幽霊だからって恋がしないとは限らないっ!
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天体観測。
朝起きると、渚はノリノリで着替えていた。
「ふふふ・・・伊織と一緒に旅行♪」
「早いな。」
「い、伊織!?いつから起きていた!!」
「さっき。」
「きいた!??」
「えっ?何を?」
「ふぅ、良かった・・」
「まぁ、俺は着替えてくるから。」
「はーい。」
俺が家までの長い廊下を歩いていると。
「おはよう、伊織。」
「おお、梓か。」
「おはようございます、伊織様。」
「影山も。」
「私は影山と着替えてから行くわ。」
「おう、仲良くな。」
「はい、お嬢様を美しくコーディネート致します。」
俺は、梓達と別れて自分の部屋へ入った。
「ふぅ、今日は普通の服か。」
俺は紺のジーパンにシャツに黒いジャケットを羽織った。
「まぁ、こんなもんだろ。」
俺は荷物を持って渚と合流した。
「あっ!伊織!」
出てきたのは、清純な感じのワンピースに、麦わら帽子、ピンクのポーチと、勝負服で決めてきた。
「おお、綺麗だな。」
「っ!そんな率直に言われると・・・」
「まぁ、かわいいのは本当だだからな。」
俺は渚と一緒にそとへ出た。
「はぁ、今日は洋服だから、腰に付けられないな。」
「背中は?」
「まぁ、妥当だろうな。」
俺は背中に刀を背負った。
「おーい!伊織ぃ!」
左の方から、霙の声が聞こえてきた。
「よう、おはよう。」
「おはよー!」
霙はいつも着ないような超ミニスカートを履いて、ダッシュで来た。
「おまえ、それ見えんじゃないの?」
「白だよ?」
「聞いてねーよ!!」
「ふふふ・・・甘いな・・私は黒のレースだ!!」
「透けますな!」
「部長、おはよう!」
「ついにため口になってしまったか。」
「そう固いこと言わずに!」
「はぁ、これ、大丈夫か?」
「おーい!みんなぁ!おくれてごめーん!」
「あっ!モブだ。」
「だ、誰がモブよぉ!」
奏は、お姉さん系の服に身を包んでいた。
「お前、その服どこで買ったんだ?」
「ああ!これ?これはね・・私の居候している部屋のお兄さんにつくってもらったんだ!」
「ふぅん、エロい?」
「な、渚ちゃん!なんでそういう発送になるの?」
「おーい!みんなぁ!」
「あ、準レギュラー。」
「誰が準だ!」
「まぁまぁ、智輝、後は二階堂先生を待つか。」
「梓、影山は?」
「着替えて来るって!」
「そう、ちゃんと避妊具も持てよ。」
「ちょ、伊織!」
「悪い、そこは抜かりないな。」
俺が皮肉を叩いてると二階堂先生がリムジンできた。
「おーい!皆!みんなのアイドル!二階堂宴が参上!!」
「・・・・」
「さ、乗ろうか。」
「無視しないで!?」
「いや、どう反応していいかわからないから。」
「ザクッ!!」
「伊織ぃ!待ってよぉ!!!」
「ツカサ!遅いぞ。」
「ごめんごめん!」
俺たちは全員でリムジンに乗り、合宿へ向かった。
「はぁ、暇だな。」と俺。
「あと五時間。」と部長。
「なんかやる?」と梓。
「カーセック・・」・・・・と渚。
「いっちゃだめぇ!!」と奏。
「それじゃあ・・・俺と渚が再開したときの話を聞いてもらおうかな。」
俺はこうやって切り出した。
渚が体から出ていってから、一周間俺は笑わなくなり、コミュニケーションもろくに取らなかった。
「はぁ。」
俺は渚と出会った時を考えていた。
「君は・・・星、好き?」
俺達が最初に交わした会話である。
「あ・・・うん。」
一目惚れだった。
「一緒に見よっか。」
その子は隣をポンポンと叩いた。
「ありがとう。」
俺は隣に座って寝転んだ。
「ふふふ・・私ね?星を見るのが好きなんだ。」
「俺も好きだよ。」
俺は女の子と目線会わないように行った。
しばらく沈黙が続き、先に切り出したのは渚だった。
「・・・私は玲瓏渚、よろしくね!」
振り向いた彼女の目には、涙が溜まっていた。
「あ・・・・」
「・・・それじゃ!私は行くよ!」
ひょいっと立った少女の後ろ姿を見て俺は叫んだ。
「ちょっと待って!」
「!」
渚は前を向いたまま止まった。
「俺は獅童伊織・・よろしくな!」
俺は笑顔で答えた。
「うんっ!!」
振り向いた直後に落ちた涙の粒は、この空のどんな星より輝いていた。
「っ!!・・・」
俺は部屋で一人泣いた。
涙が枯れるまでないた。
「・・・・・・・・・・・・・よし!」
俺は急に吹っ切れたように叫び、立ち上がった。
俺はバッグを持って走り出した。
「はぁはぁ」
俺は裏山へ向かいながらラジオをきいた。
「ーーー今日は雨は降らない予報です」
「・・・」
俺は踏切を越えて、神社まで来た。
「はぁ・・・はぁ。」
俺は俺は神社から獣道に入り、木々に間を駆け抜け、広い場所まで来た。
「・・・・・」
俺は誰もいない空間に語りかけた。
「渚・・・俺はもう、くよくよしないよ。
心配事も吹っ飛びそうだ。」
俺は広場の真ん中に寝転び、空を見上げた。
「渚!ありがとう!」
俺は綺麗で儚い星空に叫んだ。
「・・伊織・・・」
「・・・・・・・・!」
そこに居たのは、美しい髪に綺麗な白い肌・・・
「渚・・・・?」
「伊織ぃ!!!!」
渚は俺に抱きついてきた。
「渚・・・・」
俺は渚を優しく抱き止めた。
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