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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OG外伝
  0512話

 俺の指先から出ている炎。それを見たスレイとオウカ、フィリオは信じられないものを見るような目でこちらを見ている。既に魔法の存在を知っているムラタだけが我関せずと特に表情を変えていない。それ以外のシャドウミラーのメンバーにしてみれば既に既知の事柄だけに、こちらも特には表情を変えていなかった。

「それは……手品か何かか?」

 スレイの恐る恐るといった感じで出されたその質問に小さく首を振る。

「今も言っただろう? 魔法、と」
「魔法……魔法だって!?」

 この辺はさすが技術者と言うべきか。フィリオが興奮した面持ちで叫びを上げる。

「魔法、ですか。けれどもアクセルさんなら何となく納得してしまうのは何故でしょうか」

 オウカは驚きが過ぎ去った後は、何故かすんなりと受け入れている。

「そうだな、何から説明すべきか。色々と知ってる事もあるだろうが、取りあえずアインスト空間から脱出した時か。ドルムと融合したアインストのボスを倒してお前達と別れた後、俺達シャドウミラーは結局アインスト空間から無事に脱出する事が出来ずに次元の狭間に飲み込まれた……」

 そう言い、簡単にこれまでの事情を説明していく。ホワイトスターを空間倉庫から出して次元の狭間で何とか安住の地を得た事。次元の狭間であるが故に色々な世界と繋がっており、リュケイオスやアギュイエウスを使って転移すると平行世界への転移が可能になった事。そしてその転移先の1つに魔法が実在する世界があった事。
 それ等の事情を10分程度でざっと簡単に説明する。

「魔法、か。非常に興味深いけど……それは僕達も使えるようになるのかな?」
「現に俺が使って見せただろう?」

 フィリオの質問にそう答えると、小さく首を振ってくる。

「1人だけではきちんと検証されたとは言えないよ。もう数人程が使えるようなら確実と言えるんでしょ……う……けど……」

 言葉を途中で途切れさせるフィリオ。
 何故なら、その視線の先ではレモン、コーネリア、マリューの3人。そしてムウや技術班の者達も数人程『火よ灯れ』の呪文を使っていたからだ。
 そして、その様子にはフィリオだけではなく俺もまた驚く。
 確かに魔法球の中で魔法の練習をしていたのは知っている。ましてや超一流と言ってもいい魔法使いのエヴァが魔法顧問として魔法を教えているのだから、魔法を使えるようになるのも当然だと言えるだろう。だがしかし、まさかここまで短時間で使いこなせるようになるとは思ってもいなかった。

「ふんっ、誰が魔法を教えていると思っているんだ? 私に掛かればこの程度はそう難しい話ではないさ」

 エヴァが得意気にその薄い胸を張って笑みを浮かべる。

「……さっきから気になってたが、何故この少女のような子供がここに? 向こうの少年にしてもそうだが」

 スレイがエヴァへと目を向けながらそう尋ねてくる。とは言っても、既にエヴァが言ってるように大体どんな存在なのかは理解しているのだろう。ただし、信じたくないといった表情を浮かべている。

「本人も言っているように、俺達シャドウミラーの魔法顧問という役職だ。エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。600年以上を生きている真祖の吸血鬼だよ。ちなみにそっちにいるもう1人の子供はフェイト・アーウェルンクス。意志を持った人形といった所か。こっちも一応はシャドウミラーの人員ではあるが、基本的にこのホワイトスターではなくネギま世界――先程説明した魔法世界の通称だな――でブルーマーズ計画を担当している」
「ブルーマーズ計画!? それは確か僕が開発するという……」

 ブルーマーズ計画の名前に反応したフィリオに頷く。

「そうだ。諸事情で火星のテラフォーミングをする必要が出て来たんでな。それに伴って他の惑星から魔力を運ぶ必要が出たり、こっちから火星に派遣する者達の足に使ったりする宇宙艦の推進機関としてのテスラ・ドライブの開発をな。……フェイト!」

 我関せずといった様子で、無表情ながらもどこか満足そうに珈琲を飲みながら――SEED世界からの輸入品らしい――こちらの様子を見ていたフェイトへと呼びかける。

「何か用かな?」
「ああ。さっきも説明したがこの男はフィリオ・プレスティ。ブルーマーズ計画の重要な要素であるテスラ・ドライブの開発者だ」
「ああ、話は聞いてたよ。よろしく頼むね」
「その……君も魔法使いという認識でいいのかな?」
「そうだね。一応それなりに魔法には長けていると思ってもいいよ」

