転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OG外伝
0540話
ニーズヘッグの腹部からまるでシャワーの如く幾筋にも分かれて放たれた拡散ビーム砲。ニーズヘッグに搭載されている動力炉の関係で、拡散されているとは言っても並のビーム砲より威力は上だろう。
だが……
「その程度の攻撃で私を止められると思うな!」
手に炎を作り出すのではなく、マルディクト全体を炎が包み込みそのままニーズヘッグへと向かって来る。そしてその炎は、拡散ビーム砲のビームを弾き飛ばし、あるいは防いでいるのだ。
「ちぃっ!」
咄嗟に危険を感じ、T-LINKシステムを通して右側のヒュドラ3基のスラスターを全開に。さすがにフィリオの手が入っているだけにかなりの高速で時計回りに移動し、こちらへと突っ込んで来たマルディクトを回避しながら左右の前方向のヒュドラからランツェ・カノーネ2門のトリガーを引く。
拡散ビーム砲とは威力その物が違うこのビームなら機体全体を覆っている炎も貫通出来る筈。そんな風に判断した俺の予想は正しかったのだろう。誤算が1つあったとすれば、アルティスの修羅としての直感と言うべきか。
自分に放たれたそのビームは、恐らく炎の守りを突破すると判断したのか、瞬時に地を蹴り空へと飛び上がり、そのまままるで空が地面であるかのように蹴り飛ばしてこちらへと迫ってくる。
「させるか!」
そのまま再びヒュドラのスラスターを使い、先程とは違って逆時計回りに移動しながら拡散ビーム砲のビームを周囲へとバラ撒く。……ただし、今度はマルディクトを狙ってでは無く地面を狙ってだ。同時にニーズヘッグの頭部からビームバルカンも発射して、これもまた地面へと命中する。
最初からマルディクトを狙った攻撃ではなかった為に、命中弾は1つもなかった。だがその代わりに地面へと次々にビームが命中し、盛大に土煙を周囲へと巻き上げる。
同時に一旦後方へと下がって土煙から逃れ、ミラージュコロイドを展開。姿を消す。
土煙の中でミラージュコロイドを使わなかったのは土煙が上がっている故にミラージュコロイドを見破られる可能性を考えたからだ。
もちろんミラージュコロイドには宇宙ならともかく、地上では駆動音で敵に場所を察知されるという弱点もある。だからこそ、ニーズヘッグの得意な射撃を行うべく位置取りをし、そのまま動きを止めているのだ。
そしてやがて土煙が消え去った後、マルディクトは睥睨するようにして周囲を見渡していた。
周囲にニーズヘッグの姿が無いと気が付いたのだろう。警戒しながらも、どこか困惑したように改めて周囲を見回す。
そもそもニーズヘッグはマルディクトに比べると半分以下の大きさしかない小型機だ。通常の修羅に比べても10m近くも小さい。その為に向こうにしても見失いやすいと考えても不思議ではない。
まぁ、正解はミラージュコロイドなんだがな。
そしてその体勢のまま、再びランツェ・カノーネ2門を構え……次の瞬間、マルディクトの頭部が躊躇無くこちらを向いた。ミラージュコロイドを展開しているにも関わらず、だ。
「ちっ、また覇気とかそっち系統か!?」
舌打ちをしつつもトリガーを引く。
2門のランツェ・カノーネから放たれたビームが次々とマルディクトへと向かって殺到するが、時既に遅し。既にマルディクトは地を蹴って大きく跳躍してこちらへとその馬の前足の蹄に当たる部分を振り下ろしてきていた。
咄嗟にヒュドラに装備されているグレートグランドマスターキーを使いニーズヘッグの影から影槍を50本近く射出。それぞれがその鋭い切っ先をマルディクトへと向けて突き刺さんとばかりに殺到する。
だが、その殆どの穂先はマルディクトが全身から吹き出している炎を突破出来ずに燃やされ、消滅していった。何しろ咄嗟に放った影槍だ。影精の練り込みが足りずに強度的にいまいちだったのはしょうがない。
しかしそんな影槍でもアルティスの意表を付くのは十分だったらしく、蹄の振り下ろされる速度が一瞬だけ緩む。そしてその一瞬があれば十分だ!
T-LINKシステムを使って左側のヒュドラのスラスターを使い、その場で半回転。次の瞬間には空中から降ってきた蹄が地面へとクレーターを作り出していた。
「アダマンハルパー、起動!」
そのままアダマンハルパーを起動。ただしゼロ距離と言ってもいいこの至近距離ではいつもの大鎌では不利でしかない。なので咄嗟にこれまでにも幾度か使ってきた騎乗槍のような巨大なランスへと姿を変え、そのまま強引に騎乗槍の根本の太い部分でマルディクトの地面へと突き刺さっている足へと狙って振り抜く!
