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ヘタリア大帝国

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TURN123 モンゴメリーの決意その一

               TURN123  モンゴメリーの決意
 モンゴメリーはベトナムからマレーの虎に入った、そこにはマレーシアとインドネシアがいた。二人はまず案内役の日本にこう言った。
「あの、まずはです」
「バリに案内しようと思っていますが」
 こう日本に提案したのだ。
「そう思っていますが」
「どうでしょうか」
「いいですね」
 日本もバリ行きに賛成した。
「それでは」
「はい、それでは」
「今から」
 二人も応えてだ、そうしてだった。
 モンゴメリーは今度はバリに案内された、そこで鮮やかなバロンダンスを観た。仮面と衣装を身に着けた踊り子達が二つに分かれて踊っている。
 そのバロンとランダのダンス全体を観てだ、モンゴメリーは言った。
「ただ見事なだけでなく」
「他にもですね」
「素晴らしいものがあるというのですね」
「はい、このバリにも観光客達が多いですが」
 バロンダンスを観ている彼等である。
「彼等もまた」
「様々な国から来ていまして」
 インドネシアが応える。
「そしてです」
「皆同じなのですね」
「インドネシアも独立国でして」
「来ている彼等もですね」
「はい、皆です」
 独立国から来ているというのだ、同じ立場の。
「貴族もいません」
「そうですね」
「それで観光産業もです」
 ベトナムと同じく、というのだ。
「栄えています」
「素晴らしいものですね」
「勿論他の産業もです」
「発展しています」
 インドネシアだけでなくマレーシアもモンゴメリーに語る。
「豊富な資源を利用しまして」
「農業も日本さん達から新しい技術を導入しました」
「工業も軌道に乗っています」
「生産量は植民地時代の倍以上になっています」
「全く違うのですね」
 このこともわかったモンゴメリーだった、マレーも一変していた。
 そしてラスシャサに会ってもだ。かつてはエリリスに敵愾心を剥き出しにしていた彼女も。
 明るい笑顔で軍の訓練を行っていた、マレー軍の動きはキビキビとしていた。
 その動きもまた、だった。モンゴメリーが刮目するものだった。
「いや、動きが違うます」
「これまでとはだな」
 そのラスシャサがモンゴメリーに応える。
「違うな」
「かつての彼等には覇気がなかったですが」
 無気力だったのだ、植民地の頃の彼等は。
「それがここまで見事な動きを見せるとは」
「マレー軍になったからだ」
 彼等の国の軍にだというのだ。
「そうなったからだ」
「それでなのですね」
「植民地軍は所詮使われる立場、エイリス軍から観ればあくまで補助戦力であり手駒だな」
「はい、確かに」
「しかし今は違う」
 独立した今現在はというのだ。
「祖国を守る軍でありだ」
「そしてですか」
「使われる立場ではない、だからだ」
「誇りがある故に」
「私達は変わった」
 ラスシャサもその青い目で前を見つつ語る。
「祖国さんと共に何処までも行く」
「独立国の軍として」
「そういうことだ、好きなだけ観るといい」
 マレー軍、つまり自分達をだというのだ。
「我々をな」
「はい、それでは」
 こう話してだった、そうして。
 モンゴメリーはマレー軍も観た、彼等はエイリス軍と同じ様に誇りがあり鍛えられた軍だった。近代国家の軍がそこにはあった。
 モンゴメリーはそれを観てから今度は四国に入った、そこでは。
 エイリスから来た者達と現地民達が共に暮らしていた、このことはかつての四国と同じだ。だがそれ以上に。
 和楽があった、やはり誰もが平等だった。大怪獣も植民地であった頃よりも穏やかに見えた。 
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