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久遠の神話

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第七十五話 避けられぬ戦いその四

「ネットでよくいますけれどね」
「2ちゃんねるでもツイッターでもな」
「ええ、何処でも空気読まずにそうした書き込みばかりしますね」
「奴等の実際の素性なぞどうでもいい」
 彼等が正社員だろうがフリーターだろうが学生だろうがだ、工藤は彼等のそうした身の上については何の興味もなかった。
 だが、だ。彼等の思想についてはこう言うのだった。
「奴等が問題であることは無知、無学で偏見の塊だということだ」
「それがですね」
「俺が奴等を嫌う理由だ」
「そういうことですね」
「そういう偏見の強い奴に限って自分達が差別されると騒ぎだす」
 これは世の常だろうか、差別をする人間こそが差別されると怒り狂う。自分達のことになるとそうなるのだ。
「滑稽だな」
「ですね、それじゃあですよね」
「権力も富も持っていないだけでな」
「ネオコンと同じですね」
「より下等かも知れない」
 工藤はネットで騒いでいる彼等をこの言葉でばっさりと斬り捨てた、彼の持つ剣と同じだけの威力でそうしたのだ。
「自分のことしか考えずダブルスタンダードで偏見の塊で無知無学だ」
「そういう奴もいるんですね」
「何処でもな、それでネオコンだが」
「ええ、奴等の目的はですね」
「ここで切れるべきだ」
 完全に、というのだ。
「今度の大統領選挙でな」
「そういえばネオコンはアメリカ国内でも嫌われているそうですね」
 支持を失ってきているというのだ。
「そうですよね」
「らしいな、当然だがな」
「アメリカ国内でも滅茶苦茶をしているからですね」
「一部の人間だけが肥え太る様な政治ではな」
「支持されないのも当然ですね」
「一部はいい」
 その肥え太る者達はというのだ、アメリカの人口の一割程度だとも一パーセントしかいないとも言われている。
「だがその殆どにとってはな」
「とんでもない政治ですね」
「選挙は忠実だ、一人一票だ」
 どんな金持ちでもだ、資金は出せるが票はなのだ。
「それではな」
「今の大統領は落選ですね」
「そうなるだろうな、それこそ暗殺でも仕掛けない限りな」
「してきますかね、まさかとは思いますが」
「しくじり公になれば終わりだな」
 リクスは大きいというのだ、それは暗殺等の謀略についてもだ。ただ仕掛けてノーリスクとはいかないのだ。
「それでな」
「確実に落選ですね」
「今の時点で既にだがな」
 相当危ないというのだ。
「それが絶対になる」
「じゃあ暗殺を仕掛けることは」
「まずないだろう」
 リスクが大きいからだ、失敗した時の。
「それに今の大統領候補が死んでもな」
「それでもですよね」
「アメリカは副大統領がいるからな」
「副大統領候補ですね」
「その人もな」
 その大統領候補と一緒に選ばれる彼もだというのだ。
「大統領候補の同志だからな」
「反ネオコンですね」
「だから」
 それでだというのだ。 
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