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ヘタリア大帝国

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TURN125 シチリア降下作戦その十

「いいかい?ドクツ軍が負けてね」
「それで逃げたらね」 
 その時はというのだ。
「即効で枢軸軍に降伏するよ」
「戦わないからね」
「じゃあ枢軸軍に入るブーーー?」
 ポルコ族の一人がこう二人に問うた。
「そうするブーーー?」
「ああ、そうだよ」
「本当にそうするからね」
 二人もこうそのポルコ族に答える。
「統領さんも戻ってきてるしね」
「そうするよ」
「わかったブーーー」
 ポルコ族は二人のその言葉に納得して頷いた。
「それじゃあブーーー」
「皆もいいね」
「あたし達はドクツ軍が逃げたらすぐに降伏するよ」
「それで後は枢軸軍に入るからね」
「それでいいね」
「了解ブーーー」
 誰も反対しない、イタリン軍のその方針は既に決まっていた。そして今の統領であるぴえとろもだった。
 中立国のスイスにだ、モニターでこんなことを必死に言っていた。
「頼む、ここはな」
「亡命であるか」
「それをさせてくれるか」
「いいである」 
 スイスはあっさりとぴえとろに答えた。
「ではその時にまた我輩を呼ぶである」
「済まない、それではな」
「しかし御主は誰も何もしないと思うである」
 スイスはモニターからぴえとろを見ながら言った。
「いてもいなくても同じだからである」
「何っ、わしは無視されているのか」
「そう思うのである」
「何と、そうだったのか」
「ベニス統領の方が人気があるのである」
「くそっ、皆可愛い娘の方がいいのか」
「当然と言えば当然ある」
 スイスは淡々と容赦のない言葉を浴びせてくる、これがスイスであるう。
「しかもあの統領さんは政治家としても中々である」
「だからわしはか」
「統領さんがローマに戻れば最初からいなかったことにされるのである。というか今も半分そう思われているのである」
「では亡命しても意味がないではないか」
 無視されているならだ、身の安全が保障されるどころではないからだ。
「何ということだ」
「それでどうするであるか」
 スイスはあらためてぴえとろに問うた。
「今回は」
「やはり亡命させてもらう」
 スイスにだ、そうさせてもらうというのだ。
「頼む」
「わかったである」
 スイスはぴえとろのその言葉に頷いて返した。
「ではいざという時はである」
「有り難い、それでは」
「しかし欧州もこれではである」
 スイスは戦乱の続く欧州のこともここで言った。
「戦乱とそのダメージが酷くなる一方である」
「ううむ、それは」
 ぺえとろも自覚していた、何しろイタリンもこの戦争で戦場になるのは二度目だからだ。
「どの国も国力をかなり消耗しているな」
「太平洋も戦場になったであるが」
「ダメージはそれ程ではないな」
「欧州のダメージは深刻である」
 何とか中立を保っているスイスから見てもである。 
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