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魔法少女リリカルなのは ~黒影の死神~

作者:白鳥才牙
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『第二十六話』~拓斗の力~

 
前書き
作「今回は魔法をバンバン使うよ!!」

拓「ほとんど使ってないが?」 

 
 クロノside

 でかい! なんてでかさだ!!
 思念体は泥の山を身に纏ったと思ったら30mはあるであろう巨人となった。
 巨人から感知できる魔力量は計測してないから分からないが、少なくてもSSSランクはある。


「くっ……『ブレイズカノン』!!」


 先手必勝の言葉に従い泥でできた巨人の思念体(長いから巨人でいいか)の胸部に向かって砲撃をはなつ。


「『スティンガー・レイ』『スティンガー・レイ』『スティンガー・レイ』!『スナイプショット』!!」


 さらにこれでもかというほど魔力弾を放ち、その速度を上げ威力をあげる。


――ドォン! ズガガガガガガガガガガァァァン!!


 砲撃と全ての魔力弾が巨人に殺到し砂煙で様子が見えなくなる。
 これで十分だと思うが先程の模擬戦で拓斗に「油断するな」と言われたばかりだ。
 これでとどめだ。


 しばらく続く沈黙の中、今の僕にできる最大の魔法を準備する。
 僕の後ろに自分の魔力色に染まった大きな魔法陣が展開される。


 展開が終わった時、ちょうど巨人にかかっていた砂煙が晴れてくる。
 いまだ!!


「これでトドメだ!『スティンガー・ブレイド・エクスキューションシフト』!!」


 先程放った魔力弾よりも多くの魔力刃が巨人に放たれる。
 巨人は右腕を大きく振りかぶり――










 ――魔力刃を粉砕した。










「なっ!?」


 そんなバカな! 魔力刃を殴って破壊した!?
 そう考えている間も巨人は殺到してくる魔力刃を次々と破壊していき。






 全ての魔力刃を破壊した。





 なぜだ? 今のは僕の最大の魔法だったんだぞ?
 巨人はこちらに向かって拳を振りおろしてくる。
 咄嗟にシールドを展開するが、


「っ!!」


 ミシミシと嫌な音をたててシールドに罅が入り、シールドが砕け散った。
 シールドが破壊された衝撃を利用して後ろに跳んで拳自体は回避に成功する。
 拳がぶつかった地面は簡単に砕け散る。
 これをまともに受けていたら僕はよくても体中骨折だらけだっただろう。背筋が寒くなる。

 一旦空中に上がり、腕が届かない距離から魔法で押し切るしかない。
 そのとき、


――ガシッ


「なっ!?」


 なにかに羽交い絞めにされる掴まれている部分には先程殲滅したはずの泥人形。
 まだいたのか!?

 抜け出そうとしてもこの泥人形、力が異様に強い。
 そうしている間に巨人は腕を僕に向かって振り下ろした。


(もうだめだ!)


 僕は反射的に目を瞑った。
 そして強い衝撃が










――ドガァァァァァン!!