 それなり、ねぇ。まぁ、平均以上であるのは事実だがな。
 フェイトの言葉に苦笑を浮かべつつ、手を叩いて周囲の注目を集める。
 より正確には新たにシャドウミラーに加わった4人をだが。
 エヴァと話していたスレイ、フェイトと話していたフィリオ、何故か茶々丸と話していたオウカがこちらへと視線を向けてくる。そして最後の1人であるムラタは1人離れた場所からこちらを見ている。

「そして最後の秘密だ。……本来なら秘密と言う程のものじゃなかったんだが……」

 先程『火よ灯れ』を使った時のように右手の人差し指を1本立てて前に出す。そして次の瞬間には、俺の右手は炎へと姿を変えてゆらゆらと蠢く。

「これは……炎? でも熱くないけど……」

 俺の手が変化した白炎を見て身を乗り出すフィリオ。
 この炎は俺の魔力を使って生み出された、俺自身と言ってもいい炎だ。当然熱さに関しても俺の意のままになる。
 そのまま右手の炎から蝶や小鳥、あるいは犬や猫、リスといった炎獣を作り出して体育館の中を走り回らせる。

「アクセル、これは……」

 犬と猫の炎獣が周囲を転げ回っている姿に目を奪われながらも、スレイが思わずといったように呟く。その隣では、オウカが空中で戯れている蝶と小鳥の炎獣に目を奪われていた。

「さっきも言ったように、俺は人間じゃない。いや、正確に言えばネギま世界の中にある魔法世界という異界で、人間から混沌精霊という存在に転生したと言ってもいいだろう」
「転生、ですか」

 ふとオウカがこちらへと近づいて来て、炎になっている右手ではなく左腕へと触れてくる。

「精霊と言う割にはきちんと肉体がありますね」
「まぁ、その辺が混沌精霊という特殊性故なんだろうな」
「その、転生してもアクセルさんはアクセルさんなんですよね? アースクレイドルで私やゼオラとの事は……」
「その辺は問題無い。そう言う意味で言えば俺はあの時と何1つ変わっていないさ」

 悲しげな目をして俺の方を見ているオウカに、右手を炎から実体に戻してから励ますように肩を叩いてやる。

「そうですか。ここにいるアクセルさんが、私の知っているアクセルさんなら私としては何も問題ありません」
「……そうだな。そもそも私とアクセルが親しくなったのはここ最近になってからだ。それならば今のアクセルが昔のアクセルと違うからと言って文句を言うような義理は無い」
「親しく、ですか?」

 何故かジトッとした目でスレイを見るオウカ。その目に気が付いたのだろう。スレイは慌てて首を振る。

「か、勘違いするな。別に親しくとか言っても仲間としてだ。別にだな、その……」

 何やら言っているスレイだが、俺がそこに突っ込む前にレモンが口を開く。

「それで、魔法球がどうとか言ってたけど……その話はどうなったの?」
「っと、そうだったな。それを忘れてた」

 チラリとエヴァの方へと視線を向けると小さく頷く。あの様子だと検討するとか言ってたけど何とかなりそうなのだろう。
 まずは魔法球とは何かというのを知らないオウカ、スレイ、フィリオに向かって説明を開始する。

「ネギま世界には魔法と言う技術があるのはもう理解したな? そうなると当然魔法を使った道具、いわゆるマジックアイテムというものも存在する訳だ。で、先程から言っている魔法球。正式名称ダイオラマ魔法球というマジックアイテムだが、その中では48時間過ごしても外では1時間しか経っていないという効果を持つ」
「……そう言えば、私が以前来た時に魔法球がどうとか言っていたが……」

 スレイの言葉に頷く。

「そうだ。その時の奴だ。ただ、あの時はまだスレイが確実にシャドウミラーに所属するとは限らなかったので誤魔化させてもらったがな。そのダイオラマ魔法球だが、外と中で時間の流れが違うと言う事は当然中にいればいる程歳を取っていく事になる。特に技術班!」

 俺の説明を当然とばかりに聞いている技術班へと視線を向ける。

「お前達が魔法球の中に入りすぎているのが問題の発端だ。確かに研究時間が増えるのはいいだろう。だが、今も言ったように使えば使うだけ歳を食っていくんだと理解しているのか?」
「隊長、そのくらいは覚悟の上で使ってます!」

