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魔法少女リリカルなのは ~黒影の死神~

作者:白鳥才牙
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『第二十話』~邪に憑かれし者 プレシア・テスタロッサ~

 拓斗side

 温泉の一件から数日、なのはは何かをふっきれたのか「今度はフェイトちゃんに勝つの!」と気合を入れていた。
 あの様子ならさらにレベルアップすることだろう。

 そんなある日。


「さて、そろそろ黒幕に会いに行くとしようか」

[黒幕?誰のことだ?]

「誰って、フェイトの親しかいないだろ」

「!?」


 そう、俺が今考えているのはフェイトの親に会いに行くということだ。


[今から……なのか?]

「公式はわかったし、計算部分もほぼ終了。後は確証だけだ」

[は? どういう意味だ?]

「ほぼ何が原因なのかは分かったが後はそれが本当に正しいのかを確認するだけ」

[確認が済んだらどうする?]

「今回は様子見だ。出会って即戦闘? 準備もなしに行くんだ。負けるに決まってるだろ」


 俺の仮説が正しければ早めに会って軽くでも処置を施した方がいい。
 手遅れにならないうちに。


[ならさっそく行くか?]

「そうだな。思い立ったが吉日だ」


 俺はソウルを展開し目を閉じる。


「『空間の巫女よ 我は世界を越えるもの 我が望みし地への橋を架け 道を開け』」


 すると、足元には漆黒の魔法陣が広がり、次の瞬間には俺はその場から姿を消した。










 時の庭園


 光が収まり、次の場所に降り立つ。


 「はぁ、立派なつくり、まるでお城だな……」


 そういって奥へ奥へと歩を進める。
 すると、なにやら鞭のような音がしてそこにいくと、


「アルフ?」

「あ、死神!?なんでここに!?いや、そんなことはどうでもいい!!」


 すると、アルフがいきなりこっちに来て、目に涙をためながら、


「お願いだ! フェイトを! フェイトを助けてくれ!」

「え? フェイト?」


 すると、鞭の音がする部屋からフェイトの悲鳴が聞こえた。これは、


「……ソウル」

[わかってる……『黒夜』]


 ソウルがそういうと、鎌が光る。
 光が治まるとそこにはすべてが漆黒に染まった刀があった。


 『黒夜(こくや)』

 ソウルの三つの形態の一つ。
 因みに鎌の形態は『白夜』という。
 鎌の色は全体漆黒だが白夜だ、異論は認めん。


「はぁっ!」


 そして、そのままそこの扉を黒夜で切り開く。


「し、死神?」 


 そう言うフェイトの近くまで行き、フェイトの手首に巻きついていた鎖を斬る。


「フェイト!?」


 アルフが私の後に続いて入って来た。


「おまえ等は地球に戻れ。俺はコイツと話し合う必要性がある」

 そういってこの場に来たのと同じ魔法をかけ、フェイトとアルフを地球に飛ばした。

「あなたは?」

「おまえがフェイトの母親か?」

「そうだと言ったら?」

「貴様は娘を…人を…命を……なんだと思っている………」


 マズイ。怒りが抑えきれない。おそらくこの女の意思で無いにしろ、これでは間違って殺しそうだ。





 プレシア・テスタロッサside

「貴様は娘を…人を…命を……なんだと思っている………」


 いきなり、殺気が……いえ、殺気だけじゃない。魔力も上がっている。なに、この子はいったい何者なの!?


「名乗るのが遅れたな。名前はわけあって言えんが、偽名でよければ教えるが?」


 この子は本気で怒っている。


「へぇ。私はプレシア・テスタロッサ。ちなみに聞いておきましょうか、その偽名とやらを?」

「【死神】魂を奪い地獄まで誘う者。お前なら知ってるよな?















 【邪者】」

「グッ、な、なに、を」


 急に、あ、あたまが………


「お前に問う、あの子……フェイトはなんだ」

「あの子? あの子は作り者よ?」


 違う! あの子は、たとえそうであっても! 私の、大切な


「再び問う、プレシア・テスタロッサ! 汝は本当にそう思っているのか?」

「そ、そうよ。私の娘は(違う違う違う違う違う! あの子、あの子は!)」


 邪魔をするな! 私はあの子に、普通に育ってほしい。あの子を、助けて!





 拓斗side

「そ、そうよ。私の娘は」


 プレシアがそう言葉を続けようとしたが、彼女の声があまりにも女性とは思えない低い声で確信をした。
 彼女は【邪魂】または【邪者】に呑まれつつある。


「邪魔をするな! 【邪】に生きる者! 俺は彼女に直接聞いている! 貴様が出しゃばるな!?」

「ダ、マレ。キサマハ、ダレモスクエナイ。コロスコトシカ、デキナイ」

「それがどうした? 俺はそれでもいいさ。ただ、殺すのはお前等だけだ」

[(拓斗。おそらく邪者はプレシアを操っているのではなく、心に干渉してるんだ。フェイトへの愛情を憎悪に変換してる。今のお前の言葉でその二つがぶつかり合っているようだな)]


 やはりな、フェイトの母親としての感情と、フェイトを嫌悪する偽りの感情がプレシアさんの中に存在している。
 すると、いきなり念話が入って来た。


「(あの子を、フェイトを助けてあげて!)」


 この声は………プレシア!?


