とある蛇の世界録
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第九話
前書き
考えた結果、閑話はなしです。
後にまた。
リアスたちが目覚めると、白い天井が見えた。そのままボーっとしていると、横から声が掛かった。
「目覚めましたか、お嬢様」
ハッとして、声の方に眼を向ける。そこにいたのはグレイフィアだった。思わずグレイフィアに駆け寄る。
「ぐ、グレイフィア……」
「どうかされましたか?」
グレイフィアは顔色を変えずにそれに応答する。それに少し不信感を抱きながらも、グレイフィアに問いかける。
「コカビエルは?」
「……はい。おそらく、朧様が倒しました。コカビエルは息絶えたようです」
「そう……朧がきたの?」
「そうです?」
「朧はどこにいるの?」
「…………」
そのリアスの問いに、グレイフィアは黙り込む。それに最悪の想像をし、さらにグレイフィアに言い寄った。
「まさかッ! 朧が……」
「いえ、そういうわけでは……」
「じゃあ、何? どういうこと?」
さらにグレイフィアに言い寄ろうとすると、ドアが開きサーゼクスが入ってきた。
「お兄様ッ!」
「やあ。目を覚ましたかい、リアス」
「えぇ……それよりも朧はッ!?」
それに一瞬だけだが顔をゆがめ、サーゼクスは応える。
「今、朧くんは暴走しているんだ……」
「暴走? 朧が?」
「そうだよ……」
「なんてこと……」
それに呆然とするリアス。そこにまたドアが勢いよく開き、オカルト研究部の面々が入ってきた。
「部長ッ!」
「イッセーっ! 大丈夫ッ!?」
「はい。俺は大丈夫です」
それにホット一息つくリアス。
「それで? 朧はどうしたんですか?」
「……朧…」
「それも含めて話がしたいんだ、きてくれるね?」
サーゼクスに言われるがままに、一つの部屋へと入ったオカルト研究部の面々。その中には、椅子が三つあり、その中の二つには人が座っていた。
「サーゼクス……」
「連れてきたよ」
「はい……」
その残りの一つにサーゼクスが座り、三人が向かい合う形となった。
「お兄様、朧は?」
「それのことなんだけどね……」
グレイフィアに声を掛けると、グレイフィアは大きなモニターに電源をつけた。そこに映されたのは、駒王学園で壮絶な戦いを繰り広げる朧らしき男と、褐色色の肌をした少女の姿だった。駒王学園は、跡形も無く壊れているが、その風景はリアスたちにとって見慣れたものだった。
「これは……」
「ソーナくんの話によると、朧くんはリアスたちが倒れた後に現れたらしい。それらしい影を見たと言っていたからね」
「この、朧と戦っているのは……?」
「そいつはニーズへックつーんだが」
リアスの問いに答えたのは、三つの椅子に座るうちの一人。堕天使総督・アザゼルだった。
「だが、あいつが出てきたっつーことは、不味いことなんよな……」
「はい、それにアジ・ダハーカのこともありますし……」
三人揃って溜息をつく。
その中でも、画面の中の戦いは熾烈を極めていた。
赤く脈動する固有結界『アジ・フロイライン』の中。完全に崩落した駒王学園にて、ニーズへックと朧の戦いは続いていた。
ニーズへックの片腕が、朧の持つ聖剣・『クロムダスク・リリィ』によって吹き飛ばされる。それはもはや蹂躙だった。ニーズへックも反撃をするが、それは朧にとどかない。攻撃の全てが、突然現れる白い花弁に吸収されるのだ。
「クソっ! 何だその聖剣はッ! そんなもの、私は見たことが無いぞッ!」
「………………」
ニーズへックの問いかけにはもはや答えない。応えられる状態ではないのだ。
その応えの代わりと、ニーズへックの四肢に蛇が巻きつく。
「邪魔を、するなぁッ!」
その蛇たちをなぎ払う――なぎ払ってしまった。その一瞬の隙を、最強が見逃すはずも無かったといのに。
「ッ!」
朧の持つ聖剣から、大きな白い花が現れたのだ。その中から、真っ黒なツルが飛び出て、二ーズへックの身体を貫いた――が、痛みはなかった
「なに、を…………は?」
不審に思ったのもまた一瞬だった。突如、ニーズへックの体中から血が吹き出たのだ。だが、痛みはない。なんなんだ? これは…………。
そんな中、分かったことは一つ。
「――貴様ァッ! また私の邪魔をするのかァッ!」
最後のニーズへックの叫びにも、朧は応えない。
そのまま、ニーズへックに止めを刺そうと近づいた――が、
それは、突然現れた二つの影に阻まれる。すさまじい力で両腕を絡められ、身動きを止める。
「母様。ニーズへック、ころしちゃダメ」
「お父さん。『ラグナロク』にニーズの力は必要だよ」
朧の子供。
オーフィスとマユだった。
後書き
さぁ、朧vs子供達も佳境に迫ってきました。
これ、もう殆んどノリで書いてます。自分が何を書いているのかも考えてません。
おそらく後二、三話でエクスカリバー編は終わります。もはやエクスカリバー関係ないですけど……
それでは次回も、おねがいします
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