 来なかった。


「え……?」


 恐る恐る開いた僕の眼に映ったのは。






 右手が粉々になった巨人と


「おいおい……大丈夫かよ?」


 右腕に炎を纏った拓斗だった。










 拓斗side

 危ない危ない。
 もう少し遅れてたら大けがしてたぞ。


「な、なんで魔法が……? デバイスがないと」

「いや、普通に使えるから。話聞けよ」


 俺の言葉に「ぐっ」と押し黙るクロノを羽交い絞めにしている泥人形を腕に纏っている炎で破壊してクロノを解放してやる。


「すまない、助かった」

「別にいいよ。勝手にやったとはいえ、一人で戦ってくれたんだからな。後は俺がやる」

「一人で? アイツはとてつもなく硬いが……いや、君なら大丈夫だろう」

「あぁ、オマエは下がってくれ」

「わかった」


 クロノが後ろに下がったのを確認した後、巨人と対峙する。


「さて……おまえに恨みはないが」


 拓斗は右腕に炎を纏い、巨人は周囲に泥人形を従えていた。


「おまえの力、貰い受ける」










 クロノside

 先手をとったのは巨人。
 両腕から2m程ある泥の塊を連射してくる。


「我求むは水 流麗なる動きで導き受け流せ『流導(りゅうどう)』」


 拓斗がそう唱えると周囲に水が現れ泥の塊を全て受け流す。
 そして右掌を巨人に向ける。


「今度はこっちだな……『紅蓮斬弾』」


 拓斗の掌から無数の赤い魔力刃が放たれる。
 巨人は僕の時と同じように相殺しようと泥の塊を放つが拓斗の魔力刃はものともせずに塊を真っ二つにし、巨人をも切り裂く。

 それと同時に拓斗が飛び出す。
 巨人は警戒しているのか拓斗を寄せ付けない様に泥の塊をいくつも放つが、拓斗は軽く体を捻ることで回避する。


「我求むは火 目指すは点の力 伸びて伸びて焼き破れ 『火線砲』」


 泥の塊を回避しながら放ったそれは糸のように細い熱線。
 それがまっすぐ巨人の腹部を貫いた途端、巨人は炎に包まれる。


「とどめだ」


 そう言って巨人の真下に来た拓斗は真上の両掌を構え、最後の呪文を唱える。
 その両手には風が集まり渦巻いていた。


「我求むは風 世界に流れを齎す大流よ その巨大な存在を力とし外敵を消し飛ばせ 『星の息吹』」


 瞬間、巨大な竜巻が巨人を襲う。
 巨人を包んでいた炎も相まって竜巻は炎の竜巻となった。


 竜巻が治まったそこには何も残っておらずただ一人の少年が立っているだけだった。


「倒したのか……?」

「あぁ」


 俺の問いに彼は答える。


 圧倒的だった。
 彼のバリアジャケットには傷どころか汚れ一つない。
 巨人の攻撃を一つも喰らわず。
 強力魔法で倒してしまった。

 彼は本当に何者なんだ?
 九歳、わずか九歳だ。
 それなのに魔法、戦闘技術、どれも尋常じゃない。
 九歳とはとても思えない。

 圧倒的な戦闘技術、見たこともない魔法式。
 彼は一体いつ、何処で学んだのだろうか?


「……ノ……ク…ノ……お………い……クロノ!」

「っ! な、なんだ?」

「なんだじゃねぇよ。ジュエルシード、さっさと封印してくれ。」

「あ、あぁ分かった」


 僕は拓斗に差し出されたジュエルシードを封印する。


「ようやく終わったか……エイミィ転送を「待ってくれ」どうした?」


 転送を呼び止めた拓斗の方を見ると拓斗は何かを見つめていた


「まだ……終わってないんだ」


 拓斗の視線の先には――










 ―― 一人の子供がいた。


「なっ! いったいどこから!?」


 この辺りはジュエルシードの反応を感知してから認識阻害結界を張っているはずだ。
 それをこの少年は超えて来たということは、魔導師の可能性が高い。
 狙いはなんだ?
 ジュエルシードか?


「待て」


 僕が男の子を警戒してデバイスを構えようとしたら、拓斗はそれを手で制した。


「なぜだ? 彼は結界を超えてここまで来た。魔導師だと考えるのが妥当だろう」

「いや、超えて来たんじゃない。元々いたんだよ」

「元々? どういうことだ」

「今回のジュエルシード、今までより強かったろ?原因、アイツだ」

「……は?」


 今、拓斗は何て言った? ジュエルシードの原因があの子?
 確かに、ジュエルシードは人間が発動すると通常よりも強力になるがあれほどまでになるだろうか?
 それに


「……もしそうだったとしたら、あの子は今まで何処にいたんだ?」


 そう、何処にいたか。もしそのあたりで気を失っていたとしたら気付くし、暴走体の中にいたとしたら拓斗の魔法の餌食になっている筈だ。


「何処って、ジュエルシードの中だよ」

「……はい?」


 ……ジュエルシードの中?


「いや、待ってくれ……そんなわけないだろ! 魔法なんかならともかく、人間が!? 不可能だ!!」

「そうだな、不可能だ」

「そうだろう! ならアイツはいっt「人間ならな」い何処から………え?」


 人間『なら』?


