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魔法少女リリカルなのは~過去を捨て今を生きる者~

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ストライカーズ編!
  合格

 
前書き
べ、別にタイトルが思い浮かばなかったわけじゃないんだからねっ!

それではっ
 

 
それから俺たちはヘリポートから六課のブリーフィングルームに移動した。
そこにはフォワードの四人とシャーリー、シグナム、シャマルがいる。

「昔ね、一人の女の子がいたの。その子は本当に普通の女の子で、魔法なんて知りもしなかったし、戦いなんてするような子じゃなかった」

まあ、肉体言語でオハナシ☆はしようとするが。

「友達と一緒に学校へ行って、家族と一緒に幸せに暮らして、そういう一生を送るはずだった」

シャーリーの説明と共に、なのはの小学生時代の映像が流れる。
あの頃は今と違って運動神経が壊滅的だったのに、もう見る影もないな。
そしてアリサとすずかまで映像に入ってるけど、いいのか?

「だけど、事件が起こったの。魔法学校に通っていたわけでもなければ、特別なスキルがあったわけでもない。偶然の出会いで魔法を得て、たまたま魔力が大きかったってだけの、たった9歳の女の子が魔法と出会ってからわずか数ヶ月で命懸けの実践を繰り返したの」

「当時オレは敵対していた女の子の味方をしていたが、その子にはオレの双子の妹が手助けをしていたんだ。オレとソイツは小学一年生の頃に魔法を知り、練習もしていたからセンパイとして、支えていこうと思ってたんだ。いや、今でも、か」

今でもなのはは無理をしすぎるから。
だから、本当に目が離せねぇよ。
映像を見ていると、ジュエルシードを巡って戦っているフェイトの姿も映し出される。
それをみてエリオとキャロが声を上げる。

「オレが味方をしてたってのがフェイトだった。あの時のフェイトは家庭環境が複雑で、なのはととあるモノを巡って戦っていたんだ」

あの事件の原因であったフェイトとアリシアの母、プレシア・テスタロッサの名前を文字ってあの事件はP・T事件と呼ばれている。
もしくはジュエルシード事件。
まあ、オレは勝手に魔王初降臨事件とも呼んでいるが。
そんなことを思っている間も映像は流れ続ける。
フェイトに勝つために作った集束魔法、スターライトブレイカー。
九歳の女の子には負担の大きすぎる魔法だった。
P・T事件が解決したあと、少しするとまた新たな事件が起こる。
それはロストロギア、闇の書が大元の原因で起こった闇の書事件。
別名トラウマ事件。
守護騎士たちやはやてが大きく関わった事件でもあった。
そこでなのは、そして美愛は守護騎士に落とされ、怪我をした。
そしてオレたちは守護騎士たちを止めるため、当時はあまり安全とは言えなかったカートリッジシステムをデバイスに組み込んだ。
自分と友達を守るため、なのはは無茶をし続けた。
傍に、オレたちがいたのに。
頼ることを迷惑と考えてしまうなのはは、一人で頑張り続けた。
結果として闇の書事件は無事解決したが、そんな無茶を続けたなのはの体に無理が生じないはずがなかった。

「今から九年前に事件は起きた。管理局の仕事で未開拓世界の調査をしていた時、ガジェットが襲ってきた。普段のなのはだったら怪我もなく任務をこなしていたんだろうが、その日は違った。
入局してからずっと、なのはは休みも取らずに仕事を続けていたんだ。その結果なのはは油断し、ガジェットに背後を取られた」

映像に流れるのは振り返るなのはと、すぐ近くに迫ったガジェットの姿。
刺される。
そう思った瞬間、間に現れたものがあった。

「陽龍・・・さん?」

フォワードの誰かが呟く。

「少し前からなのはに異変を感じていたオレは仕事中、よくなのはを見てたんだ。同じ現場にいたヴィータもな。だからなのはが防御をできないと悟ったオレは間に割り込み、ガジェットの攻撃をモロに喰らった」

その結果、内蔵と骨に損傷、全身骨折、魔法の使用ができないという状況に。
外傷の治りは早かったが、全身骨折のせいでうまく歩けなかったオレは移動は車椅子。当時のオレはきついリハビリを繰り返して運動ができるようにもなった。
しかし問題なのは魔法。
メタ発言をするともう言ってあるし、現在の状況を見てもわかるとおり、オレは魔法を使えるようになっている。
詳しい説明は省くが、やっぱり魔法を使えるようにするためのリハビリも辛かった。
動けるようになるためのリハビリと並行して行うせいで疲労も貯まるし、病院生活によるストレスも貯まる。
もう諦めたいと思うことだってあったが、オレはスカリエッティを捕まえないけないから。
そう自分にいいきかせ、いまのオレがある。
当時刺された痕は完治することなく今も背中に残っている。

「無茶をしても、命をかけてもする戦いだって確かにある。しかしティアナ、お前がミスショットをしたあの場面は自分の仲間の安全や、命をかけてでも打たなければいけない状況だったのか?」

シグナムが言う。
ティアナがミスショットしたあの場面。
あのとき、その場には仲間がいたはずだ。
みんな戦っていて余裕がなかったかもしれないが、少し待てばヴィータだって到着するとわかっていた。
なのにティアナは焦って、結果失敗した。

「訓練中のあの技は、いったい誰のための技だ?」

今まで教えられてきたことを無視してまでしなければいけないことだったのか?
絶対に勝たなければいけないと、いつ、誰が言った?

