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ドラゴンボールIF

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託された名の重みを背負って老人は戦う・・そして若き戦士も戦場に姿を現す





 ・・・それはありえたかも知れない
ある未来出来事・・・


  ・・・余りにも悲しく余りにも救いのない
心優しい家族の物語だった・・・


国王「・・・そうじゃったのか・・それが
真実であったのか 長く辛い旅だったん
じゃな・・ふぅ 儂等人間は何という
罪深い生き物なのだ 神は何処まであの
者達から幸せを奪おうとするのじゃ」


国王は自分の所に送り届けられてきた
二冊の日記を見ていた


それは最後まで幸せを願い懸命に生きた
ある家族の物語


日記の主はドクターゲロ そしてホープと
スピアと記されていた

国王は直ぐに理解した これは何処かで
運命の別れた可能 性の未来の出来事なのだと


そしてこれの送り主はカプセルコーポ
レーションのブルマ 
つまりは未来の彼女からのメッセージ


本来は未来から人造人間打倒の救援の為に
この時代に来ている筈の彼女の息子である
トランクスに届ける筈だった


それが何故か手違いで自分の所に来て
しまったのだ


しかしと国王は思った この二冊の日記が
自分の所に来たのは間違いなのでは無く
運命だと


自分はこの為に此所に居るのだとそう思った
国王は優しく日記に語りかける 


国王「悲しく辛い旅じゃったろうな 
君達は幸せになりたかったんじゃな・・・
その想いしっかり受け取ったよ」


自分のやるべき事を理解した国王の瞳に
最早迷い は無かった


国王は決意した表情で電話を取る


国王「・・・私だ すまないが大至急
準備を頼む・・ああそうだ内容は・・
(これが儂の国王としての最後の勤めじゃ
全てが終わったら あの家族と世界を
危険に晒した責任を取らねばならんな)・・」


・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・・  


  ・・・武天を継ぐ者 その名の重み・・・


  ・・(「兄者話がある  なんだてめぇか
今更何しに来やがった 俺とてめぇは当に
袂を別ったんだ もう無関係の筈だろうが
  お主に武天の名を返しに来た 儂には
もうその資格はない  はぁ?何言って
やがるんだてめぇは  弟子を正しく
導けなかった責任を取らねばならん 
儂は明日悟空を殺す そんな儂が武天を
名乗る訳にはいかん  ・・・・亀 
 それに本来なら武天はお主が名乗る筈
じゃった名前じゃからのう これで良いん
じゃよ  ・・・お断りだよこの腰抜けが
  何を言うんじゃ鶴!?  てめぇに
資格がねぇってんなら俺は尚更だろうが
武天はてめぇの名前だよ  鶴・・」)・・



孫悟空よりも一足遅れて戦場に辿り着いた
武天老師が見たものは無残に殺された
プア―ルとヤムチャの亡骸であった


孫悟空「行くぜッ! 老いぼれ!!」


武天老師「・・来るがよい悟空」


助けられなかった事に嘆き後悔しながらも
涙を堪え 武天老師は嘗ての愛弟子に
己の手で引導を渡す事を決意する


武天老師「 それが愛弟子のお主に対する
せめてもの罪滅ぼしじゃ」


  ・・・喜ぶ者は誰も居なく 救われる者も
誰も居ない 悲しき師弟対決が始まった・・・


孫悟空「おらぁあああ!!」


武天老師「ふぅう!!」


自分と相手の戦闘力の差は明らかだ 
孫悟空は勝利を確信し余裕の表情で武天老師に
攻撃を繰り出す  


しかし相手を貫く筈の己の拳はあっさりと
空を切る


孫悟空「なっ・・んだと?・・ちぃっ!!」


武天老師「どうした・・それで終わりか悟空」


相手を殺す筈だった自分の攻撃はたったの
一つも当たらなかった


驚きのあまり呆けた表情になる孫悟空に
武天老師がその隙を見逃さず接近する


武天老師「儂は しかと教えた筈じゃぞ悟空よ
戦いの優劣とは総合的な戦闘力で決まる
ものでは無い・・本当に必要なのは精神 
技術 肉体それ即ち心技体の精神の賜物こそが
真の強さと知れぃい!!」


