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実録恐怖体験

作者:Zwei
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上へ参ります

私は、九州で駅務員(駅員)をしています。
とある駅であった話。

最終電車が発車し、構内を点検するために駅舎を出ました。
あ、ちなみにその駅は高架駅になっており、一階部分に売店などの店舗・テナント。
二階部分に、改札と駅舎&仮眠室。
三階部分にホーム&線路となってます。

まあとりあえず、お客さまが居ないのを確認し、入り口のシャッターを閉めて、なんだかんだいいながら疲れたな~と思いながら最終点検をしていました。
因みに、私の会社は駅一つにつき、一人の駅務員が勤務しています。
駅務員って意外に仕事多いんですよ。駅務機器の管理から施設管理。お客さま案内からお客さまの苦情受付。事故などあった日には目も当てられません。

その日は穏やかな日でした。
二階コンコース内にあるエレベーターの電源を落とし、こういった施設管理の仕事をしている方ならわかると思いますが、夜中って音が滅茶苦茶響くんですよね。エレベーターの『しばらくして電源が切れます』との音声を確認して、自身の足音を響かせながら三階のホームを見回りました。
で、駅舎に戻り、助役に電話をして勤務終了の報告。(私の会社は構内を点検した後勤務終了の報告をして、駅シャッターを開けた後勤務開始の報告を社内電話で助役に報告します)
24:30頃に全て終了し、駅舎の喫煙スペースで、一服をしてから仮眠をとろうとした時、それは聞こえてきました。






『上へ参ります』






一瞬固まりました。
だって、エレベーターの電源は切っているんです。
電源が切れるという音声を確認しましたし、電源が切れたのも確認しました。
でも、明らかにコンコース内のエレベーターの方角から聞こえてきます。
何故かその時、言い様の無い恐怖に駆られ、煙草を吸う事もなく、仮眠室に閉じ籠り震えていました。

その後、シャッターを開ける時間になり、助役に勤務開始報告をして、エレベーターの電源を入れに行ったら(兎に角恐くて、お客さまが近くに居ないと、エレベーターまで行けなかったです)当たり前の様に電源は切られていました。
直ぐ様助役に報告。助役からは『何か、作動不良があったのだろう。業者に点検依頼をする』との事。
後日、業者が来て(その日も私が当直勤務でした)点検。
点検をして、ここ二週間程のログを確認したが、何の異常も無かったし、あの時間にエレベーターが作動した形跡が全く無いとの事。

あれは何だったのでしょうか?
夢では無い事は確実なのですが…… 
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