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ヘタリア大帝国

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TURN123 モンゴメリーの決意その七

「チキンカレー、それにライスですか」
「そうたい」
 インドが微笑みで答えてきた。
「エイリスでは主食はパンたいな」
「パンにつけて食べるものです」
「そうたいな、シチューの様に」
「ライスで食べることは知っていましたが」
「チキンカレーもたいな」
「ヒンズー教だからですね」
 ヒンズー教徒は絶対に牛を食べない、この宗教では牛は神聖な神獣だからだ。
「牛は決して」
「それでチキンカレーたい」
「ライスの、そして」
 まだあった、このカレーには。
「スプーンではなくですね」
「手で食べるたい」
 見れば一行のどの席にもスプーンはない、事前に手を洗うボールがあるがそれ以外には何もなかった。無論箸の日本の席にもだ。
「かつての欧州と同じたい」
「ははは、そうですね」 
 インドの今の話にだ、モンゴメリーは笑って応えた。
「かつては欧州も手でした」
「フォークやナイフを使っていなかったたいな」
「スプーンはありましたが」
 スープに使うだけだ、もっと言えば皿もなくパンをそれに使っていた。
「そうでしたね、我々と同じですね」
「じゃあ指で食べるたいな」
「はい」
 そうするとだ、微笑んで答えたモンゴメリーだった。
「そうして」
「一緒に食べるたい」
 インドカレーの本来のカレーをだというのだ。そしてそのカレーを指で食べてこう言ったモンゴメリーだった。
「美味しいですね」
「そうたいな」
「これが本来のカレーですか」
「インドカレーのカレーたい」
「ライスとここまで合うとは」
「本来は米、それもインディカ米に合うものたい」
 インドカレーの米はインディカ米だ、大抵の国がこの米で日本等少数の国がジャポニカ米なのだ。
「だからたい」
「ここまで美味しいのですね」
「それでチキンカレーたい」
 宗教的な理由でだ。
「そうなるたい」
「ですか」
「じゃあどんどん食べるたい」
 笑顔で言うインドだった、モンゴメリーもそれに応え。
 そのカレーをさらに食べた、まずはカレーからだった。
 町や村を見る、やはりインドカレーでももう威張り散らし搾取するだけのエイリス貴族はいない。そしてインド人達が自分達の国、自分達の為に働いていた。
 その彼等を見てだ、モンゴメリーは案内役のインドカレー首相クリオネに言った。
「インドは発展していますね」
「そうなのよ、これがね」
 クリオネはモンゴメリーに笑顔で答える、そして言うことは。
「一年の経済成長率がね」
「どれ位ですか?」
「二桁よ、二桁」
「それが凄いですね」
「十四パーセントね」
 それだけだというのだ。
「太平洋の平均が十一パーセントでね」
「それ以上ですか」
「凄いでしょ、これからはインドカレーの時代よ」
「かつてはその富を搾取されるだけでしたが」
「その搾取されていた富がね」
 どうなっているかというのだ、今は。 
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