孫悟空「ぐわああああ!!」


そして武天老師の強烈な一撃が決まり
孫悟空は堪えきれずに吹き飛ばされる


それを見ていた誰もがその光景に見惚れていた


ホープ「おじいちゃん凄い・・かっこいい」


スピア「うん・・・・なんだか凄く綺麗」


レッド「おお・・この御方が・・・この
御方こそが」


武術を極めんとする者なら誰もが一度は憧れ
その背中に追い付き目指そうとする


伝説は謳う 嘗て数百年前この地に拳聖と
呼ばれた武道家が居た その武 道家の
名前は無泰斗


そして彼には己の全てを叩き込んだ二人の
兄弟弟子が居たと言われている


無泰斗は二人の弟子と共に世界を絶望へと
覆い尽くそうとした恐ろしい闇と戦い世に
平和をもたらした


その一人こそが今我々が見ている武神 
武天老師


武天老師は無様に倒れ伏した孫悟空に
冷徹な瞳と厳しい口調で語りかける


武天老師「悟空よ 今のお主は力に魅入られる
あまり武道家として一番大切なものを
失ってしまった それは心じゃ・・・
心無くして人は前には進めん 今のお主は
強い力を手に入れて暴れているお伽話の中の
孫悟空と一緒じゃ そんなお主に得られる
もの等何一つ無いと知れ!!」


孫悟空「言ってくれるじゃねえか爺が
意気がるのは未だ早いぜ!! りゃああ!!」


武天老師「来い悟空 久し振りに稽古を
つけてやる」



そして再び二人のぶつかり合い始まる


孫悟空「おららららららららら!! 
りゃりゃりゃりゃああ!! 「甘い!!」
ぐはぁああ!! 畜生何故当たらねぇ!!」


武天老師「ふぉふぉふぉふぉ こうしてると
あの頃に戻ったようじゃのぅ 悟空よ
お主の全てを儂に見せてみよ!!」


孫悟空「ほざくなっ 老いぼれがぁああ!!」


悟空が無我夢中で攻撃を繰り出せば 
武天老師は危なげなくやり過ごし 悟空に
痛烈なカウンターを与える


その光景を知る人が見たなら それは
まるで昔に戻ったように見えた事であろう


只が むしゃらに強くなりたいと願った
修行時代 その光景はその時から何も
変わってはいなかった


しかしそれは上部のみ 悟空と打ち合う
武天老師の表情に浮かぶのは 弟子に対する
痛ましさだけだった


孫悟空「貰ったぜっ うりゃあああ!!」


ドゴォオオン!!
武天老師「ぬぅう!?」


軈て幾度目かの攻防で 遂に悟空の拳が
武天老師の胸板に凄まじい破壊音と共に
めり込んだ


孫悟空「ふへっへ・・どうだ老いぼれが
もう決まりだろうが・・何!?」


武天老師「・・・何じゃこのなまっちょろい
攻撃は? こんな蚊に刺されたような
攻撃で儂を殺すつもりか?」


孫悟空「くそっ まぐれに決まってる
ならもう一度だぁああ!!」


武天老師 「効かんわぁあああ!!」


孫悟空「ぐわっはぁあああ!!・・はあ
・・はあっ・・何故だ・・何故俺の拳が
通じねぇんだ」


武天老師の不意を突いた一撃に 思わず
膝を突きながらも悟空は信じられない
表情で武天老師に訪ねる


武天老師「・・・本当にわからんのじゃな
哀れじゃよ悟空・・今のお主は憐れ過ぎて
見ておれんわ 今のお主では儂は愚か
ピッコロやベジ―タは当然の事 クリリン達
さえも倒せんよ」


孫悟空「何だと!? ふざけんな爺が!?
てめぇも直ぐにクリリン達に合わせて
やるよっ 食らいやがれ かめはめ派ぁ
ああ!!」
ドゥオオオン!!


武天老師「効かんと言うておろうがぁ
ああ!!」
ズバァアアア!!


