転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OG外伝
0527話
俺の新型機、ニーズヘッグ。その武装についての説明は終わり、次はニーズヘッグの武装以外についての説明に入る。
「まず、ニーズヘッグが通常の機体と圧倒的に違う点。それは第一に動力炉よ。通常の機体、特にシャドウミラーで使われている量産機の量産型ゲシュペンストMk-Ⅱやエルアインスなんかは基本的にプラズマジェネレーターだけよね。少し違う所で、アクセルが使っていたグロウセイヴァーのプラズマジェネレーターと時流エンジンの2つ。けど、このニーズヘッグは3つの動力炉を有しているわ」
「ちょっと待ってくれ! 3つの動力炉と言っても、ただでさえグロウセイヴァーよりも小型機であるニーズヘッグに詰め込むのは無理なんじゃないのか? グロウセイヴァーにしても、クロノスとかいう外付けでどうにかその2つを使ってたんだろう?」
ムウの当然と言えば当然の質問に、隣にいたイザークやその近くにいたムラタも同様だとばかりに頷いていた。
だがその質問が来るのをレモンは最初から理解していたのだろう。いつものように余裕のある、どこか艶然とした笑みを浮かべながら口を開く。
「ムウは……と言うよりも、シャドウミラーに初期からいた人達以外は知らないでしょうけど、そもそもグロウセイヴァーは私達がOGsの世界に転移する、元々の世界にいた時に作った機体よ。確かにその時に使える技術の全てを出し尽くしたと言ってもいい機体だけど、私達の主観時間ではもう何年も前の機体なの」
そんなレモンの言葉に、質問……と言うよりは思わずといった様子で口を挟んだのはイザークだ。
「待て! グロウセイヴァーはアクセルの反応に付いていけなくなったとは言っても、それでもシャドウミラーでは最高峰の性能を誇る最強の機体の筈だ」
「そうね。それも間違いではないわ。けど、現在のシャドウミラー最強の機体というその評価はアクセルが乗ってこそなのよ。技術班にとっては機体自体の技術はもう随分と古い物になってしまっているわ。シャドウミラー独自の技術。アースクレイドル、インスペクター、ホワイトスター、ギアス世界、SEED世界、ネギま世界。これらの技術を吸収してきているのよ? まぁ、ギアス世界に関してはガン・ルゥ程度でしかないけど。シャドウミラーの技術だけで改造された……しかも、あくまでもアシュセイヴァーのカスタム機でしかないグロウセイヴァーがどれだけ古い技術なのかは想像が付くでしょう?」
「……むぅ」
レモンとイザークの話を聞いていたムラタが深く唸る声がここまで聞こえてくる。
まぁ、混沌精霊である俺の聴覚だからこそだろうが。
「っと、話がずれたわね。えっと……そうそう、15m程度のニーズヘッグに動力が3つも入るかどうか、よね。結論から言えば入ったわ。と言うか、入ったからこそニーズヘッグという機体が完成したのよ」
まぁ、確かに。これで実は動力炉3つを入れられませんでしたなんて事になったら、今俺の目の前にあるニーズヘッグは何なんだってなるしな。
「ニーズヘッグに使われた動力炉3つのうちの1つ。これは今も話題に出たけど時流エンジンよ。時間の流れのある場所でならどこにでも存在する時粒子を動力源として動いている永久機関の動力炉。グロウセイヴァーに使われたものはその大きさの関係上機体に内蔵できなかったけど、研究を進めてより高性能、小型化に成功したわ。ただ、ニーズヘッグでの時流エンジンはあくまでも補助の動力炉といった形ですけどね。時流エンジンの性質上一定以上のエネルギーを生み出す事が出来無いという欠点は残ってるから、しょうがないと言えばしょうがないんだけど。けど、時粒子によるエネルギー変換効率は飛躍的に増しているのは事実だから……そうね、少なくてもニーズヘッグ以外の機体なら時流エンジンだけで十分永久機関として使えると思うわ。ニーズヘッグは基本的にビーム系の攻撃がメインでそっちも出力が高いから時流エンジンだけでは無理だけど」
個人的には永久機関というのは捨てがたい機能なのでシャドウミラー全機をこれに変えたい所なんだが、デュミナスのような奴等の存在を思えばそれも迂闊に出来ないんだよな。
そんな風に考えている間にもレモンの話は続く。
