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万華鏡

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第五十四話 音楽喫茶その十三

「曖昧でその中で妥協しながら、それで少しずつよくしていくものよ」
「そうしたものなんですね」
「そう、自分自身は腐らない様に意識してね」
 そのうえでだというのだ、
「やっていくものよ」
「妥協と矛盾ですか」
「それも受け入れてですね」
「妥協しない、矛盾を許さなかったのがね」
 それこそというのだ。
「ヒトラーでありスターリンなのよ」
「そういえばヒトラーって凄い真面目だったんですよね」
 里香はここでヒトラー個人について言った。
「スターリンも」
「そうよ、ヒトラーは凄く真面目な人間だったのよ」
 ではどう真面目だったかもだ、先生は話した。
「質素な生活をしていたのよ」
「身の周りもですよね」
「そうよ、まず着ている服は特注にしろ制服ばかりでね」
 着飾ることは決してなかった、ヒトラーの着ていた服は常に地味なものだった。彼はその服を軍服にさえ思っていたふしがあった。
「それで肉も魚も食べない菜食主義者だったのよ」
「食事もなんですね」
「やっぱり質素だったわ」
 専用の畑から摂れたものだったのは暗殺を恐れてだ、しかしだったのだ。
「それもね」
「菜食主義者だったっていうのが」
「ちょっとね」
「そうよね」
 ヒトラーのこのことについてがは五人共顔を見合わせて話す。
「違う様な」
「あまり菜食主義者だった様には」
「生肉でも咥えたいたみたいな」
「そんな感じだけれど」
「けれどね、実際にね」
 ヒトラーは菜食主義者だった、異説もあるがどうやらこのことは本当だったらしい。
「スパゲティやチョコレートが好きでね」
「案外普通ですね」
「好きな料理も」
「そうよ、ケーキとかも好きだったそうよ」
 ヒトラーは甘党だった、しかしそれも普通のものだった。 
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