孫悟空「馬鹿な!? 俺の全力のかめはめ派を
正面から切り裂いただと!?」


己の有りとあらゆる攻撃を防がれ 今度こそ
打つ手なしと意気消沈する悟空に武天老師は
涙を流し絶叫する


武天老師「何も感じんのじゃよ悟空っ
今のお主からは嘗てのような魂の輝きが
何も感じられんのじゃよ!! そんな
お主に殺される程 儂が認めた実の兄から
託された武天の名は軽くはないわ!!」


孫悟空「爺っ!!」


  ・・(「しかし鶴よ 儂はお主に
認めてもらうような武道家ではないんじゃよ
  ったくよ昔から真面目すぎんだよ
てめぇはよ 俺達四人姉弟の中でもよ
てめぇだけは何時も正論ばかり振りかざして
たよなぁ  あぁそうじゃったなぁ・・
結局儂はあの頃から何一つ成長しておらん
のじゃな  それで良いんだよてめぇは
  鶴?  そんなてめぇだから無泰斗様も
認めたんだろうがよ そんなてめぇだから
皆がお前を慕って集まるんだよ  鶴っ 
しかし儂はっ 儂は!!  ・・なぁ亀よ
二人で約束したよな 何時かきっと天を掴む
武道家になろうってよ その時は二人で
天を掴む武道家 武天になろうってよ
・・覚えてるか?  あぁしっかりと
覚えておるよ  なぁ亀よ お前は俺の
自慢の弟だ もっと胸を張れや 俺が
保証してやるよ てめぇは最高の武天だってな
  !?・・兄ちゃん!?  だから
もう二度と迷うんじゃねぇ!! 全てを
背負って前に進め!! そして無事に
帰って来いや   ・・・承知したよ鶴
必ず帰って来るとも  それで良い・・
さぁもう行きな 姉貴にも会って行くんだろ
  うむ それではの・・ありがとう
兄ちゃん  下らねぇ事気にすんじゃねぇよ
弟を守るのが兄貴の役目だろうがよ  
ふふ そうじゃな」)・・


武天老師「以前儂の弟が天津飯に言った
そうじゃ・・お主は善人の皮を被った
悪魔じゃとな!! その時一笑に伏せずに
もっと話を聞くべきじゃった!!・・
悟空よ悪魔が地の底に帰る時が来たのじゃ」



それは武天老師の魂の咆哮だった 

誰もが武天老師の魂の強さに釘付けに
なる中で それでも孫悟空は不気味に
微笑んでいた


孫悟空「ククク いやぁ参ったぜ まさか
只の老いぼれが此 処までやるとはよ 
褒めてやるぜ爺 大したもんだ くは
ははは」


武天老師「悟空?・・(何じゃ 悟空の
この自信は 最早悟空には打つ手はない筈
・・・待て・・先程悟空は何と言った?
こやつは先程何と言った!?)・・」


その表情を見た武天老師はある言葉を
思い出した


  ・・先程孫悟空が口走った 思い
出さない方が幸せだった言葉を・・


武天老師は先程迄とは打って代わり 
顔面を蒼白にしながら 震える声で悟空に
尋ねた


武天老師「悟空・・お主はまさか・・
まさかお主は・・そうなのか悟空!!」


孫悟空「ククク さあなぁ 俺が何か
言ったか? 覚えてねぇなぁ・・フハハ
ハハハハハ!!」


武天老師 「くぅうっ・・(済まんクリリンっ
気の感じられんお主達もかっ 済まん
天津飯 餃子 全て儂の責任じゃ!!
お主達を守ってやれなかった!! 鶴よ
お主にも何と詫びれば良いかわからん
やはり儂には 武天を名乗る資格は無い
のかもしれんな)・・悟空よ お主の
暴虐もこれ迄じゃ 儂が今ここでお主を
・・・殺す!!」


