切り開く為の力
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猶予一週間 弐
前書き
これって、多重クロスだったけ?
「死神………!!」
俺は強盗達に向けてそう言った。
「貴様があの………」
「死神様ねぇ~」
女の子を持ち上げていた強盗Aはこちらに向き………
「噴ッッ!!」
無造作に女の子を投げてきた!
「キャアァァーー!!!」
俺はその女の子をガッチリと受け止めたが、勢いが強すぎて俺まで吹き飛ばされた。
「グッ!」
近くの壁にぶつかり、結構な痛みが体を駆け回った。
「アンタ、大丈夫?!」
どうやら女の子は無事のようだ……
「あぁ、無事だ」
俺は少し笑みを浮かべて立ち上がり、鋏を構えようとしたが………
ーー……無いだと!!?
あわてて辺りを見ると…………あった、強盗の近くに………
ーー………最悪だ
俺は吹き飛ばされた時に手放しはしなかった(腕に縛っていたから)長方形型の箱を開けた。
中には、戦国無双の雑賀孫一が使っていた最終武器『星陽八咫烏』と説明書が入っていた。
「何してんだよ!!」
その説明書を読もうとしたら、強盗Bが火の玉を放ってきた。
「チッ!こっちだ!!」
俺は女の子の手を取り、急ぎ近くの柱に隠れた。
火の玉は俺たちの居た所で燃えていた。
「おいおい、隠れてないで戦おうぜ!!」
俺はその言葉を無視して、説明書を読んだ。
ーーえっと……何々……こうなってるのか
説明書を読み上げ、女の子の方を向いて質問した。
「君ってさあ、IS乗り?」
その問いに
「えぇそうよ。」
「だったらさ、少しだけあいつらの相手をしてくれないか?」
女の子は頷くとすぐにISを展開した。
ーー大体は形って似てるんだな
俺はその子のISを見ながらそう思った。
そして、女の子が壁から出ようとしたときに
『待ちたまえ』
男の声が銀行内に響いた。
ーーこの声は…何で!?アイツは今、外国で悪魔狩りをしてるんじゃないのか!?
俺にはその言葉がよく聞いたことある、馬鹿野郎の声と直ぐに解った。
「あぁぁ!どこに居るんだ!出てこいよ!!」
「今いるのは、俺たちと君たち……そして人質だけなんだけどな~?」
強盗達がこちらを向いて訊いてきた。
「私が知る訳無いでしょ!?」
ーーめっちゃ心当たりがあるからなぁ~
俺の心配をよそに男の声は続いていく……
『全く、死神君はもう少し味方を頼れと何回言ったら………』
「いや、その事は謝るがお前がこっちに来てるなんて訊いてないぞ!12th!?」
俺は声の名前をいうと……
『ハハ、嬉しいなぁ。君は私の名前を覚えていたなぁ、三年も会ってないのに流石だ!』
「そりゃドーモ」
12thと呼ばれた男は少し笑うと
『それでは、気分も良いし手伝ってあげるとしよう!』
ーーヤッバ!!!
「IS乗り!直ぐに耳を塞げ!!」
女の子は訳が解らないと言う顔をしながら、耳を塞いでくれた。
ちょうど、その刹那
『さぁ、ショータイムだ』
12thの声と共に………
パチンッ!!
12thは指をならした。
『『『ガアァアァーーー!!!』』』
そして、人質にとられていた一般人たちは唐突に体を縛っていたロープをちぎり
『さぁ、奴らを……殺せ』
12thの言葉と共に、強盗達に襲いかかった。
「……な、何なのよ!あれは!?」
女の子は俺の肩をグワングワン揺らしながら訊いてきた。
「あれは催眠術って言うやつだ」
俺はぐったりしながら答えた。
『さぁ、これで君の援護をしよう。存分に殺りたまえ!』
俺は女の子を隠れさせ、星陽八咫烏を装備して
「事故処理は任せて良いんだな?」
『安心したまえ、既に手配はしている』
「それじゃあぁ、殺りますか!!」
俺は壁から出て、星陽八咫烏を強盗Bに向けて撃った。
「チッ!食らうかよ!!」
強盗Bは炎の壁でその銃弾を溶かして
「お返しだ!燃え散れ!!」
そのまま、火の玉を四つ撃ってきた。
「くたばれえぇー!!」
「IS乗りの女の子……ちょっと、目を瞑っとけよ?」
俺はその火の玉を全部避けて、撃った。
「食らうかよ!」
だが、また炎の壁で銃弾を溶かした。
「それじゃあ、こいつはどうだい!!」
星陽八咫烏を構えて
「行くぜ!!」
また撃った。
「食らわねぇって言ってるだろうが!!」
強盗Bはまた炎の壁を出した……
が
「な、何で溶けねぇんだ……よ」
その銃弾は溶ける事なく、強盗Bの眉間に命中した。
「俺の弾丸からは逃れられない……ぜ?」
俺はその死体に目を向ける事なく、今度は強盗Aに向けて撃った。
「よくも俺の仲間を………ぶっ殺す!!」
強盗Aは俺の銃弾が当たったのにも関わらず周りの人質達を凪ぎ払いながら突進してきた。
俺はその姿を見て星陽八咫烏を構え
「サヨウナラ……また何処かで会いましょう……」
そして、
「くたばりな!!」
なん十発もの銃声が聞こえて、後に残っているのは俺と上半身の無くなりその場に血の池が出来ている強盗Aの姿だけだった。
「あっ………やりすぎたか………まあ良いか」
「良くないけどな」
俺の目の前に全身黒タイツの顔にはカラス避けの一つ目マスクをした変態が出てきた。
「いつみても………何でもない、どうしてここにいるんだ?12th?」
12thは俺の肩に腕を回し
「ここでは何だから、静かな所へ行こう」
そう言って、12thは催眠を解き裏口から銀行を出た。
~1時間後~
ここは、IS学園の俺の部屋、
「それじゃあ、他の悪魔共は……」
「うむ、日本に集まりつつある」
「それでアメリカ担当のお前が」
「此処ですることになった」
テーブルを挟んでコーヒーを飲みながら12thは理由を教えてくれた。
「一応、君の判断に従おうと思ってね……」
「12th、頼みたいことがあるんだが」
「何かね?」
俺はコーヒーを飲み干し
「ある女の子の調査をお願いしたい」
「わかったよ、友である君の頼みだ。その代わり、二日間待っててくれないか?」
「ありがと、出来るだけ頼む」
12thは頷き、コーヒーを飲み干すとそのまま、帰っていった。
キャアァーー!!ヘンタイヨー!!
チガウッ!!ワタシハセイギノミカタダ!!
ーー………何やってんだか……
俺はベットで寝転ぶとそのまま、眠りについた。
後で知ったのだが12thボロボロの状態で仮拠点に着いたらしい。
後書き
バトルシーンってむずいよね
ーーーーー
用語集
「星陽八咫烏」
元ネタ
戦国無双・雜賀孫一の最終武器
先端に刃もついていて、接近戦でも使える。後は原作と同じ。
12th『平坂黄泉』
元ネタ
未来日記のキャラクターの一人
サバイバルゲームで由乃に殺されたが、強く正義を望んだためか天国と現世の間でさ迷っているのを霧瀬が見つけて、組織に引き入れた。
活動するときは全身黒タイツに一つ目マスクなのでよく変態と間違えられる。
後は原作と同じ
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