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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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二章 幕間劇
  お忍びでの街歩き

ふむ。今日はいい天気だな。まあ城の仕事も慣れてきたが、まだまだ難しい所はある。例えば文字とかな、現代語ではない。だから難しいのさ。

「で、そこにいる久遠は何してんだ?」

「バレたか、てっきり気付いてないと思ったのだが」

と出てきた久遠。でもなぜここにいるんだろうか。俺達一真隊の長屋にて。

「そういえば城の仕事は慣れたのか?」

「まあな、だけどまだまだ分からない事だらけだ。そういえば戦以外で評定に出ない奴がいると聞いたが」

「いるな。織田家には、戦の時以外は評定に顔を出さない連中もいるからな。天気がいい日は遊びに行きたいとぼやく位で咎めはせんが」

あー、やっぱりいるんだなー。たぶんもう少ししたら会えると思うけど、今はいいとしよう。

「で、俺に会いに来たと言う事は俺と一緒にいたいと言う事か?」

「まあそうだな。我と一真は恋人なのだ、一緒にいたいと言う気分になっただけどの事」

その時聞き覚えの声が聞こえたと思ったら壬月と麦穂だった。見つかると面倒になるから、手を繋いで城下町に行った。

「話が早くて助かるな。さすが我の彼氏だ」

「まあな。で、清州の市に来たはいいがどこに行くんだ?」

「天気もよかったし、久方振りに城下を見て回りたくてな。一真はいつも遊び歩いているだろう?何か変わった様子はないか?」

「遊び歩いてないよ。何かあっては困るからな、目を光らせながら歩いてるだけだ」

俺はそう言いながら歩いていた。現代ならパトロールといえば分かるが、この時代では分からんからな。しかも横文字は使えない、まあ和英英語っていうか日本でしか通用しない英語とかもある。まあ俺は英語とかは喋れないが、部下が喋れたな。アメリカとかイギリスとかあと中国出身のもいたような。

「お、壬月達が来たぞ。気配で分かるが少し離れた所だがな」

「まずいな。もう少し人混みに紛れるか」

といって俺と久遠は人混みに紛れながら進んでいた。何か前より人多くないか?まあ現代で言うなら渋谷のスクランブル交差点くらいかな。

「それにしても相変わらず賑やかだな」

「うむ。前に来た時よりも賑やかになってるな」

「久遠が座を解放したからだろうな」

「賑わいは商人達の働きのお陰だ。我はきっかけを作っただけだ」

人は更に増えているような感じだったが、気配では旅芸人とかが来てたのかもしれない。なので俺が先頭を仕切って久遠にぶつからないようしながら歩いて行った。まるで祭りか何かやってるようだった。

「どうした、一真?」

「いやなに、井之口の町を思い出してな」

「井之口か、一真にとってはどうだった?」

俺はそうだなと思いつつ、久遠の手を引いてある店に向かった。たぶん楽市が無くなったことや龍興のことは、スパイの情報で知っているだろうからな。

「おじさん、このお餅二つちょうだい」

「あいよっ!」

「最近どう?儲かってるか?」

「清州のお殿様のお陰でねぇ。昔っからうつけうつけって言われていたけど、俺ぁ昔っからやってくれるお人だって信じてたよ」

「そっかー。まあ最近はここも賑やかだからな。久遠、受け取っておいて」

俺は手を繋いだまま・・・・ポケットから銭を取り出して払った。お代を払ったら、おじさんは二人は仲いいねと言われたけどな。まあいいとしてお餅を人通りの少ない所で食べた。

「こうやって元気良くて久遠の事を褒めてくれるのが清州で、店の人が元気なくて話を振れば昔の方がよかったというのが井之口」

「・・・・なるほどな。うむ、うまいな、これは」

「あーーーーーっ!一真様、久遠様っ!」

おっと、犬子も探しに来てたか。俺は久遠の手を引いて走った。この人混みなら、すぐに追っ手は来られないだろう。

「ほう、この辺りは来た事ないな」

「そうなのか?」

「ああ、買い物とかはさっきの所だがな。ここはさっきの市とは違う物が売ってるな」

布に酒、焼き物とかは俺がよく行く所の市と変わらないが、時折珍しい物が売ってるな。

「堺や京からの品だな」

「堺ねえ~」

堺といえばこの時代では一番大きな交易都市だったか。

「南蛮との交易もしている所だ。探せば、もっと珍しい物も届いてるかもしれんぞ」

まあ南蛮=外国から堺より、堺からここまで運ぶのは楽だと思う。俺だったらジェット機で行くなぁ、それかもっと早く行くならジェットファルコンかな。でもこの時代というより今の世界に飛行機があるかは分からないけど。