孫悟空「ほざくな糞爺が くたばるのは
てめぇだよ」


そして孫悟空は 可笑しくてたまらないと
言った表情で立ち上がると気弾を作り始める

それを確認した武天老師は緊張を緩めずに
全身に気を張り巡らしながら口を開く


武天老師「今度はエネルギー弾か・・・
無駄じゃよ 今更そんなものが効くと
思っておるのか」


孫悟空「くくっく・・くははははは!!
・・・確かにこんなもんじゃあてめぇは
殺せやしねぇだろうさ・・だがなぁ後の
三人はどうかな?」


武天老師「はっ 不味いっ まさか悟空
お主はぁああ!!」


悟空の恐ろしい言葉に武天老師に戦慄が走る


そしてそれを見た孫悟空は狂笑しながら
自分の周りに何十個もの気弾を作り出す



  ・・・そしてそれを・・・


孫悟空「はあっはははははは!! 死なせたく
無かったら精々足掻いてみな爺!! 
おらあ!!」


ホープ「わあああああ!!」


スピア「きゃあああああ!!」


レッド「いかん武天老師様っ 罠じゃ
あああ!!」


武天老師「おのれぃっ 悟空っ この
外道めがぁあああ!!」


孫悟空「はっはぁあああ!! 最高の
褒め言葉をありがとよ!!」


  ・・・三人目掛けて投げつけた・・・


武天老師「させんぞぉおおお!!」


次々と身動きの出来ない三人目掛けて
豪雨の様に降り注ぐ気弾の雨を 武天老師は
気で肉体を強化し命の炎を燃やして必死に
気弾を叩き落としていく


武天老師「ぬうぉおおおおお!! 
つぅおおおおおお!!」


雄叫びを挙げ武天老師が縦横無尽に駆け巡る


武天老師とて何も考えぬ馬鹿ではない 
これが三人を餌に自分を仕留める為の罠だと
分かっていた


だがそれでも動かない訳にはいかなかった
プーアルがヤムチャが命を懸けて守ろうとした
家族を断じて傷つける訳にはいかなかった


後ろに居る何の罪も無い家族を守る為
命を燃やして頑張っている武天老師を
世界中の人々は固唾を飲み 祈るような
気持ちで見守っていた


ホープ「おじいちゃん僕達の為に」


スピア「おじいちゃん頑張って」


レッド「己ぃ あの悪魔めがっ!!」


武天老師「はああっ ぬぅうりゃあ!! 
ぐはあっ うぐぅう」


孫悟空「どうやら限界のようだなあ爺!!」


だがそれでも武天老師にも限界が来てしまう
余りの気弾の数の多さに捌ききれなく
なってしまい 足が縺れて膝を突いてしまう


そこに無常にも幾十もの気弾が三人に
向かって襲い掛かる
全ての人々が絶望的な表情をする中 
武天老師だけは諦めてはいなかった


武天 老師「させんぞ!! 悟空ぅうう!! 
ぐわぁああああああ!!」


ホープ「うわあああああ!!」


スピア「きゃあああああ!!」


レッド「うぉおおおおお!!」


最早捌ききれないと分かった武天老師は
全ての気を防御に回し気弾から守ろうと
三人に覆い被さる


その結果夥しい数の気弾を背中に受けた
武天老師は その衝撃と凄まじい勢いで
撥ね跳ばされてしまう


そして爆発の煽りを受けた三人も吹き
飛ばされてホ―プとスピアの二人は意識を
失ってしまう


一方 凄まじい数の気弾の直撃をまともに
受けた武天老師の背中は 醜く焼け爛れ
夥しい出血をしていた


武天老師「・・ぐふぅ・・はあ・・・
はあっ・・まだじゃ・・・まだ・・・
終わってはおらん」


孫悟空「ちいっ・・しぶてぇな・・・
いい加減死ねや爺」


だがそんな状態でも まだ武天老師は
不屈の精神で必死に立ち上がろうとしていた


元より武天老師と孫悟空とでは実力差は
歴然としている


それでも武天老師が此処まで戦えたのは偏に
長年の経験の賜物と悟空の癖を知り尽くして
いたからだ


しかしそれでももって数分が限度であろう


つまり武天老師の身体は既に限界を超えていたのだ


だがそれでも彼は立ち上がろうとしていた


しかしそんな状態の武天老師に孫悟空は
情け容赦なく気弾を浴びせる


武天老師「がぁああああああ・・・ぐぅう
・・無念じゃ・・すまぬ・・鶴・・桃
・・済ま・・・ぬ」


孫悟空「けっ 随分手間取らせやがって
こいつで最後だ くたばれっ 老いぼれ
がぁああ!!」


無念にも力尽きた武天老師に 止めと
ばかりに 無情にも更なる気弾の雨が
降り注いだ

ズダダダダダダダダ!!
武天老師「あがぁあああああ!!・・
ああ・・・あ・・・う [ズボォオアア!!]
 ごぶぅあああ!!・・プーアル・・
ヤムチャ・・皆・・儂も今逝くよ」
ドサリ


