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魔法少女リリカルなのは ~黒影の死神~

作者:白鳥才牙
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『第二十一話』~リニスとの出会い ばれた存在~

 拓斗side

「なるほど……しかし驚いたな、アイツ使い魔がいたなんて」

【今は私が死んでしまったのでいませんがね】


 俺の庭にいた魂――リニスはそう言った。





 彼女の話ではプレシアにはフェイトの前にもう一人娘がいたそうだ。
 名前はアリシア。その頃リニスは使い魔ではなく山猫だった。
 プレシアは管理局の開発部の部署長だったらしい。
 忙しい身であったがプレシアはアリシアとの生活を幸せに過ごしていた。





 そんなある日一つの事件が起こった。





 アリシアとリニスは管理局でプレシアの実験……正確には上司の安全基準を無視した無謀な命令により、その時の事故で亡くなった。
 その事故の原因を上司になすりつけられたプレシアは管理局を辞めた。


 それからプレシアは変わってしまった。


 さまざまな方法を使ってアリシアを蘇生しようとしたのだ。
 そしてしばらく経ちプレシアは『プロジェクトF』に目を付けた。
 途中で中断されていた実験を彼女は一人で完成させて。










 フェイトが生まれた。









 最初は仲良く過ごすが、プレシアは悟ってしまった。
 フェイトはアリシアとは違うということに。
 その後プレシアは再び変わってしまった。
 フェイトに冷たく当たり、さらに以前のように研究室に籠るようになってしまった。

 事故の後に使い魔として再び生を受けたリニスはプレシアに命じられフェイトを一人前の魔導師になるように育てた。
 フェイトが一人前になったら己が死んでしまうことを知りながら。










【そして約一年前、フェイトは一人前となり私は死を迎え、今の状態でずっと時の庭園にいました】

「その後フェイトはプレシアにジュエルシードを集めるように言われて海鳴市に来て今に至る」

【はい、その通りです】

[は~かなり面倒な事になってんな]

「そう言うな。それで? おまえはどうしたいんだ?」


 俺の問いにリニスはキョトンとした顔をした。


【ど、どうとは?】

「選択肢は3つ

 1つ目 今、ここで成仏する。

     幸い俺は死神、そのような事の専門家みたいなもんだ。成仏したければすぐにさせてやれる。


 2つ目 二つ何もせずこの世に存在する

     これはあまり俺としてはお勧めできない。
     リニスが一年もその状態を保てたのは奇跡に近いことだが、この先維持出来るかと聞かれたら長くは持たない。
     最悪、悪霊の類になるだろうな。


