戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~
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二章
朝食×稲葉山城占拠
ケータイのアラームが鳴り響く時に起きた俺。最近はそれで起きてる、久遠の屋敷でこれを鳴らしてたら妖術かとか言われて最悪没収されて壊されるかもな。まあ相変わらず目覚めはよくなっているけど。この世界いや外史に来てからもう一か月かぁー。たぶん向こうの世界は、あんまり時間が経過してないんだろうなと思いながら起き上った。ちなみに俺の部屋は、長屋の中でも豪華に作られているようだ。久遠の所にいた部屋くらいだったか、顔でも洗いに行くかと思い外に出たら一真隊の部下がいた。ひよところだ。
「「お頭、おはようございます」」
「おはよう、二人とも早いな」
と言いながら声をかけて井戸に近付くと、ころが水を汲み上げてくれた。冷水で顔を洗ってから、洗顔用の石鹸で洗ってから再び冷水で洗い落とした。最初は二人とも何か知らんが驚いていたが「顔が真っ白ですよ!」とか言われてたが今は慣れてきたようだ。充分に洗い落としたらひよが用意した手ぬぐいで顔を拭く、今まではお湯で洗ってたからな。気持ちよさはこっちだなと思った。
「ふうー、目が覚めた。二人とも朝食食べた?」
「まだですよ♪昨日、お給金が出たのでころちゃんと一緒に外で食べようかと話してた所です」
「ふむ、まあ給料出て嬉しそうだが、俺は俺が作るんで食べるから二人とも行っておいで」
「お頭の食事した所あまり見ないなと思ったのですが、どこで食べているのです?」
どこで?って聞かれても困る質問だな。俺は基本トレミーの食堂で食べてるからな、まあここで作っても構わんけどな。
「じゃあ、今日は俺が朝食を作るから少々待っていても構わないか?」
「お頭、料理できるのですか?」
「そりゃね、できるよ。俺の世界の料理だけどな、材料はこっちで用意しとくから俺の部屋で待っていてくれ。一緒に食べようじゃないか」
と言って二人は俺の部屋に向かった。さてと俺は空間切断の能力でトレミーの食堂に来ていた。隊の皆もちょうど朝食なのか俺を見ると挨拶してくる。まあ適当に言ってから厨房に入った。そして神速で作ってからお椀やお皿に乗せて完成と、食事を空間にしまってから俺は再び空間切断で長屋の井戸にいた。
そして俺の部屋に行くとお待たせと言いながら、空間にしまった料理を出す。机を出してからそれぞれの分を置くと二人とも早く食べたいとか言ってたからいただきますと言ってから食べた。うん、味噌汁もちょうどいいし、ご飯も美味い。二人は食べだした瞬間、なぜか知らんが落ち込んでいた。そういえばミーガン達にも食べさせたら同じ反応だったな、確か「女殺し」とか言われた。
ひよところはあの一発屋よりうまいと大好評だった。一発屋とは、尾張清州に本店を置く小料理屋。料理人のおやっさんはレシピを聞いたら何でも作れる凄腕の料理人らしいが。とここで、トレミーから通信が入ったんだが、城下町にて早馬が来たらしい。俺は二人が落ち込んでないで早く食べろと言ってから食べた。で、その後早馬が来たから城に向かうぞと言って城に行った。
「おーい一真!」
「おはようですよ、一真さん」
満腹になった俺達を迎えたのは和奏と雛だった。呼ばれた訳ではないらしいが、一発屋に向かう途中で早馬が来たから気になって登城した訳だ。あの早馬は美濃方面から来たらしいけど、もしかしたら雛達の出番かもーとか言ってたな。で、俺達は評定の間に向かった。評定の間に着いたら既に家老である壬月と麦穂が座っていた。
「あ、壬月様、麦穂様、ちぃーっす」
「お二人とも早いですねー」
「おお、バカ二人と一真隊か。ちょうどいい、貴殿らを呼びに行かせようとした所だ」
「バカじゃなくて若っすよ、ボクら織田の三若!んで何かあったんすか?」