レッド「武天老師様ぁあああ!!」


孫悟空「クフハハハハハハハハハ!!」


それを受け 遂に武天老師は力尽き倒れて
しまう そして駄目押しとばかりに 
無防備な胸板を貫かれた武天老師は 
無念の表情で倒れ伏した


それを見届けた孫悟空は 歪な笑みを
浮かべながら上空へと浮かび上がると
再びかめはめ波の体勢に入る


孫悟空「クソ共が・・・今度こそ終わりだ」


奮闘虚しく武天老師は傷つき倒れ最早
成すすべがなかった


そして世界中の人々が悲しみに明け暮れる中
孫悟空は無慈悲にかめはめ波を撃ち放った


孫悟空「四人纏めて死にやがれぇえええ!!」


レッド「己っ 孫悟空ぅうううう!!」


・・・・・・・・
  ・・・・・・・・


飛空挺で南の都に急いでいたブルマは
無惨に倒れ伏した武天老師の姿を見て
悲しみに絶叫する


ブルマ「嫌ぁあああ!! 亀のお爺ちゃ
ああああん!! 未だなのベジ―タっ
お願い間に合って!! 皆を守ってぇ
えええ!!」


・・・・・・・・
  ・・・・・・・・


ベジ―タ「武天老師の気が消えていく!?
カカロットっ 貴様は何処まで誇り高き
サイヤ人の名を汚す気だぁああ!!」


怒り咆哮するベジ―タの目が遂に南の
都を捉えた


  ・・ベジ―タの瞳が力強く光る・・


ベジ―タ「武天老師よ お前の言葉聞こえて
いたぞ 後はこの俺様に任せておけ!!
・・むぅ!?」


  ・・その時ベジ―タは己よりも早く
戦場に近付く一つの気を捉えた・・


ベジ―タ「この気は・・・!?・・まさか
お前なのか!?」


・・・・・・・・
  ・・・・・・・・



ピッコロ「くそっ 武天老師の気が弱々しく
なっていく!? 不味いぞ!!」


ドクターゲロ「サムの気もプーアル君の
気も消えた!? 一体公園で何が起きて
いるんじゃ!?」


公園からは ベジ―タとほぼ同位置の距離を
飛んでいたピッコロとドクターゲロも
戦場の異変を感じていた


ピッコロ「兎に角急ぐぞ!! このままでは
武天老師が!? 何だこの気はっ 公園の
真上に居るぞ!?」


ドクターゲロ「儂のデータには無いぞ!?
一体誰じゃ!?」


・・・・・・・・
  ・・・・・・・・


  ・・神の宮殿には様々な秘宝がある・・


ミスターポポ「急がないと!! 早く
神様に伝えないと!!」


ミスターポポは クリリン達の悲報と
恐らくは誰もが忘れているであろう 
孫悟空の瞬間移動の能力の事を伝える為に
南の都に急いでいた


  ・・その中には確定されていない
未来を移す鏡もあった・・


ミスターポポ「神様っ 悟空に瞬間移動を
使わせちゃいけない どうか思い出して!!」


  ・・ミスターポポさえも記憶の隅に
埋もれさせていたその鏡には 三つの
禍々しき影が映し出されていた・・


・・・・・・・・
  ・・・ ・・・・・



  ・・南の都より遥かに離れた山々に
囲まれた小さな村の一角にて・・


桃白白「亀の兄貴!! どうする兄者!?」


鶴仙人「亀っ・・馬鹿野郎っ・・必ず
帰って来いって言っただろうがよ」


人里離れた小さな村に隠れ住むこの二人も又
テレビで南の都の様子を見ていた


二人の表情には実の兄弟に対する心配の
様子が現れていた


桃白白も又 鶴仙人と同様に心の中では
実の兄である亀仙人の事を大切に思って
いたのだろう


だからこそ天津飯や餃子にも忠告をしたに
違いない


どんなに悪行を重ねても結局彼等は悪鬼には
なれなかったのだ


そんな桃白白の言葉を聞く一方で 鶴仙人は
別の事を考えていた


それは弟である亀仙人と同様の事であった


鶴仙人「まさか・・まさかあの野郎っ
おい桃!! 天と餃は何処にいる!!
