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久遠の神話

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第七十七話 百億の富その十三

「絶対にね」
「では」
「見ていてくれるかな、私がオリハルコンを使う場を」
 ここでもこうしたことを言うのだった。
「今からね」
「はい」
 そうさせてもらうとだ、聡美も応える。
 そして他の二柱の女神達もだ、真剣な顔で王に言った。
「では今から」
「見させてもらいます」
「貴方がオリハルコンを使う時を」
「そして貴方の戦いを終わらせる時を」
「今から」
「目を離さずに」
「そうしてくれたら有り難いよ。料理にしてもね」
 彼が生業、そして生きがいとしているそれもだというのだ。
「見てもらうのも面白いからね」
「だからですね」
「うん、見ておいてね」
 口調は明るかった、目は鋭いが。
「私の最後の戦いをね」
「では」
「さて、それじゃあね」
 王は剣を構えそこに己の全ての力を注ぎ込んだ、すると。
 剣の色が変わった。まずは。
「緑即ち」
「エメラルドですね」
 豊香が聡美に答える。
「まずは」
「そして」
 さらにだった、王の剣の色が変わった。
 赤、それは。
「ルビー」
「そこから」
 青くなった、それはだった。
「サファイア」
「そうして」
 その青いサファイアからだ、どうなったかというと。
 白く輝くものになった、それはというと。
 ダイアだ、そのダイアを見て言ったのは智子だった。
「遂にこの世で普通にあるものの中で」
「はい、最もですね」
 聡美がその智子に応える。
「硬いものです」
「しかし」
 それでもだった、そのダイアですらなのだ、今の王には。
「さらに上をですか」
「そこからになると」
 最早人の力を超えていた、だがだった。
 王はさらに上を目指す、その力をさらに注ぎ込んでいた。
 するとそのダイアがだ、何と。
 黄金に変わった、まさにその力こそがだった。
「何と」
「ええ」
 聡美も智子もだ、これには驚いた。
 ダイア、この世にある理の限界を超えたのだ。それはまさに神の力だった。
 オリハルコン、王はその力に達したのである。
 その力を手に入れた、しかし王はそのことにはこう言うだけであった。
「この力を使って」
「それで満足はされないのですね」
「勿論だよ」
 今もだ、、聡美にこう答えるのだった。
 そうしてだ、その剣を構えたままだ。
 王は跳んだ、そのうえで。
 巨人の頭上まで跳んだ、それを見て智子が言った。「
「成程、そういうことですか」
「脳天ですね」
「ええ、そうよ」
 こう聡美にも返す。 
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