「続いてブラックホールエンジン。ニーズヘッグの通常時にはこれがメインの動力炉となるわ。ブラックホールの現象を動力炉として利用したエンジンで、時流エンジンと違って半永久機関、といった所かしら。OGs世界にあるマオ社から設計図や実機を入手して研究。こちらも時流エンジン同様に高性能、小型化する事に成功したわ。そして最後の動力炉。ニーズヘッグ最大の出力を誇るトロニウム・エンジン。米粒程の大きさしか無いのに、そこから取り出せるエネルギーは宇宙戦艦30隻分という破格の出力を誇るけど、その分コントロールするのが難しいの。けど、T-LINKシステムとのリンクレベルが高かったり、あるいはフルドライブ以上の出力時には出力が安定するという特徴を持っているわ。つまり、ニーズヘッグは起動してから暫くはブラックホールエンジンをメイン、トロニウム・エンジンをサブ。時流エンジンを補助として使用。そしてトロニウム・エンジンの出力が安定したらメインとサブが交換するというシステムになってる訳ね」
「……」
俺は3つの動力炉を使うのを知っていたが――アイディアを出したのが俺なんだが――それを知らない者達はレモンの説明を聞き、ただただ唖然とした表情をして声も出ない状態になっている。
だがレモンはそれを予想済みだったのだろう。再びコップを口へと運んで皆が多少なりとも我に返ったところで再び口を開いて説明を再開する。
「さて、動力炉についてはここまででいいわね。じゃあ次はニーズヘッグの各種防御システムに関して。当然、シャドウミラーのリーダーでもあるアクセルが乗る機体である以上は安全性を極限まで重視しているわ。……もっとも、アクセル自身が物理攻撃だと殆ど無効化するんだけどね」
最後に苦笑を浮かべるレモン。だが機体の保全という意味では防御システムはありがたい。何しろシステムXNにグレートグランドマスターキーと他には代えようもない物を組み込んでいるのだから。
「ニーズヘッグには全部で5つの防御システムが組み込まれているわ。まず一番範囲の広いジャマー。ミサイルの誘導を狂わせる装置ね。その次がテスラ・ドライブへ動力炉からのエネルギー入力を大きくする事で発生するEフィールド。これは後で説明するけれどヒュッケバインMK-Ⅲのグラビコン・システムによるG・テリトリー。T-LINKシステムの効果により生まれる念動フィールド。そしてこちらもまた同様にT-LINKフレームの効果であるPS装甲。これらの防御システムと、アクセル自身の馬鹿げた回避能力でニーズヘッグは小型機とは言ってもまず落とされる心配はないでしょう」
確かに今の説明を聞く限りでは、そもそもニーズヘッグ自身に攻撃を命中させるのが非常に難しいだろう。まずジャマーがある時点でミサイル系統は無意味だし、それ以外の攻撃でもEフィールド、G・テリトリー、念動フィールドの3つを抜かないとならない。そしてそれを抜いたとしてもビーム以外の攻撃はさらにPS装甲で威力を削られるのだ。
確かEフィールドとPS装甲はスパロボのシステム的に考えるとダメージ軽減バリアの扱いだったと思うから、Eフィールドで威力が減少した攻撃力でG・テリトリーと念動フィールドを突破する必要がある訳だ。
「私のカリオンにもこれらを付ければ、防御力の心配が無くなるんじゃないのか?」
システム的な事はとにかく、幾重にも存在する防御システムに思わずスレイが呟くが、それを聞いたレモンが首を横に振る。
「カリオンはニーズヘッグよりも大きいけど、余分なスペースが殆ど無いのよ。3つの動力の中でも最もスペースが必要なブラックホールエンジンを付けるのは無理だし、そうなると当然グラビコン・システムの搭載も不可能。Eフィールドにしても、動力炉の問題でニーズヘッグと比べると大分薄くなりそうだし。念動力は言うに及ばずでしょう? そうなると搭載可能なのはジャマーとPS装甲だけだけど……重量が増えるPS装甲を戦闘機のカリオンで使うのはちょっと無理があるわ。それなら大人しくPTなりAMなりに乗っている方がいいでしょうね」
「……そうか」
一縷の希望で呟いた言葉だったのだろうが、レモンに問答無用で却下されて溜息を吐くスレイ。その物憂げな仕草は、いつものクールビューティな姿とのギャップで魅力的に見えた。
そんな俺へとどこか咎めるような視線を向けたレモンは、説明を再開する。
「さて、次はニーズヘッグに搭載されている各種特殊システムのお披露目ね。まずは……」