「うむ。美濃方面で動きがあったらしい。今、殿が使番からの報告を受けておる」
やはり何かあったか。こりゃ俺達の出番かもしれないな、主に一真隊として。黒鮫隊はあくまで切り札だしな。まあ尾張侵攻ってのはないだろう、墨俣に城を創ったんだしな。
「皆、揃ってるか?」
「御意。三若の一人はまだのようですが」
「ああ、犬子ならまだ寝てますー」
「うむ、まあ寝かせておけ。すぐにどうこうする話でもない」
久遠からの話が始まったが、最初はよく分からないと聞いた。ふむ、何だろうなと思いながら聞くと稲葉山城が何者かによって占拠されたようだ。稲葉山城っていえば、美濃の蝮・斉藤利政(山城)が築城した。後に岐阜城と呼ばれる城の事だ。ちなみに稲葉山城は堅城って言われる強固な城らしく、北条の小田原、越後の春日山、美濃の稲葉山城とか言われてるそうだが、難攻不落の城を落とした人数は十六人。それを聞いた俺以外のメンツは驚いていたけど、こりゃ外からではなく内から落とされた可能性がある。
「十六人で落とされる事は、一見あり得ないと思っているが実はあり得るのだ。外からではなく内から落としたのではないかと俺は思う」
「確かに一真様の言う通りかもしれませんが、一体誰がやったのかは気になりますね」
「首謀者が誰なのかはまだ分かっていない、そこで一真に調べて来てもらいたい」
まあ正式に一真隊と発足した訳だが、実際問題足軽をたくさん抱えている余裕はない。俺の知行によって一真隊のメンツに給料を渡しているが、ひよところとあと十人くらい雇っただけで俺の知行はほぼない。俺は表だろうが裏だろうが何だって出来るけど基本は裏が得意な部隊なので、今回久遠が依頼した仕事もだろうけど。
「美濃に潜入して、稲葉山城の真偽を確かめる事と首謀者をを調べる事だな。あと他に気付いた事も調べておく。ひよところはイケるな?」
「「はい!」」
「と言う事で行ってくる、なあにすぐに戻ってくるさ。そう言う事で行ってきます」
「ああ、行ってらっしゃいだ」
という事で俺達は城を出たが、評定の間では俺の事を心配してくれてるらしいが心配するなと思って行った。朝食は既に食ってるからすぐに出発した。尾張清州から美濃までは1日かかるが、たまには能力を使わずにのんびり歩いて行こう。着いたのは夜だったので、宿に泊まって一夜を過ごした。そして次の日、ひよは町での聞き込みでころは俺と一緒に城に潜入まではいかないが様子見をする。で、早速任務開始で、合流は夜この宿でと言って分かれた。俺ところは城門前に来たが見つかると厄介なので、腰にある剣の能力で俺ところは透明になった。ころは気付いてないみたいだけど、門番に見つかるよりかはマシかなと思った。
「・・・・人の気配がほとんどありませんね」
「そうだな。清州だったらもっと賑やかだけどな」
「いるのは門番が一人。・・・・やっぱり何かあったのは事実のようですね。ところでなぜあの門番は私達の事に気付かないのでしょうか?」
俺は笑ってごまかした。城門から離れた俺達は、何か情報を集めなければと思い考えていた。
「やはり城に忍び込まないと無理だな」
「し、忍び込むんですかっ!?さすがにそれは・・・・今の装備だと無理だと思いますが」
「いや、俺一人で忍び込める。さっき門番がいい例だ、さっき俺達を見ていなかったのには理由がある。これだ」
と言って、透明の聖剣で俺自身を透明にして姿が消えた。ころは慌てたが、俺は目の前にいると言いながら姿を現した。
「お頭、心の臓が止まるかと思いました。ですがそれを使うと確かに忍び込めそうですね」
「だろう。だから忍び込める所がないか探して俺は潜入するが、ころは潜入した後隠れていてくれ」
で、今は一応山登りの装備にするために町に戻ってきたが、何だか静かだな。何となくだが活気がないような、それも嵐がきたら早く去ってくれみたいな感じだな。
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