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久遠の神話

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第七十五話 避けられぬ戦いその十一

 工藤はここであることに気付いた、その気付いたことはというと。
「そして戦いの存在のことも」
「気付いています」
「アメリカ政府でも中枢しか知らないことをか」
「そのことを知る能力があり尚且つ危険を理解しています」
「それだけでも相当な人物であることがわかるな」
「今の大統領はどうということのない人物です」
 そのスキャンダルや失言にまみれ自分達のことしか考えていない大統領はというのだ。
「むしろアメリカの歴代大統領の中でも」
「かなりレベルが低いか」
「私はそう見ています」
「それでは勝てる筈がないか」
「前回の選挙は彼のことをまだよく知らない国民が選んでしまったのです」
「知事としては失点がなかったからな」
 その頃は過不足がなかったのだ。それに加えてネオコンの資金力とかつてアメリカ政界の大物だった父の存在もあった。
「普通の知事でした」
「馬脚を表さずに済んだか」
「幸運なことに」
「しかしだな」
「はい、ですが大統領になり」
「一気にそれが出たな」
「支持者はネオコンか全く無知な人だけです」
 アメリカ国内ではそうだ、そして国外では。
「無知無学浅慮なです」
「日本の似非保守だな」
「彼等位でしょう」
 智子も彼等については否定的に述べる。
「ネットで言っているだけの」
「最近はネットからも出て来ているがな」
 工藤は彼等の現実の世界でも行動について忌々しげに述べた。
「ヘイトスピーチをしているな」
「ああ、新大久保とかの」
 高橋も応える、工藤の言葉に。
「あれですね」
「ネットでの書き込みをそのまま言っているな」
「あれは正直言って嫌ですね」
「知性も品性もない」
 こう言ってだ、工藤は彼等のことを否定するのだった。
「全くな」
「あれで愛国とか言われてもですね」
「正直言ってな」
「はい、その言葉に賛成出来ないですね」
「彼等は客観性がない」
 主観だけだ、そこあるものは。 
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