ヘタリア大帝国
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TURN120 エイリス王家その七
「そのうえでだ」
「戦局次第で、ですね」
「どうするかですね」
「見極める、わかったな」
「はい、わかりました」
「それでは」
「長官には私から連絡しておく」
東郷には、というのだ。
「だから今は母艦に戻るなりしてな」
「損害を出さないことですね」
「そうしよう」
こう話してそしてでだった。
艦載機は今は母艦に戻った、そのうえで仕掛ける時を待つのだった。
ビームも放つ、だがそれも。
バリア艦に防がれ満足にダメージを与えられない、エイリス軍の反撃にかえってダメージを受ける程だった。
それを観てだ、ダグラスは煙草を噛みながら悪態をついた。
「くそっ、アジな真似をしやがるな」
「うん、全くだね」
アメリカもダグラスのその言葉に応える。
「これじゃあ中々攻められないよ」
「こういうのは性じゃないね」
攻撃的なキャシーはエイリスの思わぬ防御に歯噛みして言った。
「一気に突撃して終わらせたいけれどね」
「同感ね、けれどそれをしてもね」
キャロルも基本キャシーと同じ考えだった、だがそれでもだった。
エイリス軍の守りの高さを観てだ、こう言うのだった。
「ダメージを受けるだけよ」
「あたし達もかなり暴れたからね」
アメリカ妹はこれまでの戦いを思い出して言う。
「そりゃ警戒もされるね」
「だからああした防衛ラインできたのね」
ハンナも今は打つ手を考えられず困った顔である。
「エイリスも馬鹿ではないからね」
「けれどスエズは要衝だから」
どうにかしないとならない、クーはこの現実を指摘した。
「絶対に陥落させたいけれど」
「あの要塞と艦隊は攻められないわ」
ドロシーはこう結論付けた。
「ミサイルもレーダー妨害設備が充実しているわね」
「ああ、あの要塞それもあるね」
キャヌホークがすぐにそれを観て言った。
「ミサイルも効果がないね」
「鉄鋼弾しかないか?」
ドワイトはこれを出そうとした、だがそれもだった。
「駄目だな、チャフを撒布してやがる」
「まさに万全ね、ただ」
それでもだと、クリスは言い切ってみせた。膠着しようとしている戦局を考えてあえてこう言ったのである。
「完璧な防衛ラインもないわよ」
「それはそうだがな」
ダグラスは案の定妨害されるこちらのミサイル攻撃を観ながら応える。
「これは生半可じゃねえな」
「どうしたものでしょうか」
リンファはその防衛ラインを観ながら溜息混じりに呟いた。
「ここは」
「エイリス軍には手出し出来ないわね」
ランファも打つ手がないといった感じだった。
「ここまで堅固だとね」
「というかね、ここ陥落させないとどうしようもないわよ」
ハニートラップは薮睨み目になって忌々しげに述べた。
「そうでしょ?」
「その通りある、スエズを突破しないとはじまらないある」
中国はスエズがエイリスの植民地統治の要衝であることからこのことを指摘した。
「南アフリカ方面から北アフリカに入ってもスエズという基地がある限りそこから艦隊を送られてそこから進めないある」
「面倒な場所あるな」
中国妹も打つ手がないといった感じである。
「これは参ったあるよ」
「敵の防衛ラインはこちらに全部向けていますね」
マカオはその防衛ラインをあらためて観た。
「後ろには特に向けられていません」
「じゃあ後ろに回れれば的な?」
香港は何気なく述べた。
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