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鉄槌と清風

作者:deburu
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67部分:66:六課復帰/それぞれの休暇


66:六課復帰/それぞれの休暇

 新暦75年11月頃、機動六課隊舎も復帰し、事件後のどたばたも少し収まってきたころの事。
 新人4人の訓練は相変わらず続き、次の段階へと進んでいっている。

 「しかし、あいつらも結構動くようになったな」

 「そうじゃなきゃ、こっちが困るっつーの」

 「あはは、模擬戦でも結構粘るよね、今度はどうしようか?」

 「んー…厳しい現実を教えるということで、海上隔離施設の砂浜をかりて、俺とセプト、ヴィータとツヴァイ、シグナムとアギト、全部ユニゾン、と3対4、実質6対4とか?」

 「おー、それは面白そうだな」

 「流石にダメだってば、卒業間際なら、まだしもまだ早いかな、できればギンガも呼びたいし、そういう事なら」

 良彦とヴィータの悪乗りを、なのはがたしなめる。

 「んじゃ、ヴィータフォワード、なのはセンター、シャマルフルバックの3対4とかどうだ、普段参加しないシャマル相手にいれば、あいつらもっと考えるぞ」

 「んー、それは勉強になりそうかな、其れで行ってみようか」

 「んじゃ、シャマルに声かけとくな」

 結果、模擬戦は一寸変則的になった。

 「そいや、今度スターズ休暇だっけ、なのははどうするんだ?」

 「えっとね、ヴィヴィオと聖王教会の学校見学と、海上隔離施設に面会、とかかな」

 「あいつらかー、復帰プログラムはギンガ担当だっけ?」

 「そうだよ、ギンガも治療から復帰して、頑張ってるみたい」

 「そっか…ふむ、ヴィータは休みずらすんだよな?」

 「その予定だぞ、どうした?」

 「んや、俺もあわす予定だったし、隔離施設に行ってみるか?」

 「ん…そうだな、一寸は話ししてみんのもいいかもな」

 3人でそんな事を話しながら食堂へ行けば、新人4人も食事中…相変わらずスバルとエリオは山盛りだ。

 「相変わらず、良く食うな…そういや、来週ライトニング休暇で、その後バーベキューするとか、はやてがいってたな」

 「良彦、肉多めにしとけよ、ギンガも来るし、普通じゃたんなくなるぞ」

 「あはは、確かにそうかも、ギンガ、スバル、エリオがそろうと、10人分くらいそれだけで食べそうだよね」

 新人と少し離れた位置で食事しながら、そんな話題で笑いあう。



 少しして、スターズが休暇に入る、なのは、ヴィヴィオは予定通り学校見学などに、スバル、ティアナは墓参りや面会らしい。
 面会といえば、エリオとキャロが毎週のように、ルーテシアと面会しているらしい、仲が良さそうでいい事だ。