本来であれば、15m程度の小型機が出せる膂力ではマルディクトのような、どちらかと言えば特機に近い機体相手に腕力勝負は愚策でしかないだろう。だが、このニーズヘッグは動力炉を……それこそ桁外れのソレを3つも持っているのだ。そこから生み出されるエネルギーとT-LINKシステムを使った念動力の増幅により、振り抜かれた騎乗槍はまるでハンマーで吹き飛ばした小石の如く、マルディクトを100m近くも吹き飛ばす。
「ぐっ、な、何!? このマルディクトがあのような小型機に力で負けるだと!?」
唖然としたアルティスの言葉が通信で聞こえて来る。
それだけ向こうにしても予想外の展開だったのだろう。
その一瞬の隙を突くかのように、T-LINKシステムを使って全てのヒュドラを展開。それぞれの先端に3門ずつ装備している合計18門のビーム砲の内、15門。左真ん中のヒュドラ以外の全てのビーム砲を撃ち放つ。
まさにビームが途切れる事無く撃ち続けられ、同時にそれに紛れて左真ん中のヒュドラからT.T.ランチャーを発射。念動力によってその軌道を自由に曲げられるそのビームは、T-LINKシステムにより大きく弧を描きビーム砲の雨に耐えているマルディクトを迂回してその背後へと回り込み……そのまままっすぐにマルディクトへと襲い掛かる。
「ぬぅっ!」
ビーム砲の連続掃射を炎で防ぎつつも、次第次第にその炎を突破されて少しずつではあるが機体にダメージが蓄積している状況で、致命的ともいえる背後からのビームに気が付いたのはさすがに修羅王に次ぐ実力の持ち主か。……それが、俺の考えている戦闘の流れであるとしても、だ。
咄嗟に上半身を捻り背後から襲い掛かってきたビームを回避するマルディクト。だがその一瞬の隙に、俺はT-LINKシステムを通して右後方のヒュドラに組み込まれているメガ・バスターキャノンの照準を付け、そのトリガーを引く。
このメガ・バスターキャノンはニーズヘッグが持っている武器の中でもトップクラスの攻撃力を持っている。だがその分、ほんの数秒だが溜めの時間が必要なのだ。
「死にたくなければ、死に物狂いで回避しろ!」
殺してしまっては元も子もないこの状況。それだけをアルティスへと告げてメガ・バスターキャノンのトリガーを引く。
メガ・バスターキャノンがどれ程の攻撃力を持っているのかを本能的に察知したのだろう。マルディクトは大きく地を蹴り空中へとその身を逃がす……が、甘い。
轟っ!
空気その物を焼き尽くすかのようにして放たれた巨大なビームは、跳躍して空中へと逃げたマルディクトの下半身の後ろ足の先端部分を消滅させ、それでも少しも威力を落とす事無く海の方へと向かっていき、着弾。盛大な水柱を作りあげていた。
そしてアルティスが地面へと着地しつつも後ろ脚の先端が無い為にバランスを崩したその時。
「ファントムッ!」
ツイン・ドライブで急速にマルディクトへと近付きながら前方左右のヒュドラから合計16機のファントムを射出し、極限まで威力を落としたビーム――命中すれば衝撃を受けるがダメージは殆ど無い程度――をマルディクトへと連続して撃ち放つ。
そして体勢を立て直せないままに四方八方から、まるで殴りつけられているかのようなマルディクトへと接近し……
「グレイプニルの糸、発動!」
ヒュドラの先端からグレイプニルの糸を発動。そのままマルディクトの足や上半身を雁字搦めにする。そして駄目押し。
「アダマンハルパー、起動!」
騎乗槍の状態からいつもの大鎌の状態へと変化させ、その刃をマルディクトの胴体へと突きつける。同時にファントムはいつでもビームを放てるように周囲を浮遊し、ヒュドラからはランツェ・カノーネ2門、T.T.ランチャー、グラビトン・ランチャー、メガ・バスターキャノンのそれぞれの銃口、砲口がピタリと30mを越えるその巨体へと狙いを付けていた。
「……勝負ありだな?」
「……ああ」
通信モニタに映し出されたアルティスは、負けたというのに何故か笑みを浮かべてこちらへと視線を向けている。
「何か面白い事でもあったか?」
「ふっ、確かにな。何だかんだ言いつつも、やはり私も修羅の一員であると思い知っただけだ。全力を出しての戦闘が、これ程に我が身の闘争心を湧き立てるとはな。久しぶりに純粋に楽しめた戦いだった。……例えお前が全力を出していないとしても」
ニヤリとした笑みを浮かべるアルティスに、俺もまた小さく微笑みながらファントムを全機収納し、展開していた6基全てのヒュドラを待機状態に戻す。
そう、今回の戦いは本気で戦いはしたが全力で戦った訳では無い。例えば先に放ったメガ・バスターキャノンの一撃。あの一撃をまともにマルディクトが受けていたら、幾ら炎を使って身を守っていたからといっても無事では済まなかっただろう。あの一撃で消滅したのは後ろ脚の先端部分だけである以上は、修羅神としての能力で再生するのを見越しての事だし、ファントムによって放たれたビームにしても、マルディクトになるべく致命的な損傷を与えないように威力を最低限に抑えてのビームだったしな。
「これから協力するかもしれない相手の戦力をわざわざ減らす事もないだろう?」
「……くっくっく。あーはっはっはっは!」
何故か俺の言葉に高笑いをするアルティスだが、どこかツボにでも入ったのか?
