鉄槌と清風
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75部分:73:ヴィータの異変
73:ヴィータの異変
ヴィータと良彦の結婚から数ヶ月、ヴィータは六課終了後はなのはの誘いもあって教導隊入りし、後進の指導に当たっていた。
良彦は、現在は管理局の籍はそのままに、聖王教会騎士としての仕事…ロストロギア確保や、その為の独自交渉、管理局とは別にである…に、従事している。
良彦がたまに他の管理世界へ行く以外は、ほぼ普通の家庭と同じ感じである。
それと、まぁ…結婚したので、性交もしている、今までは一切そういう行為…キスくらいはしてたが…をしてなかったので、最初は色々会ったらしい。
そして、そんな生活が落ち着いてきた現在、二人は何故か揃って本局の会議室に呼び出されていた。
「つか、今更俺ら呼び出しって何だと思うよ?」
「わかんねーよ、良彦、なにやった?」
「今本局とはあんま関係ない仕事しかしてねーぞ、聖王教会と本局で争うようなロストロギアは無いはずだし」
「なら、あたしにもわかんねーな」
白い教導隊制服のヴィータと、航空隊制服の良彦が言い合いながら会議室へ入ると、そこにはレティ提督と、数人ほど撮影スタッフらしき姿。
「八坂ヴィータ教導官」
「八坂良彦三尉」
「「お呼びでしょうか?」」
入りながらの二人の言葉に、レティは
「えぇ、一寸二人にインタビュー受けてもらおうと思って…というか、本局の報道チームがさせて欲しいそうよ」
苦笑しながら、撮影スタッフを示す。
「…というか、俺らでいいんですか、それなのはとか、はやてとか、フェイトとか…他にもいるんじゃないかと?」
「だな、なんであたしら何だ?」
「彼らの言い分だと、結婚してる局員同士は多いけど、そのどちらもが空戦型、しかも二人揃って魔導師ランクはAAA+、というのが面白いんだそうよ、まぁ質問に答えるだけだから、頑張って」
そういうと、レティは一寸下がり、レポーターらしき女性が出てくる。
「それでは、本局報道チームによる有名人インタビュー、本日は、本局航空隊でその名を響かせた『赤と青の子鬼』こと、八坂夫妻です」
「って、まてぃ、いきなりその紹介かよ!」
「え、でもこれが一番有名ですよね」
「否定は出来ねーけど、もう一寸違うのねーのか?」
レポーターと言うか、この場合インタビュアーだろうか、は…きょとんとしてから
「それでは、夫妻に質問していきましょう」
と、きっぱりとシカトしてくれた、そのままに
「えーと、此方の資料では、お二人とも20歳となってますが、本当ですか?」
「無視して進めやがった!…まぁ、事実だな」
「一応そうだな」
頷きを確認し、更に勧めるインタビュアー。
「で、先日結婚、と…デキ婚じゃないですよね?」
「ちっげーよ、つかっ結婚するまで、してn「アホかー、一寸黙れ良彦」おうふっ」
いいそうになった言葉を、後頭部を叩いて止めるヴィータ。
「デキ婚とかじゃない、2年前に婚約してちゃんと結婚したぞ」
「そうですか、なるほど」
ヴィータの答えに満足そうに頷くインタビュアー。
「では、余興的質問はこのくらいで…ヴィータ教導官は、古代ベルカ式を中心として、近代ベルカ式の人や、ハイブリットの人を多く教えてますよね、どんな所に気をつけてますか?」
「ん…結構期間が短いんで、その相手にあった技術を高める事かな、後は無茶をさせない事」
「なるほど、良彦三尉は、現在は騎士として聖王教会で仕事をしているとか、そちらでの仕事はどうですか?」
「局の時と違って、交渉も多くなったからな、それが個人的には、苦手かな」
と、結構真面目なインタビューを繰り返していく。
「それでは、ヴィータ教導官に「一寸、まってくれ…すまね、席外す」って、教導官?」
そういって部屋を飛び出すヴィータ、残された良彦は、一寸驚き気味だが、インタビュアーはそのまま良彦に質問してくる。
局に居た時の話や、なのはと共にアンノウン…現在ではガジェットⅣ型と言われてる…に落とされた時の話などだ。
そうやっている間に、時間は過ぎインタビューは終了、後半ヴィータは戻ってこなかった…途中、シャマルから帰りに医務室へ寄るように念話があったが。
疑問に思いながら医務室へ顔を出すと、個室へ引っ張っていかれる、其処ではアンダー一枚…黒いシャツのような感じ…に、なったまま検査機器を付けられてベットに横になっているヴィータ。
「何やってんだ、ヴィータ、シャマル」
「おめでとう、良彦君」
そういうシャマルに、怪訝な良彦、ヴィータは赤い顔をしている、そして
「おめでたよ、ヴィータちゃん」
「………は?」
一瞬思考がロックし、何を言ってるんだシャマルはと言う顔をする良彦、畳み掛けるように、シャマルが
「ヴィータちゃんが妊娠したのよ、今3ヶ月くらいね…さっきも気持ち悪いって、駆け込んできたから、もしかしてと思って検査したら」
「ヴィータ…シャマル、本当だよな、それ?」
「当たり前よー、こんな大事な事嘘で言えるわけないでしょ」
その言葉に、ヴィータに近づき
「良彦…あたし」
ぎゅっと抱きしめる。
「なんていうか、嬉しいよ、ありがとうなヴィータ」
「ばかっ、礼とかいいよ…でも、うん、ありがとう良彦」
お互いに礼を言い合い、しっかりと抱きしめあう。
「シャマルも、ありがとうな」
「ううん、良いのよ、それより暫く悪阻が酷くなるだろうから、できればたまってる休暇とか使ってお休みした方が良いと思うわ、育児休暇もあるし」
「あぁ、そうだな…それで良いかヴィータ」
「ん、万が一があるといやだしな、それで良いぞ」
「そしたら、届けとかはしておくから今日は帰ろうぜ、後明日にでもはやてにちゃんと言いに行かないとな、皆にもメールはしとかねーと」
少し慌てた感じで、言う良彦を、もう一度抱き締めるヴィータ。
「おちつけよ、大丈夫だから、な」
「…ん、おう…そうだな」
それを微笑ましく見守るシャマル、その日は何時もよりゆっくりと歩いて帰ったのだった。
報告を受けた、皆が驚きと喜びで、メールやら画像連絡やらがその日は絶えなかったらしい。
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まぁ…悪阻で発覚する事が多いんじゃないかと、というか、ヴィータ少し前まで生理がなかったので、あんまり気にしてなかったんじゃないかと思いました。
次回は、自宅での話しを少しいれようかと思います。
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