SAO二次創作者と、二次主人公ズの、やりたい放題桃太郎
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第六章 終局
それでは皆さんは、各自船やら森の外へ出、元の場所へと戻って来ます。
何気にタイミングが被ったメンバーの中で第一声をあげたのは……
さち「しーちゃん……えみちゃん……ゆかちゃん……」
目に涙を一杯に貯めて、絞り出すような声でお幸は言います。
りん「リーダー、大丈夫だったか?」
結構貧血で顔色が悪くなったりんが言いました。それに対して、リョウやリクヤは驚きながらも苦笑して言います。
りくや「いや、それお前だよ。顔色すっごいよ?」
りょう「俺はな。ただちっとしくじったが……てか、寧ろお前が大丈夫か?それ、結構深いだろ」
りん「ちょっと血を使いすぎてな」
苦笑して答えたりんは多少ふらついてはいた物の、命に別条はなさそうに見えました。
りん「簡単な治療はした。問題ない。それとすまない。痛み分けの形となって逃がした」
りくや「レバーあとで食えよ。……まぁ逃がしたってなら俺もかも…」
りん「レバー……そんな腐りやすいものを持ってると思うか?」
ま「魚の臓物なら捕れそうだがな……」
こめかみを押さえつつ
りくや「魚かぁ……釣ってこようか?」
ちなみにりくやは旅をしている身分なので、魚を釣るのは割と得意でした。
り「ま、肉食って休みゃ治るだろ。肉くれーなら取ってきてやるよ」
りん「問題ない。多少ふらつくが、そのうち収まるだろう」
男たちがそんな話しをしている横で、再会を喜び合っているのは久々に再会した姉妹です。
────
えみ「さちお姉ちゃん……!」
消え入りそうで、蚊の鳴くような。しかし嬉しさに満ちた声を、えみは震える喉から絞り出した。まさきの右手と繋がれていた左手がするりと離れ、右手と共に口元を覆い隠す。
まさき「……ほら、行ってやれ」
まさきの右手が、立ち尽くすえみの背中を優しく押して。
えみ「お姉ちゃん……っ!!」
ふらふらと走り出したえみは、その顔を涙でくしゃくしゃにして、さちに飛びついた。
その身体を、さちはふらつきながらも何とか受け止めます。
さち「良かった……良かったぁ……!!」
それ以上何も言えずに泣きながら撫でていると、ゆかもまたゆっくりと近づいてきました。
ゆか「よかった……さち姉さんも無事だったのね……」
さち「うん……!ゆかちゃん、平気?あ、火傷して……!」
ゆか「これくらい平気よ、心配しないで。……それよりも、姉さんの…」
顔を心配そうに覗き込む。その視線に気が付き、さちは少し恥ずかしそうに微笑むと、言いました。
さち「あ、えと……えへへ……大丈夫だよ。後でちゃんと術で直すから……それよりえみちゃんもしーちゃんも怪我して……」
しの「りんに治療してもらったから平気だよ。それより姉さんの方が……。ねぇ、りん。なにか持ってない?」
りん「ん?ああ……打ち身の薬ぐらいならあるが……」
言うと、りんはそれをさちに手渡し、さちは丁寧に礼を言って其れを顔にすりこんでいきます。少ししみているようでしたが、特に問題はなさそうでした。
りくや「そういやこのあとどうする?」
りょう「取り敢えずさちに家借りれるように頼んどいた。りんの傷の具合も見なきゃなんねーし、多少休むべきだろ?」
りん「俺は大丈夫だ。あとは抜糸するだけだしな」
まさき「そうだな……。俺も頭を休ませないと、ズキズキとうるさくてかなわん」
何故かリンだけが遠慮したような事を言うので、りょうはふむん、と息を吐いて言います。
りょう「ばか。傷ってのは大事をとっとくもんなんだよ」
りん「静養は必要だが、すぐにってわけじゃない」
