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鉄槌と清風

作者:deburu
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71部分:69:結婚式(早朝)


69:結婚式(早朝)

 新暦96年の6月、良彦の20歳の誕生日に合わせて結婚式を行う事になっている。
 前日は流石にメンバーが集まらなかった…男性陣一同…ので、時間の空いていた?、ヴェロッサとザフィーラとだけ、前祝をしていた。

 当日朝、夕べ騒いだヴェロッサはまだ寝ている時間に良彦は起き出し、部屋を出ようとする所で、ザフィーラの声が掛かる。

 「今日も走る気か、良彦」

 「ザフィーラ起きてたのか、落ち着かないから何時もと同じ事しとくかなってな」

 「そうか、ならば我も付き合おう」

 「良いのか?」

 「問題ない、ヴェロッサ程飲んでは居ないからな」

 そういうと狼の格好のまま、横に並んでくる。

 「んじゃ、軽く流す感じで行くぞ」

 「心得た」

 朝もやの中、一人と一匹はゆっくりと辺りを駆ける。

 「しかし、良彦とヴィータが結婚か、最初あった時は考えもしなかった事だな」

 「…あのときか、ある種俺の封印したい修行記憶でいえばトップクラスなんだが」

 「ふっ、そういえば昔はおかしな事をしていたな」

 「あの道具、今も地球においてあるぞ…なんでか捨てらん無くてな」

 そういうと、ザフィーラが狼モードで器用に笑った気がする。

 「ヴィータとの思い出の一部だから、だろう」

 「そうかも…てか、そうだろうな、ヴィータとザフィーラと合ったんだよな、最初でけー犬だなって思ったっけ」

 「何も知らねば仕方無い事だ」

 「まぁ、今も半分犬扱いされてるよな」

 「…そういう事も、ある」

 お互い苦笑しながら、ただ走る。
 少し汗が出る程度走った所で、折り返しだ。

 「基本さ、式とか披露宴のドレス類、俺一切見てないから一寸楽しみではあるんだよな、そこ等辺」

 「式は、古代ベルカ様式の衣装だろうが、披露宴は…ミッドも地球もどうなるやら、だな」

 「悪乗りしてそうだからな、準備してる人等」

 「それもまた、仕方あるまい」

 たったったと足音と、二人の声だけが当たりに響く。

 「つか、ヴィータサイズだと色々ありそうだからなぁ…」

 「良彦も幾度かは着替えさせると、いっていたな、主が」

 「マジか、変なのじゃなきゃいいんだが」

 「大丈夫だろう、つかみを取るといっていたからな」

 「ダメだろそれ!」

 「ふっ」

 突っ込む良彦を、軽く笑い飛ばすザフィーラ。
 そうこうしていると、走り出しの場所…教会で式を挙げるので、前夜は騎士団宿舎の一室を借りていた…聖王教会の教会騎士団宿舎へ帰り着く。

 「うっし、少し落ち着いた」

 「そうか、付き合った甲斐があるものだ」

 「ん、なぁザフィーラ」

 「どうした?」

 「何度も相談乗ってくれてあんがとな」

 「容易い事だ、同じ守護騎士のため、そしてリインフォースを、主を救った友のためだからな」

 「それでもさ、ありがたかったよ、聞いてもらえて」

 「そうか、ならばその礼はヴィータを幸せにする事で返してもらうか」

 「おう、約束する、全力でな」

 差し出すザフィーラの手と良彦の手が、軽く打ち合わされる…狼の手なので一寸難しかったが。
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一寸短めですが、恐らく一番世話になったであろうザフィーラとの会話をいれました。

次回は式と披露宴です、どんな衣装がいいか、悩みます…余り知識がないので、検索してどっかから引っ張ろうかなとか思ってはいますが。
 
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