グラールの神機使い
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7-8
攻撃を避けようとして、通信機を落としてしまった。無理もない、人を抱えたまま、さらに神機を持ったままだ、かわせただけでも行幸というものだろう。
立ちはだかった「ディアウス・ピター」が、落とした通信機を踏みにじり、ひと声の咆哮を上げた。
多数のヴァジュラの出現は、こいつが原因だったのだ。群れを率いての移動中だった、この群れにはそもそも中枢がいたのだ。
あまりにも多数のヴァジュラの出現に、前調べもついてなかったのだろう。よりによってこの状況、最悪のイレギュラーだ。
状況を整理する。まず俺が圧倒的不利な状況だ。
片腕では気絶したタツミとカノンを抱え、片腕で神機を持ち、ディアウス・ピターと複数のヴァジュラに取り囲まれている。
俺が使う神機はバスタータイプで、重量が非常に高い。本来片手で扱うには不向きなスタイルだ。
さらにこの状況だと、バスター系には絶対的に必要なシールドが使えなくなってしまう。
攻撃も防御も制限され、なおかつ取り囲まれた環境。
「ちょっときっついかな……」
ディアウスの威嚇にどうにか剣を向けつつ、最も効率的な「生き残る方法」を考える。
死ぬな。これは基本だ。
死にそうになったら逃げろ。今、逃げられる環境ではない
そんで隠れろ。これは逃げ切れた事前提の話だ。
運が良ければ隙を突いてブッ殺せ。一匹二匹は殺せても、こいつらを全滅とは行かないだろう。
リンドウ式4つの命令も、ここでは役に立たない、という事になる。
「万事休すかな……」
そんな時、ふと、あいつの顔が浮かんだ。
現行最強のゴッドイーター、荒鋼リュウジ。
極東支部の主戦力であり、俺の親友。
あいつなら……どうするであろう。
こんな状況を、どう切り抜けるだろう。
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