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ヘタリア大帝国

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TURN127 アルプス要塞その十

「いいか、すぐにだ」
「はい、あの者達を動かしてですね」
「そうしてですね」
「それにサラマンダーとな」
 この大怪獣にだというのだ。
「ヴァージニアも使うぞ」
「そうしてですね」
「枢軸軍をですね」
「ここで諦めてどうするんだ」
 ヒムラーも必死だ、それは彼が今まで見せたことのない顔だ。
 そしてその顔でだ、腹心達に言うのだ、
「これからだからな」
「そうですね、それは」
「まだ我々には切り札があります」
 腹心達も応える、彼等は明らかにドクツの人間として動いてはいなかった。
 他の勢力に属している顔でだ、こう言うのだ。
「では彼等を動かし」
「そのうえで」
「そうだよ、ドーラ様の為にね」
 彼等が崇拝するその相手の為にだというのだ。
「諦めずに」
「はい、それでは」
「何としても」 
 彼等も応えそうしてだった、ベルリンで何かをしようとしていた。
 そのことは誰も知らない、それは明石やゾルゲでさえもだ。彼等もまたベルリンについてはそのことは知らなかった。
 実際にゾルゲはベルリンに向かう途中においてカテーリンとロシアにこう報告していた。
「ベルリンには不穏な動きはありません」
「それじゃあ普通に行ってもなのね」
「問題ないんだね」
「はい、ご安心下さい」
 こう確かな声で報告するのである。
「念の為警護は私が務めます」
「大佐、お願いします」
 カテーリンもゾルゲの報告に安心して応える。
「それでは」
「はい、お任せ下さい」
「じゃあ今からです」
「うん、給食だね」
 ロシアがカテーリンに応える。
「それだよね」
「一緒に食べよう」
 ゾルゲに対しても言う。
「今日は揚げパンにボルシチだしね」
「お野菜もお肉もたっぷり入ったね」
「そう、皆で食べよう」
 また言うカテーリンだった。
「そうしようね」
「有り難きお言葉、それでは」
「そんな畏まらなくていいから」
 カテーリンはゾルゲにこうも告げた。
「だって私達は同志じゃない」
「だからですね」
「そう、一緒なのよ」
 平等だというのだ。
「そんなに畏まらなくていいのよ」
「わかりました、それでは」
 こうした話をしてそしてだった、彼等は一緒に給食を食べることになった。今は昼の給食である、そのボルシチや揚げパン、他の料理も食べながらだ。
 カテーリンはゾルゲにだ、こう言うのだった。
「それで欧州経済圏だけれど」
「そのことですね」
「ソビエトはどうすべきだと思うの?」
 ゾルゲにボルシチのスープを飲みながら尋ねる。
「大佐は」
「私は欧州に加わるよりは」
「ソビエトはソビエトのままでいるべきなの?」
「はい、そう思います」
 そうあるべきだというのだ、ゾルゲは。
「経済圏も違いますし」
「そのこともあってなの」
「ただ。ドクツやイタリンは」
 この二国についてだ、ゾルゲはこう話した。 
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