不老不死の暴君
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レイスウォール王墓編
第十四話 王女誘拐から数日後
アルケイディア帝国旧ダルマスカ王国領王都ラバナスタにて。
王女誘拐の話を侯爵から聞いた日の昼過ぎにセアは飛空挺に乗ってラバナスタに帰ってきた。
その後色々ありましたよ。まずターミナルを出たところでカイツと会って。
「セアさん! 無事だったの!? パンネロ姉ちゃんとヴァン兄は?」
「えっと・・・2人ならもう少し冒険してくるって言ってたよ?」
「えぇ~!」
とかそんなやり取りがあったり、店に入るとミゲロさんが話しかけてきて。
「おう、セアは無事だったか。それでパンネロは無事か?」
「・・・無事だったんだけどね」
「というと」
「2人ともと空賊について行っちゃった」
「なっ! あの2人にが死んだらあの2人の親の墓前でなんて言えばいいんだい!?」
「・・・夢にすがって死にました?」
「ふざけるんじゃない!!」
そんなの俺に言われましても・・・詳しく話せば解ってくれそうだがダルマスカの王女が生きてましたとか言いたくないしな。
絶対そんなこと教えれば面倒事がミゲロさんにも降りかかってくるだろうし。
それでダラン爺に話に行ったんだ。
因みにダラン爺には詳細を詳しく教えたよ。
なんというかダラン爺を相手に隠し事が出来そうになかったからだ。
・・・10ヶ月位前に話したときに自分の秘密を教えちゃったし。
聞き出されたと言った方が正しいかもしれないが。
「ふむ、悪ガキも結構な冒険をしたようじゃの」
「それで・・・王女様は何処行ったと思う?」
ダラン爺が髭をさすりながら答えた。
「恐らく・・・レイスウォール王墓に向かったのでは?」
「何故?」
「王家の証は覇王が持っていた3つの魔石だ。それをひとつずつ息子に分け与えたものなのじゃよ」
「直系の王族とナブラディア家そしてダルマスカ家の3つか」
「その通りじゃ。そして直系の王家が断絶した際、当時のナブラディア家とダルマスカ家の当主がその証を王墓に封印したと伝わっておる」
「その王墓は何処にあるんですか?」
「オーダリア大陸東部の何処かとしか知らんのう」
範囲が広すぎるだろ。
ヴァンとパンネロを強引に連れ戻してミゲロさんを安心させようと思ったけど無理だ。
ムシャクシャしてきた俺はウサ晴らしに砂海亭に酒を飲みに行ったんだ。
トマジが俺の愚痴に付き合ってくれた。
「ヴァンを止めろだのって俺が寝てる間にいったんだから仕方ねぇじゃん!」
「まぁ、おちつけよ」
そう言ってトマジは酒瓶を持ってコップに酒を注いでくれたよ。
「まぁヴァンも子どもじゃないんだし、好きにさせればいいと俺はおもうよ」
「おお、トマジ有難う!」
そんな感じで酒を結構飲んだんだよ。
結構長い時間いたからね。
するとトマジが思い出したように
「あ、そろそろ勤務時間終了だ。話はこの辺で」
そう言って店の奥にトマジが入っていた時は別になんとも思わなかったよ。
だから勘定の時に大金を請求されて驚いたよ。
どうやら俺は最高級の蛇酒ばかり飲んでいたらしい。
トマジがコップが空になると酒を入れてくれていたからトマジの仕業だ。
トマジに殺意を覚えながら俺は全財産の九割を砂海亭に払う事となった。
そして今・・・
「金がない」
とある理由で別に俺は食事を取らなくても生きていけるがずっと空腹はつらい。
セアの計算ではあと三年は働かずに暮らせるだけの金があったのに。
今では一ヶ月の家賃だけで金が尽きる。
セアがブルーな気分で王宮を眺めていた。
「クライス殿ですか?」
名前を呼ばれセアは振り返ると帝国兵が立っていた。
「そうだけど・・・なんのよう?」
「ドラクロア研究所の所長がお呼びですご同行願えますか?」
普段なら面倒くさいのでセアは断る。
しかしセアは現在一文無しで断ってもやることがないので快くセアは承諾した。
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