『ポケスペの世界へ』
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第十七話
「あ、ショウさん。どうでしたか?」
「いや、ロケット団や怪しい奴らはおらんかったわ」
ゴールド達のところへ戻ると、ツクシとナツメ戦も既に終盤戦になっていた。
あ、ナツメが上に上がったな。
確かバリヤードが指から放っている波動で見えない家が出来てるんやな。
「ヘラクロスッ!! ”とっしん”で見えない壁を突き破るんだッ!!」
けど、ヘラクロスは”こらえる”をする。
勿論、バリヤードが”アンコール”をしてるからやな。
「さぁ、終わりにしようッ!! ”サイケこうせん”ッ!!」
バリヤードが”サイケこうせん”を出し、変則的な動きをしながらヘラクロスに当たった。
『試合終了ォッ!! ヤマブキジムリーダー・ナツメさんの勝利ですッ!!』
………完全にお姉さんキャラで攻めたなナツメは……。
「バリヤードはそんな効果があるんですね。ならバリヤードを………」
「ふぁ?、早く次の試合は始まらないのか?」
クリスが何やらブツブツ言ってるし、ゴールドは暇そうに欠伸をしとる。
まぁグリーンがまだ来てないからな……って来たな。
「師弟対決は見物やな……」
グリーンはサイドンただ一匹のみで戦っている。
対するシジマはカイリキー→サワムラー→カポエラーとポケモンを代えてきている。
カポエラーが上空に逃れてサイドンに再攻撃をしようとするが、グリーンがサイドンの背中に乗った。
「そこだ、サイドンッ!!」
カポエラーとサイドンの角が激突した。
「行けェェェッ!! ”つのドリル”ッ!!」
やがてカポエラーがサイドンのドリルのス ピードに負けた。
『カポエラー戦闘不能ッ!! 勝者グリーンさんですッ!!』
何かグリーンとシジマが話してるな。
『さて、次の第七試合はカツラさんとイブキ さ……ちょ、ちょっとお待ち下さい』
ん?
『た、只今試合順変更との報告が入りました。カツラさんの体調が思わしくなく、最終戦である主将対決を先に行うとのことです』
「クリス、ちょっと行ってくるわ」
「あ、はい」
俺は観客席の前まで行くッ!!
「エリカッ!!」
「ッ!? ショウさん……」
俺の声に気づいたエリカがこちらを向いた。
「勝ってこいよッ!!」
「……はい………」
エリカは頷いて、闘技場に上がった。
「知り合いなんですか?」
ゴールド達のところに戻ると、クリスに尋ねられた。
「コガネで一回会ったんや。勝ってほしいな」
まぁヤナギに負けるんやけどな。
そして試合が始まる。
序盤はキレイハナがさりげなく”はなびらのまい”をしてウリムーを攻めてポポッコに交代して”しびれごな”をする。
ウリムーは”はなびらのまい”を避けて、ポポッコに”こなゆき”で攻める。
そして”こうごうせい”でポポッコの体力が回復するが、”はなびらのまい”の壁が凍って、ポポッコもやられていた。
『な、何が起こったのか分かりませんッ!! しかし、この段階でエリカさんのポポッコは戦闘不能ですッ!! 勝者はヤナギさんですッ!!』
………負けてもうたな。
「ま、後で元気づけてやるか」
俺はそう呟く。
「凄い試合だったわねゴールド」
「あぁ」
隣ではゴールドとクリスが話している。
「仮面の男もあのジジィくらいスゲー力を持ったヤツだったぜ。しかも『氷』タイプの使い手のな……」
「何か関係があるって思っているのゴールド? 今、試合をしたチョウジジムリーダーヤナギ老人と? でも、資料によると全ジムリーダーの中で一番お年寄りだわ。私はあんなちっちゃなおじいさんが悪の首領「仮面の男」だなんて思えないけど……」
「まぁ、あのジジィの実力だけがスゲーわけ じゃねぇからな」
その時、ゴールドのエイパムが何かを見つけた。
「とは言え、あのジジィは要注意だ………ん? どうしたエーたろう?」
エイパムがゴールドに何かを伝える。
「ッ!?」
俺達が振り返ると、怪しげな人影が見えた。
「待ちやがれェッ!!」
「ゴ、ゴールドッ!!」
ゴールドが勢いよく走り出して、クリスも慌ててゴールドに続く。
「クリスはゴールドについていけッ!! ロケット団の陽動作戦かもしれんッ!!」
「分かりましたッ!! そちらは任せま すッ!!」
二人は逃げる人影を追い掛けていった。
さぁて、いよいよ始まるか。
そういやここら辺の話しは記憶が曖昧としているな。
「ま、ええか………」
俺は観客席の前の方に向かった。
後書き
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