「なのはさん、きっと自分と同じ思い、させたくないんだよ」

自分のせいで他人に怪我をさせるようなことをもうしたくないし、誰にもさせたくない。

「だから無茶をする必要がないよう、オレはメニューを考え、なのはが実行する。無事に、元気に任務を終えてほしいから」

話はそこで終わり、解散となった。


少しすると任務に出ていたなのはたちも帰還してくる。

「もう、ダメだよシャーリー、勝手に人の失敗談話しちゃ」

出迎えにきたシャーリーが早速さっきのことを話す。

「ま、いーじゃんか。どうせなのはだけの問題じゃねぇだろ?オレが許可してるし」
「そういう問題じゃないよぉ・・・はぁ、シャーリー、ティアナっていまどこにいるかな?」

なのははティアナの場所を聞く。
さ、あとは二人の問題。
オレたちが介入していいのはここまで、かな。
ヘリポートでオレたちは別れ、それぞれ部屋に戻ったり仕事をしに行ったりした。


翌日。
いつもと同じ早朝練習の時間。

「しっかし、教導官ってのも損な役職だよなぁ。大切な時期に育てたやつらもそのうちにそれぞれの道をいっちまうんだからなー」

これから始める練習の下準備とまとめの最中、ヴィータがぼやく。

「ま、そのとおりかもしんねぇな。でも、全員それぞれが選んだ道をすすめるように個人を強くするのがオレたちの仕事だからな。どっかの誰かさんみたいな無茶をしないようにな」
「そうやっていつまでも文句を言う男はフェイトちゃんに嫌われるんだよ、陽龍くん」
「なぜフェイト個人に嫌われるんだよ怖ぇよ最悪だよ地獄かよっ!」

ってかなのはのくせに弱点(フェイト)を突いてくるとは・・・。
なのは、恐ろしい子!
でもまあ、何があっても、絶対にもう誰も落とさない。
何年も前から決めたんだ。
絶対に守るって。
だから、一日も早くコイツらを立派なストライカーに育てないとな。


「はい、今朝の模擬戦終了。お疲れ様でした」

早朝訓練を終え、なのはが四人に声をかける。

「で、実を言うと今回の模擬戦、新しい段階に進むかどうかを見極めるテストだったりする」
「「「「えぇ!?」」」」

オレがさらっといった言葉に大げさに驚く。
・・・この反応、久しぶりでちょっと感動。

「で、どうだった?フェイトにヴィータ、ついでにアリシア」

丁度時間が空いていたフェイトとだいぶ前から訓練を手伝っているヴィータ、朝のラジオ体操とおんなじ感覚で来ていたアリシアに聞いてみる。

「合格」
「ごーかくでいーんじゃないかな」
「もち合格。てか、これで不合格だったら大変だって話だよな」

即答する三人。

「私も大丈夫だと思うな、みんな頑張ってるし。陽龍くんは?」
「んー、失敗も最近はないし、大丈夫だな。じゃあ四人は後でシャーリーんとこ行ってデバイスのリミッター解除してもらってこい。明日からその状態で練習すっから」
「「「「はい!・・・はい?」」」」
「今日の練習はこれで終わり。全員真面目に練習に取り組んでたから、褒美に丸一日休みを与えてやろうってこと。街に行くなり、部屋でダラダラ過ごすなり、自由にしな」

オレはそう言ってまとめをしていたモニターを閉じた。
でもオレたち大人に休みは与えられないのでした、まる。


訓練のあと、フォワード四人は部屋に戻り、オレたちは集まって食事をしていた。

「むぐむぐ・・・ふぇふぃふぉ、ふぉーふふぉっふぇ」

訳、フェイト、醤油とって。

「わけがわからないよ。・・・はい、醤油」

なんだかんだ言って理解しているフェイトマジ最高。

「あ、ピーマン発見。おにーちゃん、可愛い妹ちゃんからプレゼントフォーユー」
「ふぇ?ふぉふぇひふぁふぁふぃふぃふぃふぉふふぉふぁんふぁふぃふぁっふぇ?」

訳、え?オレに可愛い妹なんかいたっけ?

「フェイトー、陽龍がいじめるー」
「お姉ちゃん、好き嫌いはダメだよ?」
「うわーん、わたしに味方がいないー」

とか棒読みで言いながらピーマンを食べるアリシアはしっかりしていると思う。
美愛だったら端っこに避けるし。
オレは好き嫌い事態ないけと。

「んぐ。それにしたって、最近のニュースって似たようなもんばっかやってるよな」

オレは口の中に残っていたものを飲み込み、付けっぱなしのニュースを見る。

『・・・平和を守るためである!』

丁度写っていたのは地上のお偉いさん、レジアス・ゲイズ中将。
空戦魔導士やなのはたちのようないわゆるエリートを毛嫌いしている陸戦魔導士だ。
相変わらずこのオッサン、言うこと変わんねぇなぁ。

「でも、この人って地上の人には人気なんだよね」

やれ陸戦魔導士の鏡だ、やれ英雄だ。
地上本部とかではそんなことを言われているらしい。
ま、結局は頭の固い頑固じじいなんだけどな。

「あ、言い忘れてたけど近々新しい隊員がくるから、そこんとこよろしゅうな」

・・・・・。

「え?」
 
 

 
後書き
わかり易すぎる伏線を張っておく。
そうしないとアイツらが登場できないじゃないか・・・!

それではっ
 
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