チラリ、と技術班に目配せをするレモン。その目配せを受けた技術班の男はコンテナに取り付けられている制御スイッチを操作すると、次の瞬間ニーズヘッグが待機している床が回転して機体を後ろ向きにする。……準備がいいな。
そして目に入ってきたのは、ニーズヘッグの背後の部分だ。背中には推進装置が存在しているが、特に目を引くのはその形状だろう。背中に大きめのT-LINKフライトシステムが存在しており、それを覆うようにしてテスラ・ドライブが装着されている。また、そのテスラ・ドライブからは枝分かれするようにしてさらに2つの小型テスラ・ドライブが存在していた。簡単に言えば、大きめのT-LINKフライトシステムが1つに、それを覆うような形状の為にさらに一回り大きいテスラ・ドライブが。そしてその補助だろう小型のテスラ・ドライブ2つの合計4つの推進機関が装備されている。
「ニーズヘッグの背中に装備されている推進機関よ。テスラ・ドライブに関しては既に言うまでも無いわね。フィリオがコスト度外視で作った、アクセルのように物理攻撃を無効化するような人じゃないと命に関わる程の加速性能を含めて現在望みうる最高のスペックを持っているわ。そのテスラ・ドライブから枝分かれして伸びている場所にある2つは補助推進システムのテスラ・ドライブね。もっとも、この補助だけでも並のPTが装備しているテスラ・ドライブよりも性能は上なのだけど。そしてそのテスラ・ドライブが覆うようにして包み込んでいるのがT-LINKフライトシステム。名前で分かるでしょうけどアクセルの念動力を使った推進機関で、この2種類を組み合わせて融合、出力を二乗化したツイン・ドライブがニーズヘッグの推進機関よ。それとSRG系列、いわゆるグルンガスト系列の技術でもあるTGCジョイントの応用でT-LINKフレームに追加する形で関節部の負担を軽減しているわ。開発はつい最近シャドウミラーに加わった、彼ね」
レモンの視線を向けられたフィリオが、1歩前に出て笑みを浮かべつつ小さく頭を下げてからまだ元の位置へと戻る。その表情には誇らしい笑みが浮かんでいる。
まぁ、自分の開発したツイン・ドライブが日の目を見たんだからそれも当然か。
「さて、次に行きましょうか。次はさっきもちょっと口に出したけどヒュッケバインMK-Ⅲに搭載されていたグラビコン・システム。そのままだとニーズヘッグに乗せるにはスペース的な問題があったから、動力炉と同様に私達シャドウミラー技術班で高性能、小型化をさせてもらったわ。元々ブラックホールエンジンと関係のあるシステムだから、そっちの技術を流用できたおかげで大分開発は短縮されたのだけど」
レモンが説明を続けるのと共に、再びコンテナの中でニーズヘッグが回転して正面をこちらへと向けてくる。
「グラビコン・システムは、その名前の通りに重力を制御する装置よ。他にはさっき説明したニーズヘッグの防御システムの1つでもあるG・テリトリーにも使われているわ。けど、シャドウミラーで改良されたグラビコン・システムでもっとも特徴的なのはその重力制御技術により機体の重量を軽減している事。さっきスレイからの質問にもあったけど、PS装甲を採用した機体というのは基本的にその性質上機体重量が重くなるの。そうすると当然動きも鈍くなるから、それを解消できるという意味ではニーズヘッグの要の1つと言ってもいいわね。ちなみに、PS装甲がどのくらいの重量を持つかと言われれば……マリュー?」
レモンに声を掛けられたマリューが1歩前に踏み出す。
「シャドウミラーの感覚で言えば、主力量産機のエルアインスが18m程度で45t強であるのに対して、PS装甲を採用して製造されたストライクはエルアインスとほぼ同じ大きさ――正確には18mを切ってます――にも関わらず、その重量は約65t。ストライクの方が若干小さいのに、その差は約20tとなっています」
マリューのその説明に、周囲の者達がざわめく
それを当然とばかりに受け入れているのは、実際にPS装甲を採用した機体であるデュエルに乗っていたイザークと、アークエンジェルでストライクやブリッツと共に行動をしていたムウのみだ。エザリアもさすがに機体の詳細なスペックまでは把握していなかったのか、他の者達同様に驚いている。
そんな様子を見ながら、次はフィリオが口を開く。
「ちなみに、僕が設計したフェアリオン。これはニーズヘッグと同程度の大きさのAMだけど、その重量は約28t。そして、シャドウミラーが改良したグラビコン・システムを用いた場合のニーズヘッグの重量は……15tを切っているね。これを聞けば、どれだけグラビコン・システムでその重量が軽減されているのかが分かると思う」
