ヘタリア大帝国
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TURN128 ヒムラーの誤算その十
「奴等を皆殺しにしてからだ」
「それからですね」
「我々の救済がはじまるのですね」
「ああ、そうだよ」
その通りだとだ、コングコアは邪悪をたたえたままの声で応える。
「食うのも粛清するのもな」
「それからですね」
「あの者達に報いを与えてから」
「ああ、あの星に降りるのもな」
ベルリン、彼等が今までいたその星に降下し暴虐の限りを尽くすのもだというのだ。
「まずはそれからだ」
「それは残念です、 ボス」
「最初に救済を与えられないとな」
「そう言うな、蚊が飛んでたら邪魔だろ」
キングコアは余裕のままだ、その顔での言葉だ。
「だからな」
「まずは戦闘ですか」
「とりあえずは」
「ああ、全員いいな」
キングコアは高らかに言う。
「それぞれの艦隊に戻り戦うぞ」
「畏まりました、ボス」
「では今から」
マッキンリーとトルーマンがコア達を代表してキングコアに応える。
「戦闘といきましょう」
「そうしましょう」
「戻れ、俺も自分の船に戻る」
そして戦うというのだ。
「この船からな」
「この船にいる者は全て救済しました」
トルーマンが報告する、見ればコア達は即座に動き艦内の乗員達を全て蜂の巣にしていた。艦内は血の海でその生臭い匂いで満ちている。
しかしトルーマンはその匂いに満足している顔でだ、こうキングコアに言うのだ。
「既に生存者はいません」
「そうか」
「それでこの船はどうしますか?」
「そのままにしておけばいいだろ」
もう何の用もないというのだ。
「捨てろ、いいな」
「それだけですね」
「周りの船は全部沈めろ」
キングコアがこう言うと共にだ、即座にだった。
コアの艦隊が攻撃をした、それによりヒムラーが率いていた軍は全艦撃沈された。それは一瞬のことだった。
そのことを確認してからだ、キングコアは再び言った。
「よし、これでいい」
「この船は放っておいて」
「それぞれの船に戻りますか」
「こいつもこのままだよ」
キングコアはまだ踏みつけているヒムラーの骸、最早血の海の中で虚空を見上げているだけのそれを見下ろして言う。
「寝かしてやれ」
「おお、我等を目覚ました功績によりですか」
「永遠の睡眠を与えられますか」
「一応感謝はしてるからな」
こう悪意に満ちた声で言う、まだ見下ろしつつ。
「そうしてやるさ」
「思えばこの男がいてこそでしたね」
「我等はこの素晴らしき身体を手に入れました」
「全くだ、まさかガメリカからドクツに来るなんて思わなかったがな」
「しかしそれでもですね」
「我々は新たな身体を得ました」
「最高じゃねえか、生身だったらすぐにくたばるがな」
しかし今は機械の身体だ、この身体だからだというのだ。
「このボディならそう簡単にはくたばらないさ」
「では今より」
「この身体で」
「ああ、蚊を殺すぜ」
枢軸軍の主力、彼等をだというのだ。
「そうする、いいな」
「オッケーです、ボス」
「では」
またマッキンリーとトルーマンが応える、そしてだった。
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