 技術班の1人がそう言い、他の者達も頷いている。

「確かに覚悟の上だというのはいいが、お前達技術班はある意味で俺達シャドウミラーの要だ。他の世界にある技術を習得して融合する事が出来る。それが俺達シャドウミラー最大の利点なんだ。そのお前達が魔法球の使いすぎで真っ先に老衰して死んでしまったりしたら洒落にならないだろう。兵士とかなら量産型Wでどうにでもなるが、お前達のような研究者、一種の職人は量産型Wで補充出来ないんだからな」

 幾ら量産型Wが一流と超一流の壁を越えつつあるとは言っても、それはあくまでも兵士としての技量だ。平行世界間の技術を融合させたり、あるいはより進化させるといったように、一種の創造性を求めると言うのはさすがに無理がある。
 ……今のレモンの様子を見る限りだと、いずれ本気でそのレベルの量産型Wを作り出す可能性もあるけどな。少なくても今はまだ無理だ。

「で、だ。お前達が老衰で死ぬような事になっては困るから、シャドウミラーの魔法顧問でもあるエヴァにどうにかならないか相談してみた。エヴァ」

 俺に呼びかけられてエヴァが頷き口を開く。

「良く聞け、貴様等。貴様等が爺にならないように魔法球による老衰対策を考えてやっている所だ。まだ確実にとは言えないが、ある程度の目処は立ったとだけ言っておこう」
「え? 本当? エヴァにゃん、どんな手段か教えてくれ!」

 技術班の1人がそう叫んだ途端エヴァの背後に氷の矢が作られ、飛んで行く。

「ひぎゃあっ!」
「誰がエヴァにゃんだ、この馬鹿者が。手段については取りあえずは秘密とする。何しろまだ確実に成功するかどうかも不明だからな。だが上手く行けば、魔法球の中に入っている間だけではあるが限定的な不老にする事が出来るかもしれない……とだけ言っておく」

 不老。その言葉がエヴァの口から出ると技術班の面々は……否、技術班だけではなく、ムウやイザーク。そしてエザリアまでもが興奮の声を上げる。
 ……特にエザリアがいつもは冷静極まりない態度をかなぐり捨てて、頬を興奮で真っ赤にしているのは……まぁ、エザリアもやっぱり女だったって事だろう。個人的には十分若いと思うんだけどな。だが交渉がメインのエザリアだから魔法球の恩恵はそれ程受けられないと思うんだが。
 いや、それでも1時間で2日分の休憩を取れて尚且つ歳を取らないというのは魅力的なんだろうな。
 そんな風に思っているとまた誰かが余計な事を言ったのだろう。『魔法の射手』で作られた氷の矢を撃ち込まれていた。
 以前はこのノリをどうにか出来ないかとレモンに相談した事もあったのだが、レモンの話によるとこう言う風に馬鹿をやる事で一種のストレス発散なり気分転換なり、人間関係に関してのやり取りなりをしているらしい。少なくてもこのノリがあるうちはアギラのように非人道的な実験を行うようなイカれた科学者になるような心配は低いんだとか。
 ……無い、じゃなくて低いとなっているのが微妙に心配だが。

「とにかくだ! まだ正確にいつ魔法球に手を加えるのかは分からないが、近い内に行われる事だけは確かだ。その時は魔法球の中に人がいると悪影響が出る可能性もあるから全員出て貰うぞ。忘れるなよ!」
「えーっ! でもそれじゃあ中にある隊長の新型機に使う部品とかはどうなるんだよ?」
「あー、そうだな。その辺は悪いがアクセルに頑張ってもらえ。もし面倒臭いとして中に置きっぱなしにして、それが悪影響を受けても私は責任を取らないからそのつもりでな」

 その言葉に技術班からブーイングが飛ぶが……

「ええいっ、喧しい! 元々はお前達が魔法球に入り浸っているからこういう事態になったんだろうが。茶々丸!」
「イエス、マスター」

 エヴァの言葉に茶々丸が前へと出て、視線を技術班に向け……

「レーザーが来るぞ! 全員散れぇっ!」

 技術班の誰かが叫んだその言葉と共に、忍者顔負けの素早さで散っていく。

「……これが、シャドウミラー? 随分と僕の思っていたのと違うんだけど」

 フィリオの、そんな呆然とした声のみが体育館の中へと響き渡っていた。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:300
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:447 
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