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ヘタリア大帝国

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TURN125 シチリア降下作戦その八

「要塞の状況等も」
「ドイツさん達はこっそり戻れないのかね」
 南雲はこうも言った。
「そういうことは」
「ドクツ大使館は閉鎖されていますよ」
 このことを話したのはゾルゲだった。
「交戦状態になり国交も途絶えていますから」
「そうでしたね」
 小澤も言われてこのことに気付く。
「それでは」
「はい、ドイツさん達も今のドクツには入られません」
 祖国である彼等もだというのだ。
「そのことは」
「スイスやリヒテンシュタインから入られないからね」
 南雲はここでこの中立国達の名前を出した。
「特にスイスはね」
「スイスに入ることは自殺行為です」
 ゾルゲですら、であった。それは。
「私も一度スイスから入るルートを考えましたが」
「無理なんだね」
「とても」
 そうだというのだ。
「スイスに入ることは出来ます」
「工作員としてはだね」
「身分を偽って。ですが」
 それでもだというのだ、例え潜入しても。
「スイスさんがいます、とてもドクツまで入るまでには」
「見つかってだね」
「追い返されます」
 そうなってしまうというのだ。
「ましてや軍の通過なぞ」
「ああ、スイスに軍で入るのか?止めておけよ」
 ここでフランスが来た、それでそれを止めるのだった。
「絶対にな」
「スイスさんはそこまで強いんですね」
「国民全部が軍隊だからな」
 文字通りいざとなれば国民皆兵になる、そうした国だからだというのだ。
「絶対に入るなよ、宙形も滅茶苦茶険しいからな」
「噂には聞いてるけれどね」
「あそこは攻めるには最悪だよ」
 まさにそうだというのだ、フランスは実際に怖いものを語る顔である。
「少しでも自分に不利益そうだと頼んでも引き受けないしな」
「シビアなのですね」
「相当な」
 フランスはそのスイスについて話していく。
「だから厄介なんだよ」
「じゃあスイスのことはもう忘れてね」
 南雲もあっさりと考えを切り替えた、それならばどうしてもだった。
「どうするかだね」
「ソープ帝国からギリシアに向かうことは」
 小澤はこちらのルートを出した。
「そちらは」
「そちらもかなり堅固な防衛ラインを敷いている様です」
 ゾルゲはこちらも駄目だと話す。
「そして東欧は相変わらずです」
「ワープ航路の修復も遅れてるな」
 フランスはぼやく様に述べた。
「あの総統さんもやってくれたよ」
「全くです、あちらからの潜入ルートも使えないですし」
 ゾルゲもこのことには不満な顔で述べる。
「全く以て困ったことです」
「だから今回はアルプスから攻めるしかないんだよ」
 ドクツを攻めるにはだ、フランスもぼやく感じで 述べた。
「多分相当堅固だろうけれどな」
「やるしかないね」
「ああ、気合入れて攻めような」
 アルプスにはだ、どうしてもだった。
 いよいよはじまるドクツ軍との戦いは苦戦が予想された、しかしそれでも彼等にとっては戦うしかなかった。
 それでだった、ローマについてもだったのだ。
 枢軸軍の主力全軍でローマに向かう準備を整えていた、そしてそのローマでも。 
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