ヘタリア大帝国
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TURN129 コアその四
「食人鬼にカルトの教祖じゃない」
「そうよ、マッキンリーはまず自分の家族を殺して食べてね」
最初はマッキンリー、緑のマシンからの話だった。
「それから人を次々と殺して食べていったのよ」
「それは完全に狂っているホーーー!」
「何だそりゃ滅茶苦茶じゃねかよ!」
ケツアルハニーとランスはハンナの今の言葉に血相を変えた。
「人を食うなんて有り得ないホーーー!」
「そんなキチガイが今度の俺達の相手か!」
「それも十人や二十人ではないわ」
ハンナはさらに言う。
「何百人とね」
「おい、そりゃ何なんだよ」
さしものランスも唖然とした顔で言う。
「完全なキチガイだな」
「そしてトルーマンの率いていた教団だけれど」
語るハンナの顔も蒼白だ、言葉も何とか冷静さを保っている感じだ。
「殺人、それも惨殺を魂の救済としてね」
「また何百人とですか」
「ええ、殺したわ」
ハンナは今度はのぞみに話した。
「キングコア、リンカーンは強盗殺人よ。その犯罪件数はわかっているだけで千件近いわ。何千人と殺しているわ」
「全員サイコ野郎かよ」
田中はここまで聞いて忌々しげに言い捨てた。
「それが俺達の今度の相手か」
「しかも身体は機械であり情報を収集してるって」
ハニートラップもうんざりとしきった顔である。
「これまでで一番タチの悪い相手じゃない」
「けどここで俺達が負けたら洒落にならんで」
スペインがここで言う。
「俺達は皆殺しでベルリンは凶悪犯ちゅうかガイキチのもんや」
「じゃあ勝つしかないんだ」
「それしかないで、イタちゃん」
スペインはこうイタリアに答えた。
「残念やけど」
「白旗出しても駄目かな」
「そんな相手だと思えるあるか?」
中国は泣きそうなイタリアに突っ込みを入れた。
「絶対に無理あるぞ」
「やっぱりそうなんだ」
「今回は戦うしかないある」
イタリアもだというのだ。
「覚悟して戦うある」
「わかったよ、それじゃあね」
イタリアもがっかりとしているがそれでもだった、何とか頷いて。
彼等は布陣を整えた、その彼等にコアの軍勢が迫っていた。しかしそのコアの布陣はというと。
秋山がだ、自身の隣にいる東郷にこう言った。
「司令、これは」
「ああ、素人だな」
「そういえば彼等は死刑囚でしたね」
「人造人間の身体に死刑囚の脳を移植させたな」
「そうでしたね」
「軍人はいない」
「だからですか」
見れば布陣にもなっていない、ただ無造作に向かってきているだけだ。
それを見て秋山は言い東郷も応えているのだ。
「では」
「全軍まずはだ」
東郷はここで言う。
「敵の攻撃を受ける」
「そうしてですね」
「そのまま中央は下がりだ」
「左右はそのままで、ですね」
「敵の攻撃を受けるふりをして囲め」
「カンネーだね」
イタリア妹がモニターから東郷に問うた。
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