 そして3つ目
 









        再びこの世に生を受け、フェイトやアルフ、プレシアを助ける。」

【ッ!!】


 3つ目の選択肢にリニスは息をのんだ。


【最後の選択肢はなんですか!? 生き帰る!? そんなことが出来る訳「出来るんだよ」ッ! どうやって!?】


 そりゃそうだ既に死んだ奴が生き帰るなんて普通ありえない。





 『普通』は、な。
 




 ――しかし


「俺を誰だと思ってる」

【? 誰と聞かれても死神という「そう、それだ」? どれですか?】

「俺は死神、生命の『死』を司り、魂を管理する者」


 そう、俺は死神だ。『死』を司るということは『生命を操る』ということである。
 つまり


「一人くらいなら生き帰らせることが出来る」

【………本当に、本当に出来るんですか?】

「嘘はつかない。さぁ、どうする?」















【本当にここに立っていればいいんですか?】

「あぁ、そのままでいてくれ」


 俺は普通に家のリビングの中心で突っ立っているリニスにそう答えた。
 現在は俺(トリガー解除)は使い魔契約(仮契約だが)を行う為に魔導書で方法を調べている。






 結果、リニスは生きる事を選んだ。
 フェイトとプレシアのために生きる事を選んだようだ。

 と、言っても今すぐに生き帰らせる事は出来ない。
 条件がそろっていないのだ。
 しかし放っておいてはリニスは悪霊なってしまう可能性がある。

 そこで生き帰らせるまでの救済措置が使い魔契約だ。
 しかし、リニスは魂の状態なので普通の契約で効果はあるのかと魔導書で確かめている。


「あ、あった」


 ………そうか、通常の契約で大丈夫だったか。


【どうですか?】

「別に大丈夫みたいだから早速始めよう」

【はい、お願いします】


 そう答えるリニスの足元に丸の中に六芒星がある魔法陣を発生させ、俺の足元にも同じ魔法陣を展開させる。


【!?】

「心配するな。仮契約の為の魔法陣だ、害はない。さてと如何するか? 仮契約の文言など如何言っても契約自体は可能だが…ふむ。





 我が呼び声に応えよ誓いの巫女 彼の者の名はリニス この者を此れより我が従者とする この者が想う者たちを救うための力を与えよ! 『仮契約』!!」


 強烈な光が室内を満たし、契約が成立していく。
 しばらくして、光は収まり契約が完了。

 リニスの姿は先程までの半透明ではなくなっていた。


「これで、契約は完了だ」

「えっと……半透明なのが無くなった事以外あまり変化は見られませんね」

「今のリニスの状態は半霊体だ。完全な実態ではないから者に触れる事は出来るが人は俺だけしか触れる事は出来ない」

「はぁ……とにかく、これで一先ずは安心ですね」

「そうだな」

[おい拓斗。契約したなら『アレ』がどうなるかを確かめた方がいいんじゃないか?]

「『アレ』か? 今度にしとけばいいだろ」


 別にすぐに必要とするわけじゃないし。


[これからもなのはとフェイトに関わるんだろ? 別にばれるのは構わないとして、戦力としては必要あるんじゃないのか?]


 訂正、必要だった。


「あのぅ……先程から言っている『アレ』とはなんですか?」

「あぁ『アレ』っていうのは、『ソウルユニゾン』だ」





 結論を言えば『ソウルユニゾン』は成功した。
 その後、必要もなく使用しないと決めた。
 理由はリニスが魂のままであるということだ。
 仮契約を行い半霊体になったとはいえ、リニスには魂を入れる器、肉体がない。
 そんな状態で力を行使して魂に負荷がかかるといけないというわけだ。
 そんなわけで俺の家に新しい住人、リニスが入った。










 それから数日





 リニスは俺の家に住み着き数日、正直俺にとってプラスばかりだった。
 もともとフェイトの世話やプレシアの助手をしていたため家事については完璧と言っても良いものだった。
 掃除は塵一つ残さず、料理も上手い。風呂場から出た時には着替えが置いてあり、もう非の打ちどころがなかった。
 こんな家政婦がいるならいくら払ってでも雇いたいものだ。


 そんな(家事関係で)楽な生活を送っている。

 今日は学校は休み。
 現在明朝、俺は海鳴公園付近を散歩中だ。ソウルは付けてきていない。


(あぁ……平和だなぁ)


 静かな空間

 青く輝く海

 雲ひとつない快晴な空

 そしてその空を飛びまわり、ときどき俺の近くまで来る桃色の魔力弾





 ……………





「魔力弾!?」


 なんでこんなところで魔法が使われてる!? せめて結界を張っておくのが常識だろ!!
 いったいどこの非常識もんだ!!


「見つけ出して爆散掌決めてやる!!」


 俺の散歩をよくも邪魔してくれたな!!


 (現在、拓斗は自分が好きな静かな空気を壊されたため怒りで頭が上手く回転しておりません) by作者


 黙れ作者!! テメェから爆散掌喰らうか!? (申し訳ございません!!)orz by作者
 俺はプロテクトを解除し魔力を感じる方向に走り出す。
 魔力は小さな丘から感じられ魔力弾もそこから操作されているようだ。
 丘を登りきるとそこには





「ふぇッ!? 拓斗君!?」





 栗色の髪をリボンでツインテールにし、機械的な杖を持った少女





 高町なのはだった


「……はぁ………」


 なんで……こうなるんだよ………





 なのはside

 現在、私はとてつもないピンチに陥っています。


「(どどどどどうしようユーノ君!!?)」

「(お、落ち着いてなのは!!)」

「(だ、だってこれで二回目だよ!? それにレイジングハート見られちゃったし!!)」


 そう、これで二回目。
 前回はレイジングハートは見られなかったし魔法も見られなかった。

 だけど今回は違う。
 レイジングハートを見られた。

 拓斗君はレイジングハートを凝視……してない?
 私の隣を見てる、何を見てるの?


