レインボークラウン
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第九十四話
第九十四話 演奏してみて
七人で一曲演奏してみた、それぞれの楽器を使いヴォーカルまで入れてだ。そうしてそれが終わってからだった。
華奈子はだ、笑顔でこう言った。
「いいんじゃない?」
「そうよね、これでね」
「いいと思うわ」
赤音と春奈がその華奈子に答える。
「息も合っていてね」
「演奏のレベルもよくて」
「というか亜美ちゃんってね」
「そうよね」
美樹と梨花も言う。
「はじめてとはね」
「思えないわ」
「そやろか。ちょっとうちは」
どうかとだ、亜美は自分の耳に従ってそのうえでだった。
微妙な顔でだ、こう言うのだった。
「まだ合ってないと思うけど」
「そう?私もいいと思うけれど」
七人の中で最も音楽センスがある、元々フルートでコンクールまで出ている美奈子もこう亜美に言うのだった。
「これで」
「そやろか」
「ええ、普通にね」
「うちはあまり」
自分ではだ、そう思えないと言う亜美だった。
「そうは」
「気にし過ぎじゃないの?」
華奈子はこう亜美に言う。
「普通にいけてたわよ、亜美ちゃん」
「そやったらええけど」
「うん、演奏上手だったし」
「うちはじめたばかりやから」
そのことを原因として言う、亜美はそのことがどうしても気になる感じであった。
「そのせいちゃうか」
「だからはじめてとは思えなかったけれど」
「そやろか」
「これから練習していけばいいわよ」
七人でだ、華奈子はこう言ったのだが。
しかし亜美はだ、こう言った。
「うち練習するわ」
「そうするのね」
「皆に早う追いつくわ」
これが亜美の考えだった。
「練習して」
「皆で練習していった方がいいんじゃないの?」
「そう思うけれど」
赤音も言う、しかしそれでもだった。
亜美は六人を意識してだ、どうしてもだった。
「まだや、まだうちは」
「どうしたものかしらね」
華奈子も今はこれだとは言えなかった、それで亜美に答えを言えなかった。それはクラウンの他のメンバーもだった。
第九十四話 完
2013・12・29
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