『曹徳の奮闘記』改訂版
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第十三話
俺とクロエは昼メシを食べるために街に来ていた。
本当は城の中にも食堂はあるんだけど、給料から引かれるし意外と高いんだよなこれが。今度、値下げの直訴でもしてみるか?
そこら辺は大阪の血が騒ぐのか、城下街の料理屋で食べている。
「さて、クロエは何を食べる?」
「パスタとかあれば嬉しいんだが、生憎無いしな」
「まぁそれは仕方ないよなな」
「それに、パスタとかパンを食べていたからこういうのはあまり食べてなかったからどれが美味いか分からないからな」
「なら適当に頼むか。お姉さぁん、ラーメンの大盛り二つに焼き飯一人前ね」
「ハッハッハ。お姉さんとは嬉しいね。チャーシューを追加で入れといてやるよ」
おばちゃんが豪快に笑いながら言う。
「あんがとねー」
「お前は誰とでも仲良くなれるな……」
「まぁ何回も出入りしてたらそうなるわ」
「はいよお待ちッ!!」
そこへラーメン大盛り二つと焼き飯一人前が来た。
「ほんじゃま、食べるか」
「そうだな」
うん、いい匂いだ。
「アーーーッ!! 隊長なのッ!!」
「お、クロエもおるやんけ。デートてやつなんか?」
そこへ、真桜と沙和が来た。
ちなみに、凪達の義勇軍は街の警備隊に編入されており、警備隊隊長には俺が就任して凪達は俺の部下になっている。
後クロエとロッタもな。
ちなみに俺とクロエは今日は休みだからな。
そして真桜と沙和は両手に大量の袋を持っていた。
「デ、デートだとッ!?」
おいクロエ、顔を真っ赤にするなよ。
「お前らこそ何をしているんだ? 今日は警備している日と違うのか?」
「「ア、アハハハハハ………」」
……成る程な。
「サボりか」
「「ウ………」」
やっぱりな。
「お前らな、少しは仕事に熱中しろよ」
「だって毎日毎日見回りやねんで?」
「いくら私達でも飽きちゃうの」
そう言いつつ、肉まんを食べている。
「俺は知らんぞ………」
そう、真桜と沙和の後ろにはかなり怒っている凪と同じく怒っているロッタがいた。
「「……真桜ぅ……沙和ぁ……」」
「「ッ!?」」
ぁ~死んだなあれは。
「クロエ、退避だ」
「うむ」
「ちょ、隊長ッ!! それは無いでッ!!」
「そうなのッ!!」
「真桜……沙和……諦めろ……」
「「酷いッ!!」」
「何をサボっているんだーーーッ!!!」
「「ギャアァァァーーーッ!!」」
南陽に二人の悲鳴が響いた。
「隊長ぉ~。何で助けてくれへんのや~」
「隊長酷いの」
「いやお前らがサボるから悪いんだろ」
夜、俺はあの後から二人にグチグチ文句を言われている。
「……給料、二割下げるぞ」
「「全力で働かせていただきます(な の)ッ!!」」
俺の言葉に二人が頭を下げた。
やっぱこの言葉は二人を働かせる口実だな。(駄々こねる時に使うか)
「全く……ん?」
中庭を通ると、趙雲が酒を飲みながらツマミとしてメンマを食べていた。
「よぅ趙雲。月を見ながらの酒か?」
「これは王双殿。そうですな、今宵はいい満月ですぞ」
確かに綺麗な満月だな。
「美味そうなメンマだよな?」
「ほぅ。王双殿はメンマの良さが分かります か」
「まぁメンマは好きな部類に入るな」
「おぉッ!! 漸くメンマ好きな人間と出会える事が出来ましたぞ」
「……分かったからそんなに興奮するな。それと胸が当たってるから」
「おっと、これは失礼。メンマ好きがいると話しが進むので」
まぁ好きなのが共通している奴がおると話しが進むからな。
「ちょっとだけ付き合うか」
「これはこれは、かたじけないですな」
それから俺と趙雲は約三刻程飲んだ。
「頭いてぇ~」
俺は頭を右手で押さえながら廊下を歩く。
「ちょっと飲み過ぎたな。てか、趙雲は酔ってなかったよな………」
意外と強いな……。
「あ、あそこ行かな……」
俺は頭を押さえながら鍛冶屋に向かった。
「こりゃぁ王双隊長。朝からご苦労様です」
「おぅ」
鍛冶屋の店員が俺に挨拶をしてくる。
「んであれは出来たのか?」
「あ、はい。隊長から貰った書簡を見て作りました」
店員は俺に袋を渡す。
袋の中は黒い粉末があった。
「これがあったら火計とかやりやすくなるだろうな」
俺は黒い粉末を見ながらそう言った。
後書き
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