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ヘタリア大帝国

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TURN130 プリンセスその九

「絶対にいけるさ」
「欧州は再びですね」
「蘇るさ、何度でもな」
「祖国殿、今のお言葉は」
 シャルロットはフランスの今の何度でも、という言葉に微笑んで突っ込みを入れた。その言葉はというと。
「日本さんのアニメでしたね」
「ああ、そういえばそうだったな」
 フランスも言われて気付く、それで笑って返した。
「天空のな」
「いいアニメでしたね」
「本当にな、面白かったな」
「また観たいですね」
「ブルーレイ買うか」
 こんなことも言うフランスだった。
「そうするか」
「いいですね、それでは」
「ああ、今度な」
「日本さんのお店で」
 買おうと話す、そうした話もした二人だった。
 その二人のところにだ、ビルメがフランス妹と共に来てこう言って来た。
「ああ、そこにいたんだね」
「あっ、ビルメさん」
「お茶の時間だよ」
 こうシャルロット達に言って来たのだった。
「一緒にどうだい?」
「そうですね、それでは」
「コーヒーで宜しいですね」
 フランス妹は一同にこれを勧めた。
「お菓子も用意していますので」
「お菓子は何だい?」
「はい、私が作ったクレープです」
 それだというのだ。
「どうでしょうか」
「いいね、それじゃあね」
 ビルメはフランス妹の言葉に明るい顔で応えた、そうしてだった。
 四人で卓を囲んでコーヒーとクレープを楽しみだした、フランスはその場でこんなことも言うのだった。
「しかしあれだよな」
「あれ?」
「どうしたんだい、祖国さん」
「いや、またイギリスの奴と会うことになるけれどな」
 戦場でだ、間違いなくそうなるというのだ。
「あいつの料理は相変わらずなんだろうな」
「期待する方が駄目だろ」
 ビルメはフランス妹の淹れたコーヒーを飲みながら素っ気なく返した。
「あの人の料理は」
「あんたも知ってるんだな」
「一回マダガスカルにあの人が来たんだよ」
「ああ、そういえばそんなこともあったよな」
 戦争前の話だ、まだ世界は平和だった。
「それでその時にかよ」
「ご馳走になったんだけれどね」
 だがそれがだというのだ。
「いや、凄かったね」
「まずかったんだな」
「今まで食ったものの中でダントツだったね」
 ビルメはアライグマの顔でかなり辛辣な事実を述べた。
「いや、あんなまずい料理はないよ」
「そうか、あんたから見てもなんだな」
「ポルコ族の連中も泣いてただろ」
 イタリンの主要民族の彼等もだったというのだ。
「エイリス軍の捕虜になって死にそうだったって」
「あいつポルコ族は結構好きなんだよ」
 イギリスはイタリンには悪意はない、セーラにしてもかなり優しい。しかし悪意も敵意もないがそれでもだったのだ。
「それでもな」
「ポルコ族の連中もグルメだからね」
「パスタとピザとワインだからな」 
 トマトにオリーブ、オレンジにアボガド、チーズ、ガーリックだ。イタリンはこれに食後のジェラートがないと動けない。 
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