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ヘタリア大帝国

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TURN129 コアその一

                   TURN129  コア
 枢軸軍は目の前に廃棄された戦艦を見ていた、周りには破壊され尽くした艦隊が漂っている。レーティアはそれを見て言うのだった。
「これはまさか」
「ええ、間違いないわね」
 グレシアがそのレーティアに応える。
「ヒムラーの戦艦と、そして」
「親衛隊だな、ベルリンに残っていた」
「それもヒムラーの直率艦隊よ」
「何があった」
 レーティアは怪訝な顔で言った。
「これは」
「戦闘があったことは間違いないな」
 ドイツも怪訝な顔である。
「親衛隊長の乗艦に破損はないがな」
「それ以外の艦艇がね」
「全て破壊されている」
 こうグレシアに話す。
「それを見ているとな」
「戦闘があったことは間違いないにしても」
「誰にやられたか、だよな」
 プロイセンはその目を鋭くさせている。
「これはな」
「まさかと思うが」
 マンシュタインはモニターに映る遠方を見た、そこには。
「あの艦隊か」
「機械の艦隊でしたね」
 ロンメルがマンシュタインに応える。
「確か」
「うむ、新たに開発していたというな」
「人造人間の」
「人造人間の叛乱?まさか」
 ドイツ妹は言ってすぐに自分の言葉を否定した。
「そんな小説みたいなことが」
「あるんじゃないの?」
 しかしプロイセン妹はドイツ妹のその言葉に言った。
「そのまさかが」
「では」
「ああ、その通りだよ」
 ここで枢軸軍の全艦艇のモニターに白銀の顔が現われた、邪悪な笑みを浮かべているその機械の顔が。
「俺達がやってやったんだよ」
「御前は」
「コア、キングコアだ。覚えておくんだな」
 レーティアにこう楽しげな声で返す。
「これから手前等をぶっ殺す奴の名前だよ」
「キングコア、自称だな」
 レーティアはその名前からすぐにそのことを察した。
「そうだな」
「へっ、察しがいいな」
 その通りだとだ、キングコアも答える。
「俺の名はリンカーン、イレブンナインともいうさ」
「イレブンナイン!?」
「まさか」
 その名に反応したのはダグラスとスカーレットだった、まずダグラスが言う。
「俺の映画の悪役のモデルかよ」
「何だ、イーグル=ダグラスもいるのかよ」
「ああ、今じゃガメリカの大統領だ」
 キングコアをサングラスの奥の鋭い目で見据えながら言い返した。
「目出度く当選したさ」
「そうかよ、手前の話は刑務所でも聞いてたぜ」
「生きてるとは思わなかったな」
 ダグラスはキングコア、リンカーンが死刑囚になっていると聞いていたのだ。犯した数えきれない程の犯罪行為により。
「電気椅子の世話にはなっていなかったのかよ」
「久しぶりね」
 今度はスカーレットがキングコアに告げた。
「どうしてここで会えたかわからねえkれど」
「ああ、あの時の別嬪さんかよ」
 キングコアはスカーレットにも応える。
「あんたの乗った船はワープ装置を破壊してやったんだがな」
「生憎生き残ったわ」
 スカーレットはキングコアを見据えていた、そのうえでの言葉だ。
「船に積まれていた貴重品は全て貴方に盗まれたけれどね」
「いいものばかりだったぜ」
 キングコアは邪悪な笑みのままスカーレットに言葉を返す。 
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