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鉄槌と清風

作者:deburu
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63部分:62:懐かしき場所/新たなる思い


62:懐かしき場所/新たなる思い

 六課襲撃から約一週間、軽傷者は皆退院し、病院に残っているのはザフィーラとヴァイスだけだ。
 ヘリのパイロットはロングアーチ通信士だった、アルト・クラエッタが行う事になった、ヴァイスの後輩だそうだ。

 それと隊舎代わりに次元艦アースラをはやてが借り受け、そこを現在の機動六課としている。
 此方の操縦は、やはりロングアーチの一人だった、ルキノ・リリエだ、元アースラ所属の事務員で艦船操舵資格を所持しているらしい。

 で、まぁ…ザフィーラとヴァイス、本局へ精密検査に行っているスバル以外はアースラに乗り込んだわけだが。

 「懐かしいね、これまた」

 「だな、闇の書との決戦後暫く厄介になったからな」

 「決戦か、あんときはやてに泣きながら抱きついてたよな」

 「ばっ、うっせ、うれし泣きはしていいんだよ!」

 「まぁ、そうなんだが」

 一寸赤くなるヴィータをからかいながら進み、会議室へ。
 中には、フォワードの面々と、隊長陣、副隊長陣、グリフィス…グリフィス・ロウラン、レティ提督の息子で部隊長補佐だ…アルトが既に揃っている。

 「ちょ、おそいよ良彦隊長、ヴィータ」

 「わりっ、一寸懐かしんでた」

 「ごめんはやて、この馬鹿が遅いから」

 「ま、ええわ…ほな、これからの話しや」

 良彦とヴィータを座らせ話しだすはやて。

 「地上本部襲撃に関しては本部側が仕切って、こっちには情報もくれへん、せやけど私らが追うんは、レリック事件の犯人としてのスカリエッティや、あっちとは関係ない」

 一通り皆をみて。

 「一度は出し抜かれたけど、次はそうはいかん、今度勝つのはこっちや、これ以上勝手はさせへん、皆いいか?」

 その言葉に皆力強く頷きを返す。

 「そしたらフォワード陣はいつでも出れるように待機、ロングアーチスタッフは情報のまとめと、指示だしや、相手の次の動きに直ぐ動けるようにな」

 はやての指示で部屋を出る面々、残るのはフォワードメンバーだ。

 「どうした、体休めねーのか?」

 出る前に気付いた良彦が声を掛ける。

 「あ、いえ、今度戦闘機人とあったときの作戦を」

 「ふむ……そいや、エリオとキャロ、スバルの事は聞いたんだよな?」

 「はい、聞きました」

 「どう思った?」

 「えっと、難しいんですけど…向こうの人達も、感情とかあるのかな、って」

 エリオとキャロが答えてくれる。

 「だな、セインとは何度か話したが普通に感情があった、六課を襲った奴らは抑制されてるのか感情が今一感じられなかった…てことは、ある程度の洗脳みたいなのを受けてる可能性がある、さてどうする?」

 「できる限り保護します、戦闘機人でも普通に生きられる事を知ってますから」

 良彦の問いにティアナが答え、そこへ

 「なら、良く相談しとけ、一番戦闘機人と交戦してるのは多分、お前らだ…お前らを先に狙ってくる可能性も高いからな」

 ヴィータが言い含める。

 「んだなー…俺らも手が足りてれば助けにいけるけど、次は前回以上に大きく動くだろうからな、自分の相手は自分で保護なりしてやってくれ」

 苦笑交じりに良彦が、言って部屋を出る、その背中に

 「「「了解」」」

 と声が掛かる。



 アースラ食堂の一角、良彦とヴィータ、セプトが座ってお茶を飲んでいる。

 「次やばかったら、ユニゾン早めに頼むなセプト、AMF濃いとどうしても『凪』が鈍る」

 「うむ、任せておけロードを助けるが、融合騎の仕事ゆえな」

 「あたしが近くに居ない時はセプトが頼りだかんな」

 3人でそんな事を言っていると、艦内に一斉通信が流れる。
 地上本部肝いりのアインヘリアル…魔導師に頼らない対犯罪者用の兵器らしい…の、1〜3号機が戦闘機人により無力化され、破壊されたと言う報告。
 さらに、ヴェロッサからはスカリエッティのアジト発見の報告と、そのアジト近くから飛び立った巨大艦船の報告が送られてくる。

 以前ユーノが調べてくれていた、『聖王のゆりかご』と呼ばれる古代ベルカの超兵器だろう、これについてはカリムの予言から一応は気にされていたが、実際に出て来たのには驚いた。
 ユーノの調べでは、軌道上のあるポイントまで上がると地表攻撃や、もしかすれば次元跳躍攻撃も可能で、1隻で次元航行艦隊とも遣り合える可能性があるそうだ。

 「…でけーな、ありゃ」

 「あぁ、でけー…でも、上がらせちゃ、まずいんだよな」

 ウィンドウを見ながら呟く良彦とヴィータ、そこでウィンドウの映像が切り替わる。
 スカリエッティが映り、『聖王のゆりかご』の復活を宣言し、さらにゆりかごの内部か、豪華な椅子に座ったヴィヴィオが映る。

 ヴィヴィオは泣き叫びながら腕を椅子にロックされ、魔力を吸われているのか腕の上辺りに球体が2つ浮いている、そのそばには眼鏡をかけ、戦闘機人のスーツに身を包んだ女性と。
 大きな砲塔を近くに置いた女性がチラッと映る。

 「趣味がわりー…な、こりゃ」

 「やろー、こんな事の為にヴィヴィオをつれてったのか」

 映像の中では、ヴィヴィオを【聖王】と呼び、その復活もうたっているようだ。

 「行く場所は決定だな…」

 「…あぁ、あの船を止めて、あいつらぶちのめす」

 良彦とヴィータ、顔を、見合わせ頷く。

 「我もあれは気に入らんな、全力でロード良彦の力になろうぞ」

 「あぁ、頼む」

 セプトも憤慨しているのか、画面を見ながらぎゅっと拳を握っている。

 『六課各員、出撃準備や』

 『地上本部にも戦闘機人反応が複数向かっています』

 ロングアーチ…はやて、シャーリー…からの連絡。

 『地上の戦闘機人は、フォワードメンバーいけるな?』

 『『『『はい』』』』

 いつの間にかスバルも来ていたらしく4人の声が返事をする。

 『スカリエッティのアジトはフェイト隊長、現地のアコース査察官と協力してあたってや』

 『了解』

 フェイトが即座に答え。

 『本部の空域はシグナム、アイン、ツヴァイ任せるわ』

 『心得ました』

 『了解、今度はおちない』

 『了解ですー、任せてください』

 シグナム、アイン、ツヴァイが返事をする。

 『ゆりかご突入は、なのは隊長、良彦隊長、ヴィータにセプト、任せてええか』

 『うん、任せて』

 「おう、ずばっといって…」

 「…どかんと潰せば良いんだろ」

 「任せるが良い、ロードと共にある融合騎がどのような物かみせよう」

 なのは、良彦、ヴィータ、セプトが頷き。

 『私はゆりかご周辺の指揮や、こっちの指揮はグリフィス君頼むで』

 『はい、お任せください』

 『ほな、機動六課…出撃』

 『了解!』

 全員の声が重なり、皆が動き出す。
 目的は事件の解決、その一点。
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出撃直前までの様子です、あんまり出てなかったロングアーチスタッフの説明を一寸だけいれました。

次回は出撃時の会話と、ゆりかご突入時の辺りに成るとおもいます。
 
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