お前は姉弟の中で姉貴と並んで
テレパシー能力に優れてる筈だっ
天と餃は何処だ!?」


桃白白「!?・・まさか・・まさか・・
おい天!?餃!?返事をしろ!! 
天!! 餃!!返事をしろ!!・・返事を
してくれよぉおおお!!」


  ・・しかし二人からの返事が帰って
くる事はなかった・・


桃白白「・・あの糞餓鬼がぁああ!!
絶対に許さんぞ!!」


鶴仙人「亀・・・死ぬんじゃねぇぞ」


・・・・・・・・
  ・・・・・・・・


  ・・彼は上空からその様子を見ていた・・


   「・・これは一体どう言う事なんだ?
今倒れた老人は武天老師様か?・・・
そして気絶しているあの二人は間違いなく
人造人間だ・・あの老人はわからないけど
どうして二人は人造人間を守っているんだ」


  ・・迷うなトランクス・・


   「何も迷う必要はない筈だ 人造人間は
敵なんだ 即ち人造人間の味方をする
あの二人も敵なんだ・・そうですよね
悟空さん?」


  ・・トランクス真実から目を反らしては
駄目よ・・


   「なのに何故だっ 何故こんなにも
心が痛むんだ!?・・くぅうっ!?・・
何故ですか悟空さん 何故貴方はそんなにも
楽しそう何ですか!?」


  ・・トランクス貴方は トランクス
お前は・・


   「四人纏めて死にやが れぇえええ!!」


  ・・あの人の息子なのだから!!
俺の自慢の息子だろう!!・・


   「!?・・母さん?・・父さん?
!?不味い彼等を助けなきゃ!!」


  ・・気が付いた時 俺は既に飛び
出していた・・


・・・・・・・・
  ・・・・・・・・


倒れ伏した四人に迫る孫悟空の放った
悪魔の咆哮


  ・・・しかしその時昼空に流星が
煌めいた・・・


その光はその手に持った悪しき者を断つ
希望の剣で悪魔の咆哮を切り裂いた

  「はぁあああああああ!!」


孫悟空「何だと!?・・・ちぃ・・てめぇか」


それは可能性未来を守る三つの希望の
光の一つ


何者にも媚びない誇り高き王子と優しく
強い女性の愛の結晶


  ・・・その若者が今此所に未来から
降り立った・・・


レッド「ありがとう助かったよ・・・
しかし君は一体」


   「・・(良かった 武天老師様は
未だ生きてる 人造人間もご老人も無事
みたいだ)・・」


彼は今起こっている状況等何も理解しては
いなかった


人造人間打倒の為に未来から駆けつけて見れば
目の前で起こっていたのは自分が知っている
過去とはまるで違う状況だった


居る筈の無い人物が居て 居る筈の人物が
殆んど居ない 


そして何よりも目の前の惨劇を起こしたと
思われる人物が彼には信じられなかった


母さんと自分が未来を託した希望が何故
そして何故あの老人や武天老師 様は我が身を
傷付けてまで人造人間を守っていたのか


だが本当は彼にはもうその答えがわかっていた


人造人間に対する恨みや復讐心は未だ
消えてはいない


だが自分が何をするべきかそれだけはわかる


父さんから受け継いだ己の中の誇り高き血が
自分に叫んでいる


成らば自分この想いに任せよう 彼は
上空を見上げると込み上げる怒りを解放した


トランクス「貴方は何をした!? 何を
したんだ!? 悟空さぁあああん!!」


孫悟空「・・・・トランクスか」


  ・・・誇り高き血統を受け継ぐ希望 
トランクス推参・・・













 
 

 
後書き
今回の話の中に第2部へのヒントが何気なく入っています

ここで漸くトランクス登場


果たして武天老師の安否や如何に



 
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