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ヘタリア大帝国

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TURN127 アルプス要塞その八

「北欧も入るっぺな」
「当然だ、北欧連合もだ」
 やはり欧州経済圏に入るというのだ。
「そうあるべきだ」
「凄いっぺな、それはまた」
「しかしそれでも太平洋と比べるとだ」
 彼等の経済圏と比較すればだというのだ、壮大と言われている欧州経済圏にしても。
「小さなものだ」
「それはそうずらな」
 ルーマニアも言う、欧州と太平洋では人口も経済規模もお話にならないまでに違うからだ。太平洋が圧倒的だ。
「向こうは大きいずら」
「しかしそれでもだ」
「欧州もまた経済圏を築くべきですか」
「ブロック経済でなくな」
 ハンガリーにこの言葉を言う、ブロック経済は世界恐慌の時エイリスやオフランスが設けそれで自国の経済圏だけで守ったものだ、しかしそれは自分達を守るだけで他国を排除したものだった。
 その排除された国の中にはドクツもあった、それが為に第一次大戦とその賠償金で致命的なダメージを受けていたドクツはまさに死ぬところだったのだ。
 そこにレーティアが現れなければどうなっていたか、それで言うのだ。
「あれは忌々しいものだからな」
「では開かれた経済圏ですね」
「その通りだ、それを考えている」
「欧州全体を入れた」
「それが私が考えているものだ」
 ハンガリーにもこう話す。
「欧州においてな」
「では最早軍もですか」
「動かされることはないのですか」
「そうだ、もう他国を手中に収めることはしない」
 決してだというのだ、それは。
「ドクツはドクツでやっていく」
「欧州の中において、ですね」
「そうしていく。ではいいな」
 エルミーにも話す、これがレーティアが至った考えである。
 このことを話してだ、そうしてだった。
 レーティアはまたしても高々にだ、こう周囲に宣言した。
「ではベルリンに戻ろう」
「はい、総統官邸に」
「総統がおられるべき場所に」
「そこで正式に総統復帰を宣言する」
 まさにその時にだというのだ。
「そうするとしよう」
「はい、それでは」
「我々も共に」
 将兵達も応える、レーティアは欧州に新たな秩序も宣言したのだった。そのうえでベルリンに戻るというのである。
 それは東郷達も見ていた、東郷はそのうえでこう日本に言うのだった。
「戦争の後だが」
「はい、欧州はですね」
「総統さんを軸として、各国は対等だが」
「ドクツを中心とした巨大な経済圏となりますね」
「ああ、そうなる」
「そして太平洋経済圏とですね」
 即ち彼等とだというのだ。
「競うことになりますね」
「そうなる、間違いなくな」
「世界は二分されますか」
「そう思っていい、世界の新秩序だ」
「太平洋と欧州ですか」
「しかしそこにあるものは対立よりも競走だ」
 この二つは違う、東郷はこのこともわかっていてそのうえで日本に対して話すのである。 
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