15tを切る、か。フェアリオンの約半分。その重量軽減とツイン・ドライブでもたらされる運動性や機動性は計り知れないだろう。
そんな風に思っていると、フィリオが後ろへと下がり、再びレモンが前に出る。
「さて、次にいきましょうか。次はASRSとミラージュコロイドよ。どっちも効果は似たような物だけど、その使用方法が異なるわ。例えばASRS。これは隠密性という意味ではミラージュコロイドを大きく上回るけど、攻撃時に展開する事が出来無い。逆にミラージュコロイドは隠密性はASRSに劣るけど、展開したまま攻撃が可能。つまり移動時にはASRSを、攻撃を仕掛ける時にはミラージュコロイドを……と使い分ける事になるわ。尚、ミラージュコロイドを初めて搭載したブリッツではPS装甲との同時使用は出来なかったけど、それははあくまでもバッテリー搭載機の問題。動力炉を3つ積んでいるニーズヘッグでは同時に使用が可能よ」
この点に関してはニーズヘッグを開発すると決めた時、俺自身が出したアイディアなので特に驚きは無い。とは言っても、それはあくまでも俺はという事だ。他のメンバーはそれぞれが驚きを顔に出している。その中でも、やはりSEED世界の者達が出している驚きが特に強い。まぁ、ミラージュコロイドとPS装甲、つまりT-LINKフレームの同時使用が可能でエネルギー切れも心配しなくてもいいと聞かされてはしょうがないか。
「さて、次の特殊システムもSEED世界由来の代物よ。SEED世界で使用されたNジャマーには2つの効果があるのは知ってるわね? 1つは核分裂の抑制。そしてもう1つは電波阻害機能。そのうち核分裂の抑制に関しての能力を捨て去って、電波阻害機能に特化する形で開発されたのがNジャマーⅡよ。本来なら数基で地球全土に影響力を発揮するこのシステムだけど、電波阻害機能をより高める為に効果範囲を最大半径100kmまでに限定したわ。これにより、NジャマーⅡの効果範囲内では近距離での通信はともかく、遠距離での通信はまず不可能と考えてもいいでしょう。具体的に言えば、近くにいる味方機との通信は何とか可能だけど、母艦との通信は不可能になると思って貰ってもいいわ。……まぁ、あくまでも今のは例えであって、距離により変わるけどね。先程も言ったけど効果範囲は最大半径100km。これはNジャマーⅡを起動させる時に任意で変更が可能よ。もちろんNジャマーⅡ自体もパイロットが任意にON、OFFを選択可能」
これはバルトール事件が終わった後に聞かされた新システムだな。ただし、これを使う場合には味方機との通信も難しくなるから前もってきちんと作戦を決めておかないと連携に齟齬が起きる可能性もある。
「……ふぅ。さて、長々と話してきたけど次が最後のシステムになるわ。私達シャドウミラーの象徴でもあるシステムXN。言うまでも無くグロウセイヴァーに搭載されていた量産型のシステムXNではなくオリジナルであるアギュイエウスの方よ。リュケイオスとのリンク装置により、何処にいても一瞬でこのホワイトスターに戻って来られるし、通常空間の転移では地球から火星程度までの距離なら問題無く行えるわ。……ただ、転移フィールドの生成に時間が掛かるから、戦闘で敵の攻撃を転移して回避という真似は出来ないわね」
そこまで説明するとさすがに疲れたのだろう。溜息を吐きながら再び水の入ったコップを口ヘと運ぶ。
……けど、ここまで新型機の説明を聞いておいてなんだが、他のメンバーはともかくいずれシャドウミラーを抜ける可能性のあるフィリオに教えても良かったのか? ……いや、どのみちニーズヘッグの開発に関わらせている段階で考えるまでもないか。それにもし抜けるんなら鵬法璽を使う事になるだろうしな。
「さて、じゃあここまででニーズヘッグの説明は終わりよ。では次に実際にアクセルに機体を起動して貰いましょうか」
そう言い、俺の方へと視線を向けるレモンだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:300
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:447
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