りくや「んー……ってことはこことはもうお別れってこと?」
二人の発言に、りくやが少し割り込むような形で言いました。ん?と言いながら、リョウはにやにやと笑って言います。
り「?なんだぁ?なんか心残りでもあんのかぁ?」
りくや「そうじゃないって。一日にしてはいろいろありすぎたなーなんて思ってさ」
りん「否定してやるなよ……」
少し肩をすくめたりくやに、りんが苦笑しながらゆかを見て言うと、りくやはその視線を追いながら呟くように返します。
りくや「……そこは別に否定してないよ…」
りょう「りんもだ。受けられる療養も休養も、わざわざ断る事ねーだろ?それに……」
たしなめるように言いながら、りょうはさちを見ました。あのやたら大恩を感じている娘は恐らく……
りょう「すぐ帰るなんつっても、アイツに捕まるぞ?」
その言葉に、りんは苦笑してからやれやれと首を振って言いました。。
りん「はいはい、わかりましたよ。リーダーの指示には従おう」
まさき「素直じゃないな」
りょう「やっぱ最後まで慣れねーなぁ、それ」
まさきとりょうの言葉に、苦笑したまま肩をすくめます。
りん「こういう性分だ。諦めろ」
りょう「ま、じゃあよろしいとでも言っとくか」
と、其処にりくやが笑いながら言います。
りくや「ほんと、捻くれてるよな」
りん「五月蝿い。それともなんだ?照れ隠しに首を落として欲しいのか?」
りくや「物騒すぎる!」
まさき「止めておけ。そいつのパートナーに暗闇で刺されても知らんぞ?」
りん「暗闇は俺のフィールドだぞ?まあ、罠にかかりたいなら止めはしないが……」
まさき「そういう問題じゃない……って、確信犯に言ったところで意味もない、か」
りょう「はいはい何時までやってんだお前ら。ほれ締めるぞ~……そいじゃ、これにて依頼完了だ。全員、お疲れさん!」
このまま話させてるとキリがないので、リョウが少し強引に纏めると、全員がりょうの方を向きました
りん「はい、お疲れ様」
一人は少しだけ笑みを浮かべ、
りくや「んんーっ…おつかれー」
一人は伸びしながら
もう一人は……
まさき「ああ、お疲れ――「まさきくーん!!」うぉっ!?」
不意に背中に衝撃を感じたまさきが振り返ると、すぐ近くにえみの笑顔があった。息遣いを感じられそうな距離の美貌に一瞬面食らってしまった隙に、右手を取られてしまう。
えみ「まさき君、今日はうちに泊まるんでしょ? だったら早く行こう? ご馳走うーんと作るから!!」
まさき「なっ、おい、答えを聞く前に走り出すのは止めろ!!」
……どうやら拉致られたようです。
しの「……え……」
初めて見る妹の姿にビックリ
りん「しの、お前の妹はかなり大胆だな」
呆れながらも生暖かい目でまさきたちを見る
ゆか「…え……み?」
同じく唖然
りくや「ねぇ、何が起こってんの?」
こちらは状況がつかめてない様子(笑)
さち「わぁ……」
りょう「ほほう?……こりゃおいてかれる勢いだな。行くか?」
さち「あ……はい」
りょうの少し後ろをさちは歩き出す。
さち「あ、そう言えば、りょうさん」
りょう「ん?」
さち「食べ物の好き嫌いはありますか?」
りょう「好き嫌い?そうさな……」
りくや「……あっちもかよ…」
りん「まあ、仲のいいことに越したことはないからな。しのはさっき告白染みたことをしてきたし……」
しの「ちょ、ちょっとりん!?」
りんの言葉に、しのは朱くなります。
さち「しーちゃん告白したの!?」
りくや「お前らも!?」
ゆか「……この数時間、ほんとにいろんなこと起こりすぎよ…」
しの「違う! いや、違わない……かも?えっと……別に嫌いってわけじゃなくて……」
絶賛混乱中なしのに笑いながら、引きずられて行くまさき達を先頭に、四人の青年と、四人の少女達は、歩いて行きました……
