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ドリトル先生学校に行く

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第二幕 子供達もその十一

「こうしたところは早いうちに何とかしないとね」
「駄目だよね」
「絶対に」
「日本の人達もよくないって思っているし」
 そう思わない方が不思議です、暴力を振るう様な先生が普通に学校にいていい筈がないのですから。
「努力次第だよ」
「悪いことをどうにかするにも努力だね」
「努力しないと駄目なのね」
「このことはどうしても」
「努力なくしてはどうにもならないのね」
「そうだよ、努力しないと」
 先生も言います。
「何にもならないからね」
「じゃあ先生もだね」
「先生も努力してだね」
「そうしていくんだね」
「これからも」
「そうしていっているつもりだし」
 それにだというのです。
「これからもね」
「努力していくんだ」
「そうしていくんだね」
「そうするよ」
 絶対にだというのです、先生も。
 そうしたお話もしました、そのうえで。
 先生は上を見上げました、お話をしている間にすっかり夜になっていてお空には満月があります。
 その黄色い満月を見上げてです、皆に言いました。
「綺麗な月だね」
「そうだよね、月の人達は元気かな」
「あの人達は」
「元気だと思うよ」
 先生は穏やかな笑顔で皆に応えました。
「きっとね」
「またあの人達に会いたいね」
「機会があれば」
 皆も満月を見上げています、あの人達がいる。
「月にも行ってね」
「そうして」
「機会も大事だよ」
 先生のお言葉です。
「機会ごとによって変わったりもするからね」
「だからだよね」」
「僕達も機会があって先生と一緒になれたし」
「そう思うと機会も大事だね」
「そうね」
 皆でお話してでした、先生はこんなことも言いはじめました。
「そうだ、お月様を見ながらね」
「この満月を?」
「そうしながら?」
「うん、お酒を飲もうかな」
 こんなことを言いだしたのです。
「そうしようかな」
「じゃあウイスキー出す?」
 ダブダブがお酒と聞いてこのお酒を出してきました。
「それにする?」
「ウイスキーだね」
「そう、それにね」
「後は」
 それに加えてだというのです。
「ビーフジャーキーかな」
「じゃあ二つ共持って来るわね」
「いや、イギリスよりも」
 ウイスキーはイギリスのお酒です、ですがここは日本でしかも日本のお家にいます。それで先生は言うのでした。
「日本でいこうかな」
「じゃあ日本酒?」
「あるから、そのお酒は」
「あるわよ」
 ダブダブは先生にすぐに答えました。
「ちゃんとね」
「あっ、そうなんだ」
「先生も飲むかしらと思ってね」
「僕が買おうって言ったんだ」
 ガブガブが提案したとです、ガブガブは自分からお話します。
「それでなんだ」
「日本酒を買ってくれたんだ」
「そうだよ、あとおつまみはね」
 再びダブダブが先生にお話します。
「柿の種があるわよ」
「ああ、あれだね」
「それでいいかしら」
「あるものなら何でもいいよ」
 おつまみならというのです。
「ここで日本酒を飲むのならね」
「そう、わかったわ」
「それじゃあね」
 こうしてなのでした、先生は皆と一緒に満月を見上げながら日本酒を楽しみました。そのお酒はイギリスのものとはまた違う美味しさがありました。 
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