その後1分程笑い続け、ようやくその発作が収まると唐突にコックピットから地上へと降りる。
「……何だ?」
そう思いつつも、アルティスが機体から降りた以上は俺もまた降りない訳にはいかないので、ニーズヘッグから地上へと降り立つ。
そして地上に降りたアルティスは笑みを浮かべて俺の方へと近付いてくる。
「いや、久しぶりに楽しませて貰った。煩わしい事に頭を悩ませずに、本能の赴くままに戦う。何だかんだ言っても私は修羅なのだな。……なぁ、そうは思わないか、メイ?」
「……アルティス様」
降り立ったマルディクトから少し離れた場所にある岩。その岩へとアルティスが声を掛けると、その影から1人の女が姿を現す。
その女は金髪のショートカットをしており、凜とした雰囲気を周囲へと放っている。
そうか、そうだったな。元々シトリーへと手紙を渡してこの女に中継して貰ったのだ。アルティスと俺が顔を合わせるこの場にいてもおかしくはない、か。
「メイシス・マルク」
「……やはり私の名も知っている、か。アルティス様の件と言い、本当にお前は何者だ?」
「さて、何者だろうな」
鋭く視線を向けてくるメイシスの追究を、軽く肩を竦めてやり過ごす。
「それで、実際に戦って俺が勝った訳だが。これで俺に協力をして貰えると考えていいのか?」
「……私自身はアクセル、お前の力を認めよう。協力してもいいと思っている。だが、それにはこの戦いの前にも言ったが、お前達が修羅王様に勝てたらなと言う条件付きになるがな」
「そっちはいいのか? 随分と俺を疑っているようだが」
チラリ、と変わらず鋭い視線を向けているメイシスの方を見ると苦々しそうにだが、確実に頷く。
「アルティス様が決めた事だ。私はそれに従うのみ。……だが、1つ聞きたい。本当にお前達はアルティス様の病を治せるのか?」
鋭い視線から一変し、一筋の希望に縋るようにこちらを見てくるメイシス。
こんな所は、修羅と言うよりは恋する乙女って奴だな。
アルティスの方へと一瞬視線を向け、小さく頷く。
「お前達修羅は、戦闘ばかりを繰り返すその習性によって技術水準が以前よりも落ちている筈だ。轟級修羅神以上の修羅神を既に作れなくなっているのがその証拠だな。そしてそうなると当然それ以外の技術も同然だろう。だが、俺達の技術はお前達に比べると非常に高い。その証拠に、今まで幾人も不治の病だと判断されたり、そのままでは長く生きられなかった者達の治療に成功している。……実際にはアルティスの身体をきちんと診察してみないと正確な所は分からないが、それでも今より良くなるのはまず間違い無いだろう」
「……分かった、今はお前を信じよう。だがその言葉が嘘だった時……お前は氷の牢獄で永遠の時を過ごす事になると覚えておけ」
それだけ言うと、1歩後ろへと下がる。
「愛されているな」
「ふっ、私の生きる目的……その1つであるのは間違い無いな。フォルカの件もその1つではあるのだが、な」
小さく笑みを浮かべるアルティス。なるほど。既にフォルカは修羅を抜けてクロガネに身を寄せているのか。
惚気とも取れるその様子に苦笑を浮かべ、懐から取り出したように見せかけて携帯電話のような形に偽装された通信機を空間倉庫から取り出す。
「アルティス、これを受け取れ」
「……これは?」
「それがあれば、俺達と連絡が取れる。何かあったら連絡をしてこい」
「うむ。……お前達が修羅王様に勝てるのを期待して動かせて貰おう。とは言っても、私に従う者よりも修羅王様に従う者の方が多いのは事実だがな」
「ああ、頼む。……じゃあ、修羅王を倒した後にまた会おう。……あぁ、そうそう。アルコには気を付けろよ。いずれミザルの指示でお前の暗殺を狙ってくる筈だ」
そう言い、アルコに対する怒気に包まれたメイシスと小さく頷くアルティスを背に、ニーズヘッグに乗ってシロガネへと帰還するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:415
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:470
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