────
鳩麦「タイミングも何も構わずいちゃ付きやがって……」
レオニス「すみません、すみませんw」
蕾姫「で?この後ガールズトーク?」
涙カノ「うわぁwやりかた知らないですよw」
鳩麦「いや俺も知らないしw」
蕾姫「好きだけどな、そう言うのw」
レオニス「これはプレッシャーw」
執筆外「「「(ワクワクテカテカ)」」」
鳩麦「では、スタート」
────
さち「すぅ……すぅ……」
えみ「……ねぇ、お姉ちゃんたち」
男女分かれて寝静まった、その日の夜。
男たちは一日中休んでいてもまだ少し休み足りないらしく、ぐっすりと眠っていた。
そんな中、えみが、不意に姉たちに声を掛ける。
しの「なに?」
ゆか「…どうしたの?」
さち「すぅ……すぅ……」
どうやら、さちは既に眠っているらしい。
朝方傷を回復させてから、夕飯まで、あらゆる家事をこなしていたから、無理もないだろう。
そんな姉の寝息に苦笑しながら、えみは少し悲しげな声で言った。
えみ「……長くても数日中には、まさき君……皆帰っちゃうんだよね?」
ゆか「……そう、ね。ここにいるのはあくまで療養だし…」
しの「そうみたいね。……目的は達成できたみたいだし……」
さち「すぅ……すぅ……」
暗闇の中で、三人は寂しげな表情のまま話し合う。不意に、床が言った。
ゆか「…やっぱり、離れるのはさみしい?」
しの「…………」
その問いに、しのは小さくうなづく。
えみ「……うん。だって、生まれて初めて好きになった人だもん。このままさよならなんて、イヤだよ……」
さち「…………」
なら……と、ゆかは続けた。
ゆか「……ついてっちゃう?」
しの「……でも、それって私たち姉妹が離れ離れになるってことだよね」
えみ「それに、それじゃあこの島はどうするの?」
その言葉に頷きながらも、ゆかは言った。
ゆか「……そうね。でもりくやたちにはりくやたち別々の生活がある。私たちのわがままであの4人にも同じ場所で…なんてわけにはいかない」
少し考え込むような表情をしてから、しのが口を開く。
しの「とりあえず、寝ている姉さんも交えて話し合うからね」
ゆか「そうね」
その言葉に、小さく笑う声が混じったのには、恐らく姉妹三人の誰もが驚いただろう。
さち「ふふっ……起きてるよ。しーちゃん」
本当に珍しく、彼女達の姉が、「寝たふり」をしていたのである。
しの「ね、姉さん!?なんで寝たフリをしてたの?」
ゆか「…珍しく悪趣味なことするわね……」
えみ「意地悪なさちお姉ちゃんなんて初めて見た……」
三人の反応に、さちは少し困ったように苦笑する。
さ「あははは……ごめんね?ホントは、みんなが話し始める前にちゃんと寝ちゃうつもりだったんだけど……」
し「なんで?」
さ「だって……恥ずかしいかなって……」
言いながら、少しだけ朱くなってさちは言った。まぁ何の事は無い。そう言う話は本人が恥ずかしいだけである。
しの「……恥ずかしいけど、姉妹なんだから……。それに、姉さんも狙ってる人いるよね?」
さち「ふぇっ!?な、ななな何言ってるのしーちゃん!?私はそう言うつもりじゃ……!」
それにしてもこの小娘、隙だらけである
ゆか「隠せてないわよ。あのりょうって人でしょ?」
えみ「お姉ちゃん分かりやす過ぎるよー」
しの「姉さんは感情がすぐ表情に出るしね」
さち「○×△◇◎☆!!?」
妹たちに総攻撃を受け、さちは真っ赤になって狼狽する。と、不意にしのが標的を変えた
しの「えみはまさきって人かな?」
えみ「うんっ!」
照れながらも満面の笑みでえみが答える。
即答である。
えみ「……不思議だよね。今まで一度も恋なんてしたことなかったのに、この一日だけですっかり夢中になっちゃってるんだもん」