「それ、消さないの?」

「え?」


 拓斗君がそういうから隣を向くと





 桃色の魔力弾が浮いていた。


 マズイ!


「(ユーノ君……)」

「(ごめんなのは……僕、どう誤魔化せばいいか思いつかないよ)」

「(そんな……)」


 私もなんて言えばいいかわからない。
 本当にどうすれば………


「これが、なのはの隠していた秘密か。なんだか想像とは違うが魔法みたいだな」

「……うん」


 もう誤魔化しが効かない。
 私は頷くことしか出来なかった。


「練習、してたのか?」

「うん……」


 拓斗君は「そうか…」と言って










「じゃ、ガンバレ」










 そう言って踵を返した。





「「ええぇぇぇぇぇぇ!!?」」


 拓斗君の行動に私は思わず叫んでしまった。
 ユーノ君も叫んでる。


「どした? 急に叫んで」

「だって、聞かないの!?」

「お前の秘密は分かったじゃん」

「そうじゃなくて! 『なんで魔法が使えるんだ』とか!!」

「それ聞いて魔法が使えるわけじゃないだろ」

「え、そうなの?」

「うん、人の魔力量とかもあるし、そもそもこの世界は魔法技術がないからね」


 そうなんだ。


「まぁ、この事は誰にも言わない。お前の思うがままにやりな。困ったら助けてやるからさ」


 拓斗君はそう言ってくれた。
 そう言ってくれるのは嬉しい。でも……


「なんで……そんなにしてくれるの?」


 それが不思議だ。
 この前まであまり関わろうとしなかったのに。


「……お前は」

「え?」

「お前は、何かと一人で抱え込む節がある」

「そ、そうかな?」

「そうだよ」


 そうなのかな? 自分じゃあまり分からないの。


「わかってないな……まぁいい。一言だけ言っておく」










 ――人は、人に頼られるのが何より嬉しいんだんだ










 気がついたら、そこには私とユーノ君以外誰もいなかった。 
 

 
後書き
~あとがき雑談会~

作「今回はリニスとの使い魔契約(仮)に拓斗としてなのはの魔法を見てしまう回でした」

拓「今回はゲストがいるみたいだな」

作「そうだよ。今回のゲストはリニスさんです!!」

リ「よろしくお願いします」

拓「前回の予告で言った俺の問題っていうのはなのはの魔法を見たことか」

作「そうだよ」

リ「拓斗さんが起こしたというのは少し無理矢理では?」

作「そうでもないと思うよ? 静寂を破られたことに怒ったからだろうけど、あのあたりで魔法を使うのはなのはくらいなのに気づかなかったということで」

拓・リ「「無理矢理だな(ですね)」」

作「うっ……今回はもうお終い!!」

拓「はやっ! いくらなんでも早すぎるわ!!」

リ「私まだ三回しか話してませんよ!?」

作「なら今回の予告はリニスさんで!!」

リ「分かりました





  拓斗がジュエルシードの反応があったところに向かう

  そこではなぜかなのはとフェイトが戦っていた

  そんな中封印されたはずのジュエルシードが暴走を始める

  次回 魔法少女リリカルなのは ~黒影の死神~『ソウルユニゾン』






 では、次回に」

作・拓・リ「「「トリガー・オン!!」」」





 次回のサブタイトルがソウルユニゾンか……

 つまり拓斗とリニスが一緒に戦うということだね

 次回はソウルユニゾンに注目ですかね?










 雷光様 シャラバ様、ユーザーお気に入り登録ありがとうございます!!
 これからも頑張りますので応援お願いします!! 
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