MS Operative Theory
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軍編制
ロンド・ベルとネオ・ジオン(シャア)の編制➂
——地球連邦とAEの対応——
地球連邦とAEにとって、ロンド・ベルとネオ・ジオンはそれぞれ、「目の上のたんこぶ」と「お得意様」であった。ネオ・ジオンとの交渉が成功すると考えていた地球連邦にとって、独自の判断で行動しかねないロンド・ベルは手に余る存在であった。また、AEはグリプス戦役時のように両者の兵器供給減としての役割を担った。
■地球連邦
地球連邦はロンド・ベルトネオ・ジオンの捜索を命じ、その裏ではネオ・ジオンとの交渉を行っていた。二つの異なる姿勢は連邦の日和見主義と楽観論の表れであった。
▼身内への牽制
地球連邦は、ロンド・ベル隊を「戦争をしたがっている」者たちの集団と見做していた。連邦軍は、ロンド・ベル隊の上部組織であったが、その行動を制限することなく、独自の行動を許可していた。
▼言外の桐喝による交渉
ロンデ二オンでの交渉により、地球連邦はネオ・ジオンとの和平が成立したと考えていた。連邦軍との戦力差から、ネオ・ジオンは条約を守るという幻想があった。
■アナハイム・エレクトロニクス社
AEはグリプス戦役時のようにスポンサーという立場を取ることはなかった。それぞれの組織に対して、兵器の開発協力や供給を行うのみで、企業という枠を逸脱することはなかった。
▼アムロ・レイ専用機の開発協力
この時期の連邦軍の主力機であるRGM-89(ジェガン)はAEで開発、量産された機体であった。AEはこれ以外にも、アムロ・レイ大尉の要請により、彼の設計による新型機RX-93(νガンダム)の開発を行っている。
▼新型機の開発と量産
AEはネオ・ジオンのMSの開発と量産を担当した。この時代、新型機の開発依頼が無かったため、AEにとっては連邦軍以外の大口の発注元であったと考えられる。
補足事項
——ロンド・ベルの武装化を拒んだ連邦の妄執——
ロンド・ベルの配属に際し、アムロ大尉はZガンダム・タイプの機体の配備を連邦軍に要請したと言われている。
しかし、連邦軍はその要請を拒み、代わりにMSZ-006(Zガンダム)の量産仕様機として開発されていたRGZ-91(リ・ガズィ)を送っている。本機の性能はアムロ大尉の要求を満たすものではなく、大尉は独自にνガンダムの開発をAEに依頼した。
——反連邦感情と「シャア」というカリスマ——
U.C.0092,12,13に行った「連邦軍に対する攻撃の示唆」以前のシャアは、各地の反連邦組織と接触していたと考えられる。特に「エグム」や「NSP」などと密接な関係にあったと推測される。
前者は、拠点としていたスウィート・ウォーターは反地球連邦感情が強かったことからネオ・ジオンよりの土壌が作りやすく、また後者は、U.C.0091,02,06に解散宣言を出していたことから、多くの将兵を受け入れたと言われている。
また、これ以外にも、ジャムルの3D隊、アリアス・モマ、イリア・パゾムなどのネオ・ジオン(ハマーン)の残党とも接触、NPSと同様、自らの戦力に加わえることで戦力の拡充を図ったと考えられる。
——シャアを前面に押し立てた、ネオ・ジオンのメディア政略——
宇宙世紀において、シャア・アズナブルと同等のネームバリューを持つ持つものはわずかしかいないと言われている。それを最も理解していたのが、ネオ・ジオンの政治顧問たちであった。彼らは積極的にシャアの存在をネオ・ジオン内外にアピールした。
その効果は絶大でネオ・ジオン将兵だけでなく、連邦政府に対しても多大な影響力を発揮したとされる。もっともシャア本人は、自らが道化のように扱われていることに対し自嘲気味であったという。
しかし、グリプス戦役時から表舞台に立つことを拒んできた彼にとって「ジオン・ダイクンの名前を受け継ぐ」ことは、自らの出目や名前の持つ力を再認識することでもあったのである。
後書き
次回 クロスボーン・バンガードの編制
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