最早からかうも何も無いレベルの惚れっぷりだ。
しの「そ、そう……。随分と惚れ込んじゃってるね……」
さち「わぁ……!」
ゆか「一番進んでるわ、この子…」
次女は引き、長女は眼を輝かせ、三女は呆れると言った反応を受けて、末っ子は自分に話題を振った次女へと反撃した。
えみ「そういうしのお姉ちゃんはどうなのよー」
そのといに対し、普段冷静沈着と言った様子の次女は不意に顔を朱くして狼狽し始める。
しの「えっ!?そ、その……ふぇっ……」
モジモジと指を動かし、まぁしおらしい事である。
ゆか「りんさんよね、しの姉さんは」
しの「……うん……」
俯きながら小さな声で言ったしのに、サチが輝くような笑顔でニコニコ笑いながら言った。
さち「脚、しーちゃんが診てあげたんでしょう?」
しの「姉さん、なんでわかったの!?」
さ「跡のところにしーちゃんの癖があったんだよ。聞いてみたらりんさんが教えてくれたの。上手だったよ~。殆ど術も必要無さそうなくらい。とっても頑張ったんだねぇ」
詩乃の頭を心から嬉しそうに撫でながら、さちは温かい笑顔のまま言った。
しの「姉さん……。なんでりんは教えちゃったんだろう……」
さち「きっと嬉しかったんだよ」
寧ろ嬉しいのは自分だろう。と突っ込みたくなるような笑顔で、さちはしのを撫で続ける。
やがてそれに耐えかねたように、詩乃がゆかに話題を振った。
しの「うう……。ゆかはどうなの?」
ゆか「……私?」
とぼけるように言ったゆかに、しのが聞いた。
しの「リクヤって人だよ」
さち「りくやさんの事ずっと見てたよね」
えみ「それも横目でチラチラと、ねー」
にこにこ笑いながら姉と妹に聞かれるが、ゆかは少し顔を朱くしながら反論する。
ゆか「な、なんであいつのことなんで見なきゃいけないのよ!」
さち「怪我が無いか診てたとき、とっても不安そうだったよ?ゆかちゃん」
ゆか「目の前で戦われたからってだけよ」
どうにも認めたくは無いようだ。まぁ彼女がこういう自分の思っている事と逆の事を言う所の有る性格なのは、今に始まった事では無い。
しの「相変わらずゆかは素直じゃないね」
ゆか「どーせ捻くれてるわよ」
さち「そうかな?でもゆかちゃん、とってもりくやさんと仲良さそうだったよ?
ゆか「…仲良さそうなのかな……小さいのを弄ろうとした覚えしかないわね」
さちの言葉に、ゆかは少し迷ったような顔で、答えます。
さ「ホントだよ?きっと、りくやさんなら、信じて大丈夫な人だから……ね?」
ゆ「…姉さん。……そうね、姉さんの言う通りかもしれないわ。……人を信じるのはまだ怖いけどそれすらもあいつなら簡単に壊すかもしれないし……」
微笑んで言った姉の言葉を、ゆかは本当に珍しく、素直に受け取ったようでした。
えみ「なんだかんだ言って、好きなんだね」
ゆか「は!?だ、誰が……!」
しの「じぶんでいってたよね」
ゆか「~~~ッ!!」
真っ赤になって、しかし二の句が継げずにいるゆかの顔を、三人の姉妹が微笑んで見つめます。
やがていつの間にか、四人はよるだと言うのに揃って楽しげに笑うのでした。
────
さち「ねぇ、みんな」
そうして、ひとしきり笑った頃です。不意に、さちが急に正座で切り出します
えみ「? どうしたの? 急にかしこまって」
ゆか「…どうしたの?」
しの「なに?」
三人そろって聞いた妹達に、さちは微笑みながら声を掛けます。
さち「みんなは、今日、初めて好きな人が出来て……その人と、離れたくないって思ってる……そうだよね?」
えみ「うん……。でも、それだとこの島が……」
ゆか「……そう、ね…」
しの「そうだけど……私は姉さんやえみ、ゆかとも一緒にいたい」
四人其々の言葉を聞きながら、さちはこくりと頷いて返します。