 「しかし、なのはの書類、おおいな、おい」

 「ロード良彦では、追いつかぬな」

 「私も時間あるときしてるけど、全部は無理そうだね」

 「まぁ、急ぎのだけしといてくれりゃ、いいぞ」

 なのはの分をフェイトと良彦が処理し、其の他スターズ関連をヴィータが処理してるのだが、なのはの分が多い。

 「書類は、めんどくせー」

 「我侭言うなら手を動かせ、ロード良彦」

 セプトにせっつかれながら、良彦は何とか書類を処理していく。

 「そういえば、フェイトは休暇、実家にいくのか?」

 「ん、あぁ…行く予定だよ、エリオとキャロも一緒に、リンディ母さんも待ってるって言ってたし」

 「あぁ、あの人にしてみれば、3人とも子供みたいなもんだろうしな、孝行して来いよ」

 「うん、そうしてくるよ」

 「良彦あたしらは、時間あったら桃子さん所顔出したほうがいいんじゃねーか?」

 「む、そうだな、あっちでの準備はすっかり任せちゃってるしな、土産持って顔出すか」

 「ロード良彦が世話になっている、御仁だな、しっかり挨拶せねばな」

 4人でそんな話題で盛り上がっていた。



 なのは達が帰ってきて、入れ替わるようにライトニングが休暇に入る。
 書類はフェイトの分をなのはが、他をやはり休みをずらしたシグナムが担当している。

 シグナムは通信越しではあるが、アギトと結構会話しているらしい。
 良彦は、書類を回避し、ヴィヴィオの世話に廻っていた。

 「よし、打って来いヴィヴィオ!」

 「うん、いくよ、よしくん!」

 すぱんっと、気の抜ける音が響く、ヴィヴィオが良彦の構えた掌にパンチを打ち込んだのだ。

 「って、なんでよしくんなんだ、おりゃ」

 「だって、なのはままが、うひゃっ」

 がしっとヴィヴィオを捕まえ、わしゃわしゃと頭をなでる。

 「全くなのはは、しょうがないな…ヴィヴィオは学校大体決めたのか?」

 「うん、サンクトヒルデ魔法学院が、いいかなってー」

 「てことは、魔法の勉強するんだな、俺となのはとは大違いだな」

 「勉強してないの?」

 ヴィヴィオの質問に、冷蔵庫からジュースを取り出しながら

 「なのはは感覚で魔法作るし使うからな…俺の場合は、先祖から継承した記憶にある魔法だからな、勉強はしてねーよ、ほれ」

 「そうなんだー、あ、ありがとうございます」

 ジュースをコップに入れ差し出す。

 「頑張れよ、友達も出来るだろうし楽しいと思うぞ」

 「うん、見学言った時も皆良い子だったよ」

 「ヴィヴィオの方が年下だったと思うけどな」

 「えへへー」

 で、ふとヴィヴィオが良彦の顔を覗き込んでいるのに気付く。

 「どうした、なんか付いてるか?」

 「よしくんも、ヴィヴィオと一緒で、目の色が違うね」

 「あぁ…虹彩異色か」

 「こーさい?」

 「目の色が違う事だよ、古代ベルカの王族に多いんだ」

 その答えに

 「ヴィヴィオは【聖王】だからですよね、よしくんは?」

 「俺は【風王】の一族だな、【聖王】とは同じくらいの時代の血筋かな」

 「そうなんですか、凄いですねっ」

 「そうでもないぞ、子供の頃は此処まで色はっきりしなかったしな、それに血筋とか今の時代じゃ威張れるもんでもないし、気にしなくても良いと思うしな」

 ぽむぽむとヴィヴィオを撫でる。
 嬉しそうに微笑むヴィヴィオが、ジュースを飲みきり

 「はい…休憩はおわりです、もういっかいおねがいします」

 「おう、んじゃ簡単な型からおしえるからな」

 そういって、ヴィヴィオに言葉では無く、身体に型を覚えさせていく。



 でもって、ずらした休暇の日、これから3日は自由になる。

 「まず、地球からだな、往復して、残りで海上隔離施設と、ミッドで噂になってるレストランかね」

 「そうだな、あたしはそれで良いぞ」

 「うむ、我も構わぬが…格好はどうする」

 「あたしの服かしてやるから、フレーム最大でいいんじゃねーか、地球ではセプトサイズの人も浮いてる人もいねーし」

 「だな、そうしとけ」

 「心得た、ではヴィータ服は頼む」

 とそんなやり取りをして、転送ポートから地球の良彦の部屋へ移動、日本は平日だったので翠屋へ。

 「いらっしゃいませー、ッと、良彦君、お帰り…それにヴィータちゃんもいらっしゃい」

 出迎えてくれたのは美由希さん、直ぐに士郎さんと桃子さんも顔を出しお互い挨拶、セプトも紹介する。

 「なるほどね、色々なことがあったのね、良彦君」

 「まあ、程ほどに、其れでこれお土産です、皆さんでどうぞ」

 以前からミッドのお菓子とかを桃子さんが食べたがっていたので今回は、一寸奮発して、評判の良い一寸高い店のお菓子詰め合わせだ。

 「ありがとうね、それで今回はどの程度いられるのかしら?」

 「一応明日朝にはもどろうかと」

 「じゃ、その間に詰められる部分をつめよう、夕食は家で食べると良い」

 桃子の問いに答え、士郎がそういってくれる。

 「はい、おねがいします」

 「おじゃまします」

 「うむ、よろしく頼む」

 それに3人答え、結局夜に披露宴の話を詰めていき、その内士郎は披露宴ではしっかりと酒を飲んでもらう、とか言い出したりした。
 桃子さんは、ヴィータをどう着せ替えするかを語り、折角だからセプトも着替えようと言い出したり。
 まぁ、平和に時間は過ぎて、翌日…良彦、ヴィータ、セプトは挨拶をしてミッドへと戻る。



 ミッドへ戻ったその足で、海上隔離施設へ…飛行許可を貰い飛んでいった、それが一番早かったのだ。
 職員の人に話し、収容されているルーテシア、アギト、ナンバーズと面会させてもらう。

 以前も話ししていたセインと人見知りしないのかウェンディとは普通に話せた、他のナンバーズ…チンク、オットー、ノ−ヴェ、ディエチ、ディード…とは、挨拶と軽い会話だけだった。
 ルーテシアとは幾つかの雑談と、先に決まった刑罰の話し、母親が目覚めた話しなどをした。
 アギトはセプトと、色々と話しをしていたらしく、どちらも比較的満足そうな顔をしていた。

 その翌日は、ミッドで噂になっているレストラン…休暇が決まった段階で予約は入れていた…に、良彦とヴィータで向かい、ゆっくりと食事。
 満足して帰りにテイクアウト用にあった、デザート…ケーキだが…をセプトと八神家のお土産に買い、帰途についた。



 良彦のマンションに戻り、風呂に二人とも入った後、ゆっくりとソファに腰掛ける。
 セプトは八神家に預けてあるので合流は、明日隊舎でだ。

 「結構濃い、3日だったなぁ」

 11月なので身体を冷やさないように長袖、長ズボンのパジャマ姿だ。

 「だな、しかし、デザートは翠屋のが上なきがする」

 こちらは、何時もと変わらず良彦のTシャツを羽織っているだけだ。

 「まぁ、桃子さんの腕が上がり続けてるっていう、恐ろしい事実があるからな」

 「ミッドの菓子も参考にしてんだろ、そりゃあがるよな」

 解かれたヴィータの髪をなでながら、苦笑交じりに話し合い。

 「披露宴のケーキとかは桃子さんが作るっていってたな、知り合いの式場も手配してくれたし」

 「んだな、ありがてーけど…着せ替え何度されるんだ」

 「まぁ、頑張れ、こっちでもはやて中心に何度かさせる予定らしいぞ」

 「うぁー、まぁ仕方ねーか」

 「そういう事だ…さて、疲れたしそろそろ寝るか」

 「…ん、そうだな」

 ヴィータに軽くキスし、二人立ち上がる、そのまま寝室へ入り、その日は同じベットで就寝した、お互いの体温を感じつつ。
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チラッと上のほうで言っている、3人ユニゾン対新人4人+1はその内やってみたい話です…人数的にちゃんとあわせるなら、新人の方にヴァイスを入れるとかも面白いかなと思います。

次回は、聖王教会の方で番外か、六課終了時の話しあたりかと思います。
 
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