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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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六章
  推測×鬼の正体

「三人共、俺の推測だがさっきまで御簾の中にいたのは、足利将軍の妹で本物の将軍はあの御簾のすぐ側にいた奴が将軍だ」

「え、ええ!そうだったんですか!」

「お頭は、既に気付いていたのですか?」

「すると、さっきまでいたのは影武者という事ですか。さっきの鉄砲の音がしましたが、弾いた音がしましたがもしかして・・・・?」

「ああ、俺が弾き飛ばした。それよりそこで逃げようとしている幽さん。こっちに来てくれませんかね?」

「げっ!・・・・見つかりましたか」

「そりゃ見つかるな。それより色々と事情があるだろうから説明を要求する」

「はて?何の事やら?」

こいつ、白を切るつもりだが俺は容赦しないぞ。たぶん俺が神だと言ったら、素直になってくれるが今は止そう。それより・・・・。

「さっきまでいた御簾の中にいたのは影武者だろう。本物は久遠と一緒に行った者、違うか?」

「なるほど。しかし、この場でお話は出来かねますな。・・・・ひとまず先程の客室にてお待ち頂けませんか?それがしは後程伺いますので」

ふむ。そう来たか。確かにここで話すのも野暮ってもんだから、幽の言う通りにするしかない。

「あら、信じていらっしゃらない?」

「信じてない訳ではないが。幽みたいに頭が良い人に手玉取られないようにするためにも、疑う事はあるぞ」

「なるほど。しかし武士に二言はありませんぞ!」

「武士の嘘は武略になる事をお知りかな?」

「ぐっ・・・・上手い事を仰る」

「これでも、いくつかの修羅場を潜って来たからな。だがその言葉信じよう。今はお主以外に信じる者はおらんからな」

「分かりました。では今は客室にお戻りを・・・・。事態を把握した後、すぐにお伺い致しましょう」

で、俺達はさっきいた客室に戻った。少ししてから、ひよが落ち着かない様子だった。

「ひよ、落ち着け。たぶん推測通りになるだろう。これは俺の勘だ。だが俺の勘はよく当たるから信じた方がいいぞ」

「た、確かかにそうですね。でも分かりません、なぜ影武者を使ったのか」

「恐らく、試したのではないのでしょうか。久遠様には分かっていたのかと」

「推測通りだと思いたいが、ところでエーリカに聞きたい事がある」

「私に、ですか?」

「エーリカは足利将軍に凄く拘っているみたいだが、なぜかな?と思ってな」

と思って言ったら黙ってしまった。まあそうなるよねと思いながらも待ったら口を開いた。

「確かにそうですね。では将軍にお話をしようと思っていたのですが、貴方方にもお伝えした方が良いのかもしれません」

と一呼吸置いた後、話してくれたエーリカ。

「私はポルトゥス・カレから派遣された天守教の司祭。・・・・と言うのは表向きの役目で、本当の使命は、日の本に潜むとある人物を暗殺する事なのです」

「暗殺?・・・・穏やかではありませんね」

「対象の名はフランシスコ・ザビエル。天守教の司祭でありながら、闇に染まった人物です」

「ザビエルを暗殺するためにこの国へ来たと?」

「はい。ザビエルは、天守教の司祭を隠れ蓑に、この日の本に悪魔の楽園を作ろうと、画策しているのです。ザビエルの野望を知った法王庁は、日の本出身の母を持つこの私に指令を出したのです。ザビエルを暗殺し、日の本が悪魔の楽園になるのを阻止せよ、と。任務を受け、私は日の本の武人達を従える将軍に協力を要請しようとしたのですが・・・・」

「公方様の困窮っぷりに呆然とした訳ですか」

「・・・・ええ」

「悪魔とはどんな奴なんだ?」

「悪魔とは異形の姿をした化け物の事です。膂力強く、敏捷性、体力、・・・・どれもこれも、普通の人では太刀打ちできない程の力を持っている。ザビエルは悪魔を増やして、この国を悪魔の楽園にしようとしているので、私が派遣されたのです」

ふむ。悪魔、となるともしかして鬼か。詩乃の質問によると、悪魔達は人肉を喰らい女性を襲って悪魔の子を孕ませるとの事。悪魔の生命力は、凄まじく人間は決して勝てないだろうと。生命力が強く、槍を突いても死なない化け物らしい。

「ではもう一つ質問を、その悪魔とやらの異形はどのようなものなのです?」

「見るだけで総毛立つほどにおぞましい形をしています。口からは牙が生え、驚異的な身体能力を備えています。人肉や血を好み、夜な夜な町に現れては人を喰らう。そして悪魔に殺された者は、呪法を施せば同じような悪魔として復活する。それにザビエルは悪しき呪法を用いて、人を悪魔に変えてしまう事も出来るらしいのです。神の力を行使できる司祭や司教ならいざいざ知らず。普通の人では悪魔に抵抗する事も出来ず、殺されてしまうでしょう」

「そして殺されたしまった者を悪魔として復活させる、という事でしょうか・・・・ふむ」

「悪魔の楽園って、そういう事何でしょうか?」

「日の本の人達全員を、その悪魔に変えるって事なのかな」

「なるほどな、となれば俺達は既に出会ってる。その悪魔に」

「ふむ。一真様も同じようですね」

「ですね」

「一つしかありませんよねぇ?」

「どういう事でしょう?」

「俺達はその悪魔って奴と戦った事があるって事だ。エーリカの言っていた事に全員一致したのさ」

「えっ!?」

「壬月様や麦穂様何てもう何匹も成敗してますし、強敵だけど無敵って程じゃないですよねぇ」

「うんうん。ずるがしこくて強いけど、あいつらって何ていうか・・・・馬鹿だし」

「だよね。さすがに私ぐらいじゃ、一対一で戦って勝てるって事はないけど、家中でもバンバン鬼退治している人達もいるし。敵わない相手では無いと思いますよ」

「な、何と・・・・」

「あ、そういえばお頭も何度か戦っていますよね?」

俺はああと言い、そのあと俺一人でも倒した事があると言った。まあさすがに、ひよやころだけだと難しいが、壬月や麦穂、三若も鬼退治してると聞いた。

「ど、どうして生きているのですかっ!?」

「どうしてって言われても、俺の剣と銃で簡単に成敗できるけど。ああ、銃っていうのは鉄砲の事だ」

俺はホルスターから銃を見せた。実際エーリカが言ってるように、驚異的な身体能力を持っているが、倒せるものは倒せる。それに鬼退治のために、ブラック・シャーク隊をわざわざ率いて来たからな。 
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