さち「うん……でも、あの人達にも事情はある……だからね?一度、よく考えてみて欲しいんだ。あの人達と、これからどうして行くか……それでもし、みんなが島の外に出たくなったら……この島を、私が預かるのを、許して欲しいの」
その言葉に、三人の妹達は、少し驚いたような顔をしてから、真剣な表情で言いました。
しの「え……でも、それじゃ姉さんはどうするの?」
さち「私は、この島に残って、島を守ります」
目を閉じて、言うさちの言葉は、極静かな物でした。
ゆか「姉さんはりょうさんについて行きたいんじゃないの?」
しの「でも、姉さんはりょうって人が……」
えみ「それじゃ、お姉ちゃんだけが好きな人と会えないんじゃ……」
さち「りょうさんは、きっとこの島に残るなんて言い出さない人だと思うの。私は長女だから、もともと島には残らないと行けないから」
ニコリと笑って言う姉の言葉に納得がいかず、ゆかは少し首を振って言います。
ゆか「そんなの…姉さんに悪いわよ」
さち「みんなは気にしなくて大丈夫だよ。元々、私とりょうさんの立場の問題だから」
えみ「そんな……! それを言うならまさき君だって島に残りそうなタイプじゃないし、ついて行くって言ってもしのお姉ちゃんやゆかお姉ちゃんたちとは違って、わたしだけの一方通行だし……」
しの「姉さん自身の幸せはどうなるの?」
どうにも納得がいかず、えみは少し焦ったように、しのは冷静に聞き返しますが、さちは笑顔を崩しません。
さち「なら尚更えみちゃんは頑張らないと。諦めるなんてえみちゃんらしくないし、それにきっとえみちゃんは諦めきれないと思うな」
笑いながら、さちは言いました。しかしその笑顔を見ても、三人の心は全く晴れず、逆に曇るばかりです。
ゆか「…姉さんは諦めるの?」
えみ「それは……そうだけど……。でも、だからってお姉ちゃんが諦めなきゃならないなんておかしいよ!」
さち「私は、みんながこの世界のどこかで、笑顔で幸せで居てくれるなら、それで十分幸せだよ。少なくとも……昨日までよりずっと」
はにかむような可愛らしい笑顔で、さちは言いました。
────
鳩麦「ウチのさちはこう笑うのですw」
涙カノ・蕾姫・レオニス「「「(ピクッ)」」」
────
ゆ「そんなのダメよ!」
突然、ゆかが叫びました。
さ「わぁ!?」
驚いたさちにたたみかけるようにしのが言います。
しの「なんでそんな自己犠牲をするの?私の幸せの中には姉さんの幸せも入ってるんだよ?」
さち「そ、そんな犠牲になるなんてつもりじゃないよ。それに私は……本当にみんなが幸せなら、それで幸せなんだよ……」
困ったように言うさちですが、ゆかとえみもまた、納得がいかないようです。
ゆか「私たち姉妹でしょ?一番上だからって全部抱え込まないで…姉さんも幸せじゃないと、私は幸せじゃないわ」
え「それは皆おんなじだよ。でも、それ以上に幸せに……好きな人と一緒になりたいから、今こうして悩んでるんでしょ? それなのに、今の幸せだけでいいなんて、そんなのたださちお姉ちゃんが我慢してるだけじゃない」
し「姉さんに我慢させて、私たちだけ幸せに生活するなんて……そんなの、できるわけない」
さ「我慢なんて……そんなこと……」
さちが俯きながらその続きをさちが言おうとした時でした。
?「はぁ……別に良いがなぁ……そのまま話し込んでも永久に答え出ねーと思うぞ?なぁ、りん」
りん「そうだな。先に謝っておくが、立ち聞きしていてすまなかった」
ふすまの向こうから、不意に声がします。
慌ててしのがふすまを開けると、其処に縁側に座るりょうと、苦笑したりんが立っていました。
しの「りん!?えっとりょうさんも……」
さち「り、りんさん、りょうさん……!?ど、どうして……」
