ヘタリア大帝国
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TURN124 アンドロメダ星域会戦その二
「けれどかなりの数があるから」
「そうか、じゃあな」
「勝たないとね、いい加減」
エリザは微笑んでいるがそれでも目の光は強かった。
「負けっぱなしだから、けれどね」
「けれど?どうしたんだよ」
「いえ、植民地がなくてもエイリスはやっていけるわ」
ここでこんなことを言ったエリザだった、イギリスに対して。
「というか植民地が貴族達の利権の温床にしかなっていないわね」
「まあそのことはな」
「パルプナちゃんの話は聞いたわ」
エリザはイギリスにこのことも話した。
「酷いことになっていたらしいわね」
「あの娘だけじゃなかったけれどな」
イギリスも曇った顔で述べた。
「植民地の何処でもそんな話はあったさ」
「そうね、植民地経済も搾取されるばかりで発展しないし」
「叛乱鎮圧の為の軍隊の駐留も必要だからな」
「出費ばかり多くてジリ貧になるだけなのよ、植民地経営はね」
それでだというのだ。
「もういらないかも知れないわね」
「じゃあ植民地はか」
「もうその時代じゃなくて」
「エイリス本国だけでやっていくべきだっていうんだな」
「最近そう思いはじめてるけれどどうかしら」
「言いにくいな、どうもな」
先女王であるエリザにはというのだ、イギリスもそうした話はしにくかった。
「悪いな」
「そうよね、祖国さんとしてはね」
「ああ、そういうことはな」
「そうね、けれどもうエイリスが世界の盟主である時代も終わりかも知れないわ」
エリザは既に読んでいた、このことも。
「祖国さんはエイリスがもう一度インドカレーとかに戻れると思っているかしら」
「無理だな」
このことについてはだ、イギリスは条件反射的に答えた。
「絶対にな」
「そうね、インドカレーも完全に太平洋経済圏に入ったわ」
「太平洋の植民地もな」
「最初からガメリカ、中帝国に反対されていたし」
彼等は共に連合国だった頃から植民地の独立を真っ先に承認していた、全ては」太平洋経済圏の設立とエイリスの弱体化の為だ。彼等にとってエイリスは同盟相手でありながらそれと共に敵でもあったのである。
「ソビエトにもね」
「共有主義は植民地を否定するからな」
「そう、批判も多く」
「採算も取れないか」
「植民地政策はそうなっているのよ」
それが今だというのだ。
「かつては違ったかも知れないし私も今まで気付いていなかったけれど」
「そうか、じゃあな」
「ここで負けた方がいいかも知れないわね」
エイリスのことを本当に考えるのなら、というのだ。
「そうも思うわ」
「そうか、エリザさんまでそう考えるなんてな」
「セーラちゃんも気付いてると思うわ」
植民地政策の過ちにだ、聡明なセーラならというのだ。
「けれどあの娘がエイリスの政策の過ちを認めることはね」
「出来ないよな」
「すぐにはね」
「そうだろうな、あの人はな」
「貴族達も何とかしないといけないし」
その利権ばかり追い求める彼等もだというのだ。
「難しいところね、エイリスも」
「ああ、けれどな」
「それでもよね」
「アンドロメダでは勝つからな」
意地、それがあるからだ。
イギリスはエリザを見てだ、そして言った。
「やろうな」
「ええ、勝つわよ」
エルザも戦うからにはと考えていた、そのうえで。
将兵達を第六世代の艦艇に乗り換えさせていた、そうして枢軸軍の大軍を迎え撃とうとしていた。彼も決戦に備えていた。
その枢軸軍は北アフリカ、そしてケニアからアンドロメダに向かおうとしていた。まさに全軍でエイリス最後の植民地に侵攻せんとしていた。
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