「(まだ意識はあるのか?)」

「(えぇ、でも保っているのがやっとよ)」

「(お前に問う。お前は、フェイトを)」

「(彼女はアリシアの、私の一人の子供のクローン。でも勘違いしないで! あの子がクローンだろうと関係ない! 私の、私の大切な娘よ!)」

「(そうか)」


 彼女はそう断言した。心からフェイトを愛している事がわかる。
 少し……羨ましいな。


「(。今の俺はお前を犯している者の浸食スピードを遅めるのがやっとだ。だが必ず助ける。お前も、フェイトも、そしてお前のもう一人の子も)」

「(でも、あの子は!?)」

「(大丈夫。だから、少しの間、アイツに、フェイトに幸せを与えてやってくれ)」


「ソウル」

[おう]


 俺は黒夜を突きの形で構える。
 黒夜の刃に小型のナイフが魔力で作られる。


「『退魔の刃 その刃は心を表す水鏡 その力を持って 彼の者の心を表せ』!」


 詠唱を終えナイフはプレシアめがけ放たれる。
 そしてその刃は見事に胸の中心に刺さり霧散した。
 彼女は力が抜け、倒れそうになるがその寸前で駆け寄り体を支える。


 すると、


「はぁ、はぁ」

「プレシア・テスタロッサだな?」

「え、えぇ」

「さっき俺が言ったこと誓え。意志を強く持て。でないと、あれに飲み込まれてしまう」

「えぇ、分かったわ。それよりこれはどの程度持つの?」

「長くて2・3日だ。その間にフェイトに言いたいことがあるなら言ってやることだ」

「分かったわ」

「では」


 そういって俺はマントをなびかせ時の庭園を去った。










 時の庭園から帰宅し現在俺はソウルと話し合っていた。


「それで、次はどうするか……」

[今回のは厄介だしな。人に浸食するタイプだ。今のお前ではとうていプレシアを助けて尚且つ【邪者】を倒すのは無理に近い。むしろ両方犠牲にするな]

「本当にどうすればいいのかね……」

[憑いている相手用の技はあるが、人間相手は試した事ないからな……うまくいくか確証がない]

「それでうまくいけば嬉しいんだがな」

[考えても仕方ない。とりあえず書物庫にでも行くっ!?……拓斗]

「なんだ? 書物庫に行くのは賛成だが?」

[いや、それじゃない。魂だ]

「魂が? どこらへんだ?」

[庭あたりだ]

「庭? どこの」

「どこって、ここだ」





 …………





「……もう一回言ってくれ。何処の庭だ?」

「何度でも言ってやるよ。此処、この家の庭だ」

「『解除』……マジだな。ソウル」

[おう]

「トリガー・オン」


 ソウルを白夜で展開し窓から外に出て屋根の上に上がる。
 そこから庭を見渡すと、庭の中央に人が立っていた。
 

 ただ普通の人じゃない。
 その姿は半透明で存在感がまるで感じられない。
 俺はその姿に驚いた。


「すごいな、死んでどれくらい経ったか知らないがを意識を保っていられるのか」


 俺が驚いたのはそこだ。
 通常人は死ぬと魂がそのまま輪廻に戻るかその場に留まるかの二つだ。
 しかし後者の状態だと遅くて5日、早くて1日で意識を保てなくなり姿が野球ボールサイズの青白い火の球へと変わる。
 人魂と言われるモノなどがそれだ。
 魂が意識を保ったまま存在する確率は約7千万に一つ。奇跡に近い事だ。
 だからこそ驚いたのだ。


[よっぽど果たしたい事があるのか、それとも唯精神が強いのか]

「とにかく、悪いものは感じないし話を聞くくらいは良いだろう」

[賛成だ]


 俺は屋根から飛び降り魂に近づき話しかける。


「おい」

【っ!? あ、あなたは……死神さんで合っていますか?】

「あぁ、俺が死神だ。なんで俺のことを知ってるのか聞きたいが、その前にアンタの名前を聞きたい」

【そうですね私の……



















 私の名はリニス。プレシアの使い魔だった者です】 
 

 
後書き
~あとがき雑談会~

作「あとがき雑談会! 今回のゲストはアルフに来ていただきました!!」

ア「あの……アタシ今回ほんの少ししかでてないんだけど?」

拓「あまり気にしない方が賢明だぞアルフ」

作「というわけで、今回は時の庭園に不法侵入の回でした!」

拓「いや間違ってないけど不法侵入言うな……」

ア「ていうか、『というわけ』ってどういうわけだい……」

拓「しかし最後にある意味驚く人が出てきたな」

作「そうだね~。最初は出す気なかったんだけど、『出した方が後々楽になるかな?』って考えて」

拓「なるほどな。リニスは結構無印ではかなり重要な位置かもな」

ア「っていうことは、リニスは生き返るのかい!?」

作「まだ決まってないよ。生き返らすかもしれないし、そのまま死んでいくかもしれない……ってあの~アルフさん?何故に両手に魔力を纏わせているのでしょうか?」

ア「リニスを……生き返らせろーー!!」

作「ぎぃやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

拓「あ~……まぁほっといても大丈夫か?………閉めるか





  突然拓斗の前に現れたの魂は、プレシアの使い魔リニスだった

  その数日後、拓斗は一つの問題を起こしてしまう

  次回 魔法少女リリカルなのは ~黒影の死神~『リニスとの出会い ばれる存在』





 それじゃ、次回に トリガー・オン!!」





 ちょっちょっtブッ! まグッ!待ってよ……話を聞いグハァ!!

 リニスを生き返らせろ生き返らせろ生き返らせろおぉぉぉぉぉ!!

 作者……命だけは無事でいろよ










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 これからも頑張って書いていくので応援よろしくお願いします!! 
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