りょう「あんだけデカい声ではなしてりゃ、屋敷の反対に居たって気が付くぞ」
呆れたように言うりょうに、さちの顔がみるみる真っ赤に染まって行きます。
さ「うぅ……」
りん「とても聞き流せないような言葉が聞こえてな。入ってきたってわけだ」
りんが付けくわえ居るように言って言葉を区切ると、不意にえみが慌てた様子で言いました。
えみ「あ、え、えと、その……ま、まさき君は……?」
りょう「寝てる。そーとー頭使ったんだろうな」
えみ「そう……ですか……」
安堵やらそこまでしてくれたことへの感謝やらで顔真っ赤に成りますが、同時に少し複雑そうな表情でえみは俯きます。
りょう「で?」
さち「え、あの……」
りょう「なんかよく聞こえなかったけど、話の中核に俺が居たように聞こえたんだが、気のせいか?」
さち「そ、それは……」
りょうの言葉に、さちは答えられずに俯きます。
しの「姉さん……」
さち「その……私は……」
しかしなかなか言葉のでない彼女に、ついにしびれを切らしたりょうは縁側から立ち上がりました。
りょう「……用が無いなら寝るぞ。疲れてんだこれでも」
さち「あ……!」
立ち去ろうとするりょうの背中を呼びとめられず、さちはそのまま俯き、りょうは立ち去ろうとして……
し「あの……姉さんが言うまで待って欲しいんですが」
その前に、詩乃が立ちふさがりました。
────
蕾姫「待てコラw」
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りょう「……言うまでってな……何分待ちゃ良いんだよ。ただでさえ起きちまったってのに……」
立ちふさがった彼女を押しのける訳にも行かず、リョウは頭を掻いて聞きますが、詩乃は真剣な顔で引く気は無いと言ったように答えました。
しの「その……ごめんなさい。でも、姉さん自身のためなんで引き下がるわけにはいかないので」
その言葉と同時に……
えみ「すみません。でも、もう少しだけ……」
えみもまた、りょうの前に立ちふさがりました。その後ろには、ゆかも無言でリョウを睨んでいます。
────
レオニス「逃げんなw」
涙カノ「ちょっと待ちましょうかw」
鳩麦「ぐぬぬ……貴様等やれと申すか」
三人「www」
────
困ったようにりょうが立っていると、不意に、えみがさちに向けて言いました。
えみ「お姉ちゃん。今言わないと、ずっと言えないままになっちゃうよ……?」
さち「ッ……!」
その言葉が起爆剤になったのかもしれません。
さちは不意にりょうに駆け寄ると、その上手く開かない口を精一杯開けて言います。
さち「あ、あの……!」
りょう「……なんだよ」
さち「……!」
さちの言葉が温かい夜の空気を裂いて……
その夜が、終わりました。
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メンバー「「「「えええぇぇ~~~~~!?」」」」
鳩麦「黙れ貴様等ww」
霊獣「いやそこはやるんじゃ……」
鳩麦「やらないからwネタバレになるし其処まで進んで無いからww」
蓮夜「もったいぶるなぁw」
鳩麦「そもそもまだまだこういうのは先の話だ。絶対やらん」
レオニス「むぐぐ……」
涙カノ「ちょっと期待したのにw」
鳩麦「知らんwさて、後はエピローグだけだな」
蕾姫「いよいよ終わりか……」
ULLR「何気に長かったですねw」
鳩麦「ホントだよw」
なべさん「結構今回は平和でしたね~……」
鳩麦「まぁこっちはちょっと追いつめられかけた訳だが……さて、では張り切って行こう」
蕾姫・レオニス・涙カノ「おーw」
────
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