はないからな、二人で背負えば何とかなるのではと。

「俺も全力を持って久遠を支えたいと思う。だから、眞琴に市。二人の力を貸してほしい」

「分かりました。この浅井長政、全力をあげてお姉様に協力致しましょう」

「市も!市もお姉ちゃんに協力するよ!」

と言って協力するといってくれた。正史通りではなさそうなので、少しは安心したかな。眞琴は、今後はどのように動くと言ってきたので、我らは一度美濃に戻ってから、家中を調整して上洛をする予定。その時は眞琴達の協力も必要だと。

「承知しました。江北八千騎、その全てを織田木瓜の下に揃えてごらんにいれましょう」

「うむ。頼りにしているぞ、眞琴」

「はいっ!・・・・あ、ところでお姉様。小谷にはどれくらいご滞在の予定ですか?」

「五日ほど世話になろうと思うが・・・・構わんか?」

「それはもちろん。では僕はすぐにでも家中の調整に入ろうと思います。・・・・市、お姉様のお世話を」

「まっかせてー!まこっちゃんも評定、頑張ってね」

ふむ、眞琴が当主になってから三年か。随分と板についてきたといっていた。一時は、家臣共に右住左住していたというらしい。市曰く眞琴は頑張る子で、少しヘタレで可愛いところもあるとか。

「あ、お姉ちゃん達のお部屋の準備しなくちゃ。・・・・お姉ちゃん、その後でお兄ちゃんと遊んでいい?」

「どうだ一真?」

「構わないが、時間があればの話だな」

と言ってひよところを連れて行ってしまった。

「これで上洛する時の大きな壁は六角氏一枚かな?」

「大きな壁でいえばそうであろうな」

「詩乃、六角氏ってどんな勢力?」

「鎌倉より続く名門ですね。江南周辺の豪族達に大きな影響力を持っています。しかし当代・義治殿が、世に言う観音寺騒動というお家騒動を超こし、弱体化してしまったというのが現状でしょう。それに出来星である我ら織田家を蔑視していますし、舐めてかかってくるでしょうから、さして大きな壁にはならないと思います」

「上洛には問題ないけど、美濃の背中には武田がいるんだっけ?」

「はい。当主は確か武田晴信殿でしたね。家中の団結も強く、知将驍将が数多い、世間の雀は戦国最強と囀っておりますが」

「そのように強い勢力であるのならば、鬼を駆逐するために力を貸してもらってはどうでしょう?」

とは言ってきたエーリカだが、それは難しいと俺は言った。同じ国に住む同士だけど、今の現状を伝えても相手に伝わるか分からない。信じる、信じないは俺みたいな神と同じ存在を言ってる物だ。人間はそれぞれ自由だ、その決断に他人が口を突っ込んではならない。信じてもらったとしても、人は私利私欲で動き出す存在。疑いだしたらキリがないし今は自分の周囲にいる繋がりを強くする事が先決だと思う。エーリカは、納得していない様子だったが、久遠の判断に従うと言ってくれた事に感謝だ。 
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