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久遠の神話

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第七十八話 選挙の結果その十一

「知事選、上下両院選挙において」
「民主党がどれだけ議席を確保するか」
「それですね」
「どうもそれも」
 それもだった、ニュースの報道を見ていると。
「民主党は圧勝ですね」
「共和党は知事の席もかなり失っていますね」
「議員の方も」
「上下両院はこのままでは」
 報道の状況を見るとだった。
「共和党は三分の一もです」
「確保出来ませんか」
「惨敗ですね」
「ネオコンを抑えられなかったからです」
 ティーパーティーと言ってもいいだろうか、日本の似非保守達が全くの無知無学無教養無思慮無定見から支持する彼等をというのだ。
「共和党の今の敗北は」
「ではネオコンはですね」
「最早」
「共和党自体にとってです」
「癌ですか」
「それになっていますか」
「はい」
 まさにその通りだというのだ。
「この敗北で彼等を何とかしないといけなくなりました」
「共和党再生の為にはですか」
「絶対に」
「この敗北は一九三二年以来です」
 ルーズベルトの最初の当選だ、この時の共和党は世界恐慌への対応に失敗したとして選挙に惨敗したのだ。
「これを覆すことはです」
「容易ではない」
「しかしそれをしなければ」
「共和党はこのままです」
 少数野党に転落したままだというのだ、議会の三分の一の勢力もないような。
「もうアメリカは白人だけの国ではないのですから」
「いや、それは最初からですね」
 少尉はアメリカが白人国家という認識にはすぐに反論した。
「アフリカ系もアジア系もいましたし」
「はい、そうです」
 スペンサーも白人国家と言いながらも彼の言葉を肯定する、つまり今の言葉はわかっていてそれで言ったのである。
「最初からそうでしたし」
「今は特にですね」
「人口の割合でも少数派になっていきます」
 今後のアメリカ社会では、というのだ。
「混血が進んでいきます」
「これまで以上にですね」
「そうです、もう白人保守層もです」
 そのネオコンの重要な基盤とされている層もだというのだ。
「変わっていかなければなりません」
「そうした時代なんですね」
「そうです、特に」
「富裕層はですね」
「意識変革をしなければ」
 即ちネオコン的思想を捨てなければというのだ。
「与党にも大統領にも返り咲けないでしょう」
「では今の敗北は共和党にとってもいいことですか」
「敗北を糧とするならば」
 それなら、というのだ。
「よいことです」
「共和党にとっても」
「そうなります」
 こう少尉と曹長に話す。
「共和党穏健派もこれで間違いなく力を取り戻すでしょうし」
「ネオコンが敗戦の責任を問われてですね」
「間違いなくそうなります」
 敗北の責任は追求される、これは選挙においても同じだ。日本でもそれは同じで出来ない政党はそのまま潰れていく。
「ですから」
「では共和党もですか」
「出直しです」
 それになるというのだ。 
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