「昔は駿府辺りまで運んでいたがな。今川治部大輔がいなくなってからは、この辺りで荷を下ろす事も多くなってきていると聞く」

今川治部大輔ってあの時のかな。俺が落下してきたあの時か。

「もしや田楽狭間の時か?」

「ああ」

そう呟いて久遠が手に取ったのは店先に置いてあった小さな鞠だった。京都辺りの品だろうな、綺麗に染められた糸で包まれた鞠は、まさしく工芸品といわれる言われる位かな。

「駿府って今はどうなってるの?治部大輔がいなくなってからは」

「治部大輔の娘継いでるはずだが、詳しい事はよく知らん。三河の葵に調べさせているが」

三河、ねえ。確か松平家だったか。まあ今は駿府より美濃攻略だろうが、おっとあんな所に麦穂がいるな、俺は手を引いて人気のない所に行って透明の聖剣を発動させた。

「ちょ・・・・一真・・・・!?」

「後ろに麦穂がいる。一応今の俺達は外からは見えないようにしてるが、ほらあそこにいるだろう?」

「あっ本当だ。だが外から見えないとはどういう事だ?」

「いいから、もう少し黙っていろ。麦穂が向こうに行くまでの辛抱だ」

と言いながら久遠の腰に手を回し密着した。久遠は恥ずかしがっていたが、今は恥ずかしがる事より見つかるとまずいので静かに見守っていた。やがて、向こうに行った麦穂を気配で行ったと確認すると透明の聖剣を解除して、俺達は再び人気のある所に行った。

「ふむ一真。少々腹減ってきていないか?」

そう聞かれると時計を見たらお昼の時間帯になっていた。もうこんな時間か、朝はお餅だけだもんな。

「何か食べたい物はあるか?」

「そうだな。一真の行きつけの店とかはどうだ?」

行きつけの店ねえ、そういえばひよところがよく行く所があると聞いたが、俺は一回しか行った事ないんだよな。さて、どうしようかと考えたが俺の料理にするかと思い久遠に提案した。

「行きつけの店はないが、俺の料理はどうだ?今ならすぐに作れるが・・・・」

「何!一真の手料理だと!ひよに聞いたが一真の料理は絶品だと聞いた。なら長屋に行こうではないか」

と言ってきたので俺と久遠は長屋に戻った。途中三若や壬月と麦穂がいたが、空間切断ですぐに長屋に到着した。俺の部屋に案内させてから、俺は作りに行くと言ってから外に出て空間切断でトレミーの厨房に行き料理を作った。作ったのは、ご飯と味噌汁までは普通だが、魚を自ら捌いてから焼き魚にした。魚の名前?これはアジだ。で、俺は空間にしまってから、長屋に戻ってきてお待たせと言いながら机を出して空間から料理を出す。ご飯とみそ汁とアジの焼き魚と漬物を出してから、俺は手を合わせていただきますと言った。

「うむ。これはうまいな・・・・この白いのは何だ?」

「それか?それは豆腐だ。食べやすいように一口にしてある」

「これが豆腐なのか。あまり見た事ないのでな、まさか味噌汁に入れるとは。うむ、この魚も美味しいぞ」

と言いながら黙々と食べていた久遠。まあ料理スキルは結構高いし、前は作ろうとしたら華琳達に止められたからな。俺の料理は絶品だが別名『女殺し』とも言われる。まああの時は高級料理店やファミレスとかのオーナーもやっていた。とここで久遠からこの先を行っていたが、やはり美濃攻めのようだ。まああの愚者がいる所だから解放させたい気持ちだけどな。食い終わったのか、少し横になっていた久遠。俺も食い終わると、食器を厨房の所に運んだ。あとは部下達が食洗で纏めてしてくれるだろう。夕方になるまで、俺と久遠は壬月と麦穂に三若に見つかる事なく遊んだのであった。  
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