「つ、つまり彼は……」

「人間じゃない。アイツは……










 魂。所謂、幽霊ってやつだ」










 拓斗side

「幽霊……だと?」

「その通り。幽霊、実態のない曖昧な存在。これならジュエルシードの中にいてもおかしくはないだろ?」


 実際、霊体の場合ジュエルシードの様な魔力媒体の中に入り込むことは可能だ。
 以前にこのような事例を聞いたことがある。


「しかし、一体なぜこんなところに……」

「知らん。地縛霊じゃないみたいだし、ただ単に成仏できないのか?」


 クロノの問いに答え、霊体の男の子に近づき、


「悪かったな、乱暴なことして」


 そう言って頭に手を置いた。
 年齢は…俺やなのはと同じくらいか?
 彼は恐る恐るといった感じで口を開いた。


【君たちは……誰? なんで…ここに来たの?】

「俺たちか? そうだな……少なくとも、悪い奴ではない。此処に来た理由はジュエルシードをとりに来たんだ」

【ジュエルシード?】

「以前に触れたことないか? 菱形の形をした宝石」

【あっ、あります。それを触った瞬間まわりが明るくなって……】

「その宝石を俺たちはジュエルシードって呼んでるんだ。あれは俺の知り合いの物で、少しばかり危険なものなんだよ」

「少しって、そんなもんじゃ済まないだぼぁっ!?」

「お前は少し黙っとけ」


 え? 何したかって?
 一瞬で近づいて昇竜拳をきめただけだ。


【……それで、君たちは危険な状況になる前にそのジュエルシードを回収しにきたんだね?】

「そういうこと。理解が早くて助かるよ」


 というか俺が関わる同年代の奴はなんか子供らしくないんだよな……
 まぁずっと前からだから別にいいんだけど。


 じゃあ、こちら側の説明はここまでだな。


「それで? お前はなんでこんなとこにいるんだ?」

【えっと……成仏の仕方が分からないから?】

「なんで俺に聞く?」

【だって普通に視えてるみたいだし、何かわかるのかなって】

「まぁ、分かるけども」


 これでもそっち方面の専門家だし。


「つまり、成仏したいんだな?」

【うん、できるなら】

「わかった。成仏させるから目を瞑って」

【うん】


 男の子は目をギュッと硬く瞑る。別にそこまでしなくてもいいんだが……
 成仏と言ってもそんな特別なことはしない。

 士郎の時と似たような事をするだけだ。


 彼の額に手をかざす、同時に二人を中心に魔法陣が広がる。


「――我、魂を誘いし者也――」


 これは、成仏の為に必要な詠唱とか、そういうわけではない。


「――彼の者 一生を終えるも この世に残りし者――」


 何の意味も、効果もない、ただの詩。


「――この者 いずれ生まれ変わる運命に有り――」


 この詩は俺の祈りだ。


「――汝が魂 新たな生命の為 輪廻にて眠りを与えよ!!」


 言い終えると、あの時と同じように、漆黒の光が俺達を包んだ。





【ありがとう……】





 光に包まれている間に、そんな声が聞こえた気がした





 光が治まるとそこにいるのは俺一人だった。


「……逝ったか?」

[あぁ……逝ったぜ]


 俺の呟きにソウルが答える。


「そっか……」

「拓斗……」


 声のした方を向くとクロノが立っていた。
 俺はクロノに微笑みかけ言った。


「…………帰るか」 
 

 
後書き
~あとがき雑談会~

作「今回は拓斗大活躍! の回でした」

拓「今回はグダグダじゃないか?」

作「戦闘描写がねぇ~。うまく書けないんだよねぇ~……」

ソ[まぁ、続けていればうまくなるって。頑張んな]

作「うぅっ……ありがとうソウル」

拓「今回のゲストはソウルなんだな」

ソ[みたいだな]

作「あとがき雑談会、初の非生物だ!!」

ソ[今度はもうないと思うがな]

拓「そうなのか?」

作「さぁ? 気が向いたら呼ぶかな」

ソ[そうか]

作「で! 今回は魔法を大量掲載!!」

拓「大量なのか?」

ソ[新しく出た魔法は『流導』『紅蓮斬弾』『火線砲』『星の息吹』の四つだな]

作「それぞれ説明すると……」

拓「それは無印が終わったら一気に載せるんじゃないのか?」

作「そうだったね。じゃあ、今回の予告は、ソウルよろしく」

ソ[わかった





  拓斗が魂を成仏させた二日後

  再びジュエルシードの反応を感知する

  拓斗となのはがブリッジで目にしたのは

  無謀な戦いに挑むフェイトの姿だった

  次回 魔法少女リリカルなのは ~黒影の死神~『最善の方法と最良の行動 』]





作「それじゃあ、次回に」

作・拓・ソ「「[トリガー・オン!!]」」










 今度はどんな魔法出すんだ?

 そうだね~

 俺を使う魔法を多めに出してくれよ

 武器ねぇ~……思いつかん

 おい










 祝! お気に入り40件!
 ありがとうございます!
 これからも頑張りますので応援よろしくお願いします<(_ _)> 
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