ヘタリア大帝国
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TURN129 コアその十一
「だからな」
「それじゃあ」
「俺は道連れは作らない主義だがな」
「一緒にいていい?」
「好きにしな」
こうプリンセスに告げる。
「わかったな」
「ええ、じゃあ」
「へっ、色々悪いことをしたがな」
最早脱出も出来ない、爆発もショートも止まらない。
その中でだ、キングコアはここでは澄んだ声で言った。
「最後はこんなのかよ」
「嫌なの?」
「いや、どうせ俺は死刑だって思ってた」
犯罪者だ、その覚悟はしていたというのだ。
「それか軍か警察に蜂の巣にされるかな」
「今みたいに」
「それでも穏やかに死ねるなんて思わなかったさ」
そんなことは想定さえしてなかったというのだ。
「だからな、妙な気持ちだよ」
「そうなの」
「地獄に行くか」
達観した声だった、今度の声は。
「そうするか」
「ええ、二人で」
何かがキングコアを包む様に見えた、そして。
キングコアは爆発の中に消えた、ヴァージニアもまた。
派手な爆発を起こしてその中に消えた、惑星がそうなった様な大爆発を起こし完全に消え去ったのだった。
コア達との戦いは終わった、だが。
東郷はドロシーにだ、すぐにこう言われた。
「データは全てね」
「あらためてだな」
「ええ、消すわ」
完全にだ、そうするというのだ。
「残してはならないものだから」
「そうだな、コアのデータもヴァージニアのデータも」
「どれもこの世にあってはならないもの」
開発者のドロシー自体の言葉だ。
「だからもう」
「そうだな、世界にはあってはならないデータもある」
「そう、だから」
それ故にだというのだ。
「全て今度こそ完全に消し去るわ」
「そうしてくれ、じゃあ今はな」
東郷はあらためて全軍に告げる、その言葉は。
「ベルリンに入ろう」
「そこでだな」
「ああ、式典だ」
ドイツに話す、レーティアの総統復帰式典を行うというのだ。
「それでいいな」
「わかった、ではな」
ドイツも東郷に応える、こうしてだった。
枢軸国はあらためて予定通りベルリンに入ることになった。それで忙しくなるのが山下であった。
彼女はすぐにだ、東郷に対して言った。
「では我々はだ」
「陸軍さんはか」
「うむ、事前に降下してだ」
そのうえでだというのだ。
「警護の用意を進める」
「じゃあそちらは頼むな」
「任せるのだ、しかしだ」
「ああ、思いも寄らない戦争だったな」
「機械の兵か」
横を見る目になってだ、山下は述べた。
「好きにはなれないな」
「戦うなら生身の人間か」
「最低でもそれは守るべきことかも知れないな」
「確かにな、俺もそんな気がするな」
「人は造り上げてはいけないものもある」
こうも言う山下だった。
「そのこともわかった気がする」
「そう思うと今の戦いはな」
「ああ、色々と教訓があるな」
「そうした戦いだったな」
こう話す二人だった、かくして。
レーティアの復帰式典の準備が勧められる、英雄は自らがいるべき場所に戻ろうとしていた。恐怖の戦いの後で。
TURN129 完
2013・8・9
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