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久遠の神話

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第七十八話 選挙の結果その五

「何もしないね、それでもね」
「給与は貰っていますね」
「それも結構な額をね」
「そしてそのチームのオーナーか何かは何も処罰されずにですね」
「マスコミでも大きな顔をしているよ」
「日本の病理ですね」
「まさにそうだね」
 王もこのことは苦々しく話す。
「いい国なのに残念だよ」
「全くですね、まあどの国も本当に」
「光と影があるね」
「どちらかだけを見ても何もなりませんね」
 スペンサーは話しながら豚の角煮を包に入れた、中国の蒸しパンに。
 そのうえで食べつつだ、こう王に言ったのである。
「私はアメリカにもそれがあるとわかっているつもりで。ですから」
「今回も選挙もだね
「アメリカがよくなって欲しいと思っています」
 語るのはこのことだった。
「本当にそう思います」
「そうだね、じゃあ」
「選挙は既に選挙人を選んでいます」
 後はその彼が投票してくれるというのだ。
「そうしてくれますので」
「結果待ちだね」
「どうなるかは間もなくわかります」
「大尉の選挙結果通りになればいいね」
「全くです、では」
「それでは?」
「どうも頼んだものが少なかった様です」
 今食べているのは豚の角煮に包、それと野菜と卵を炒めたものだ。しかしそれだけでは足りないというのだ。
「あと何かを頼みたいのですが」
「じゃあ何を頼むのかな」
「バンバンジーと野菜スープと」
 まずはこの二つだった。
「それと海鮮ビーフンを頼みたいです。それとデザートは」
「杏仁豆腐はどうかな」
 デザートについては王はにこりと笑ってこれを紹介した。
「これはどうかな」
「杏仁豆腐ですか」
「うん、いい果物が入ってね」
「それと共にですね」
「食べたらどうかな。しかも杏仁豆腐自体も私が作っているからね」
 余計にいいというのだ、それでだった。
 スペンサーもその杏仁豆腐を頼んだ、それでその日の昼食を楽しんだ。暫く彼は戦いもなく平穏に日々を過ごした。
 そして運命の日だった、日本では朝からネット等でアメリカ大統領選挙の状況が伝わっていた。その流れはというと。
 とある日本の保守系新聞社のワシントン駐在記者が苦い顔をしてテレビで言っていた、少尉はその記者の言葉を聞いてスペンサーに尋ねた。そこには曹長もいる。
「あの、この記者は」
「共和党寄りですね」
「というかアメリカ共和党員ですかね」
 そこまで寄っているというのだ、日本の記者だが。
「しかもネオコンの」
「その記者はネオコンはないと言っています」
 スペンサーはその記者を知っていた、それで少尉にもこのことを話したのだ。
「常に」
「いや、ネオコンは実在していますよ」
「しかしいつもそう主張しています」
「つまり嘘吐きですか」
 少尉はスペンサーの言葉からテレビにいる記者をそうした輩だと考えた。
「そうなんですね」
「嘘を言っているかどうかはともかく」
「真実は違いますね」
「ネオコンは確かにいますから」
「それでそう言うというのは」
「少なくともジャーナリストとしての力量には問題があるでしょうね」
「少なくとも公平な記者ではないですね」
 とにかく共和党劣勢を必死に隠そうとし尚且つ民主党を攻撃している、日本語を喋っているがまさにアメリカ共和党のスポークスマンである。 
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