ヘタリア大帝国
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TURN128 ヒムラーの誤算その九
「馬鹿か手前は」
「!?石は見せた筈だけれど」
「俺達は機械なんだぜ」
こうだ、ヒムラーに左手の人差し指を半ば曲げた腕の長さで向けながら言うのだった。
「そんな石を見せても何ともあるかよ」
「馬鹿な、そんな筈が」
「機械は機械、人間は人間なんだよ」
機械は言う。
「それでどうにかなるかよ」
「じゃあ御前達は」
「まあ俺達に身体をくれたからな」
だからだとだ、ここでこう言ってだった。
機械はその手にマシンガンを出してそうしてだった。ヒムラーとその側近達を忽ちのうちに蜂の巣にしてしまった。ヒムラーも側近達も声を挙げる間もなく死んでしまった。
機械はそのヒムラーの目を見開いたまま仰向けに倒れている骸に近寄り踏みつけてだ、こう周りに言った。
「おい、緑の」
「マッキンリーです」
緑の機械はこう名乗った。
「宜しくです、ボス」
「わかった、マッキンリーだな」
「はい」
「そして私ですが」
黄金の機械も言って来た。
「トルーマンといいます」
「そうか、手前はそれだな」
「そうです」
「じゃあ俺はリンカーン、またの名をイレブンナインだがな」
自分から名前を出す、そのうえで。
機械達を見回してだ、イレブンナインは言った。
「もうこのふざけたホストもどきの下にはいねえからな」
「だからですね」
「これからは」
「手前等のボス、王様になる」
「ではその名前は」
「どうされますか?」
「何か俺達は機械の他にコアとか呼ばれてたからな」
それ故にというのだ。
「俺はコアの王様、だからキングコアと名乗るか」
「それがボスのこれからのお名前ですか」
「そう名乗られますか」
「ああ、どうだこの名前は」
「はい、いいかと」
「よいお名前です」
マッキンリーとトルーマンもそのキングコアという名に太鼓判を押した。
「では、ですね」
「これからは」
「手前等はコアだ、俺の手下だ」
それならばとだ、キングコアは言っていく。
「俺の言う通り従ってもらうぜ」
「では今から何をされますか?」
「これからは」
「決まってるだろ、俺達は犯罪者だぜ」
笑みのままの顔である、しかし今は声も笑っていた。ドス黒く邪悪と狂気をはっきりと感じさせる声であった。
その声でだ、キングコアは彼等に言うのだ。
「殺人、強盗にな」
「ディナーですね」
「救済を」
マッキンリーとトルーマンはそれぞれ言った。
「これからは好きなだけ食べていいのですね」
「神に仕えられると」
「そうだ、手前等の好きなことをやれ」
悪、それをだというのだ。
「わかったな、しかしだ」
「その前にですね」
「今から」
「ああ、人間の奴等が来やがる」
このことは今の艦内のモニターにも映っていた、枢軸軍の主力がベルリンのすぐ傍まで来ていたのである。
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