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ヘタリア大帝国

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TURN125 シチリア降下作戦その一

            TURN125  シチリア降下作戦
 レーティアから話を聞いた東郷はムッチリーニ、そしてロマーノと話をすることにした。そのうえでシチリアとナポリのマフィアやカモラのことを問うた。
 東郷はまずだ、ロマーノにマフィアのルーツについて尋ねた。
「オフランスへの抵抗組織だったと聞くが」
「ああ、あの話嘘だからな」
 ロマーノは東郷の話を即座に否定した、違うというのだ。
「それはな」
「そうだったのか」
「確かにシチリアはオフランス領だったこともあるさ」
 それは事実だというのだ。
「けれどな」
「それでもか」
「ああ、そうだよ」
 それでもだというのだ、ロマーノは東郷にさらに話していく。
「実際はそんな花嫁が襲われたのがはじまりとかじゃなくてな」
「あれは伝説でか」
「実際は山賊だったんだよ」
 ロマーノは眉を顰めさせて東郷に話した。
「連中はな」
「シチリアの山にいるか」
「それでオーストリアやスペインの上司のな」
「ハプスブルク家だったな」
「山賊共を警官にしたんだよ」
「それがマフィアのはじまりか」
「警官でも元々は山賊だったからな」
 柄がいい筈がなかった、犯罪者に治安を任せるのは毒を以て毒を制すだ。だがその毒が強過ぎたというのだ。
「あの連中はな」
「それがやがてか」
「公の警察から離れてな」
「自警団みたいになってか」
「ああなったんだよ」
 自警団は実は危険な組織だ、一見すると義侠心に満ちた正義の集団だが法に拠って成って動く者達ではない。法に拠らないならば容易に犯罪集団になるのだ。
 だからマフィアもだ、やがてだというのだ。
「町を仕切ってやりたい放題やる様になってな」
「そこは日本のヤクザと違うな」
 日本のヤクザは賭場やテキ屋がはじまりだ、確かに全く違っている。
「自警団か」
「最初から自警団だったのも多いさ」
「それが、か」
「ああなったんだよ」
「成程な、そのことはわかった」
 東郷はロマーノの話に納得した顔で頷いた、そしてだった。
 次はムッチリーニに顔を向けた、彼女に問うことは。
「統領さんは連中をかなり抑えたんだな」
「あっ、そうだったんですか?」
「かなりと聞いているが」
「ううん、皆に御願いしたんですけれど」
 そのマフィアにだというのだ。
「実は」
「どうして抑えたのかを聞きたいが」
「とりあえずマフィアの自警団や清掃業は全部国家がしまして」
 それで彼等の表の仕事を奪ってだというのだ。
「そこに組み込んでいったんです。昔のことはないことにしまして」
「そしてですか」
「はいそうなんです」
 こう話すのだった。
「それと裏のお仕事も。売春は自由恋愛にしまして」
「それえなくしたか」
「厳しいとかえって増えるみたいですから」
 所謂モグリの売春にはそうした傾向がある、表で厳しくすれば裏でかえって、となるのが世の常であるのだ。
「それでそこは緩やかにして」
「警察は厳しくしたか」
「はい、そうしました」
 彼等を取り込んだ組織は、というのだ。 
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