とある科学の煉獄魔王
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一部
第4話
俺が病室に入ると少女はベッドですやすや眠っていた
見たところ少女は12歳くらいで茶髪のショートヘアー、身長は150㎝といったところか、あと、かなり痩せ細っていてひ弱そうなイメージだ
ベッドの脇から少女を観察しているといきなり目が開いた
びっくりして一歩下がりながら声をかけてみた
「お…おはよう?」
すると上体を起こすなり枕を投げつけてきた
顔面に飛んでくる枕をキャッチしながら、再び話かけてみた
「おい、落ち着けって」
だが今度はナースコール用のリモコンが飛んできた
(睡眠薬切れた途端にこれかよ…)
それをよけたらそばにあった花瓶に手を伸ばしたので少女の両手を掴みそれを阻止したのだか
「私に…触るな!」
その怒声とともに少女の体から突然風が吹き出し、俺は壁に叩きつけられた
(こいつ能力者かよ…!)
風で壁に押し付けられながら俺は大声で叫んだ
「やめろ! 俺はお前の敵じゃない!」
しかし、風の音で少女には聞こえていないようだった
(しゃーねーな)
俺は一瞬だけ背中から炎を吹き出した
その勢いを利用して少女に抱きついた
「落ち着け! お前の敵じゃねぇ!!」
「触るな!! 離れろ!!!」
少女から放たれる風は勢いを増したが、一度しがみつけば吹き飛ばされることはない
病室に暴風が吹き荒れる中俺は少女に叫び続けた
「俺は暴力を振るったりしない! だから能力をきれ!」
「嘘だ!! みんな私を殴りにくるんだ!!」
「俺はそんなことはしない!」
「信用できるか! 能力をきったら殴るんだろう!!」
気絶させるのは簡単だかそうすれば確実に次はない
つまり今回が最初で最後のチャンスだ
俺は少女を落ち着かせようと必死になっていた
「俺はお前を守るために来たんだ!」
「えっ…?」
それはかけられたことのない言葉だったのか、少女が戸惑いの色を見せた
それと同時に風が少しだか弱まった
「俺がずっとお前のそばにいて、お前を守ってやる!」
「どうせ嘘に決まってる」
「その嘘を一度だけ信じてくれ。 それすれば、お前を守ることができる」
その言葉を信じてくれたのか、ようやく落ち着き始めた
おれ自身無我夢中だったから思いついたことを片っ端から言ってっただけなんだかとりあえずおちついてくれたようだ
(後のことはまたあとで考えよう)
そして風が止んだと同時に頭に風で煽られていた花瓶が降ってきた
「えっ…? ちょっと大丈夫で……
そこで俺の意識は途絶えた
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